船舶安全法の一部を改正する法律案
衆議院 運輸委員会
昭和38年法律第16号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
綾部健太郎 運輸大臣 昭和38年1月28日ただいま議題となりました木船再保険法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして、御説明申し上げます。
木船再保険法は、政府が、船主相互保険組合法に基づいて設立された木船相互保険組合の負う保険責任を再保険して、組合の健全な経営を確保することを目的として、昭和二十八年に制定されたものであります。この制度の発足以来九年間の実績を見ますと、年々、木船再保険特別会計に相当の黒字を生じております。
申すまでもなく、この利益は、木船船主の保険料から生じたものでありますから、これを木船船主に還元し、保険料の負担の軽減をはかることが望ましいのであります。
しかるに、現行の木船再保険法には、利益還付の規定がありませんので、同法を改正いたしまして、木船再保険特別会計に利益を生じた場合には、今後の異常災害等に備えて一定額を積み立てた後、なお残余があるときに限り、これを木船相互保険組合に対し還付することができるよう、利益還付金制度を設けることといたしたのであります。
以上が、この法律案を提案する理由であります。
何とぞ、慎重審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
次に、船舶安全法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
今回の改正の第一点は、一九六〇年の海上における人命の安全のための国際条約を批准することとするに伴いまして必要な規定の整備をすることであります。
一九六〇年五月ロンドンで開催されました国際会議において、一九四八年の海上における人命の安全のための国際条約が改正せられましたが、これを批准することとするに伴いまして、次の二点について、船舶安全法の規定を整備することが必要となったのであります。
第一は、総トン数三百トン以上五百トン未満の非旅客船で国際航海に従事するものに対しまして、新たに無線電信または無線電話の施設を義務づけることであります。
第二は、ばら積み穀類を船積みする場合において、その積載図を承認する等の運送に関する規制を新たに設けることであります。
改正の第二点は、検査対象船舶の増加に対処して、技術の進歩と検査の体制とに即応した船舶検査制度の合理化をはかることであります。
経済の進展に伴う船腹の増加によりまして、船舶検査が繁忙をきわめて参りましたが、一方、技術の進歩によりまして、船舶及び船舶用物件の性能も向上して参りましたので、その実情に即応して、次の諸点について、船舶検査の合理化をはかることとしたのであります。
第一は、総トン数五トン以上二十トン未満の帆船以外のもの及び平水区域のみを航行する帆船以外のものに対し、現在定期的に行なっております船舶検査を、これらの船舶の、就航状態が、従来から随時の検査の対象となっている一部の帆船と同様に、いずれも平穏な狭い水域に限られていることにかんがみまして、随時の検査に変更することであります。
第二は、一定の規格により、または大量生産方式により製造されている船舶用物件につきまして、船舶用機関と同様に、当該物件を施設する船舶の特定前に検査を受けられることとすることであります。
第三は、優秀な製造施設を有し、製造過程中の品質管理、自主検査機構等が充実している事業場の認定を行ない、その事業場において製造される一定の船舶用物件に対しまして、製造工事に関する検査を省略することであります。
以上のほか、満載喫水線を表示すべき船舶の範囲を国際満載喫水線条約の線に合致させる等、所要の整理をすることにしたのであります。
以上が、この法律案を提案する理由であります。
何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
第43回国会参議院運輸委員会会議録第2号1頁(昭和38年1月28日)〔綾部健太郎運輸大臣発言・発言番号7〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=104301009)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。