戦没者の父母等に対する特別給付金支給法案
衆議院 社会労働委員会
昭和42年法律第57号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
坊秀男 厚生大臣 昭和42年4月27日次に、戦没者の父母等に対する特別給付金支給法案について、その提案の理由を御説明申し上げます。
過ぐる大戦において、戦闘その他の公務によりなくなられた軍人軍属及び準軍属の御遺族に対しましては、恩給法、戦傷病者戦没者遺族等援護法等により、公務扶助料または遺族年金を支給するなど、政府といたしましては、これまででき得る限りの措置を構じてきたところであります。
しかしながら、この大戦により、すべての子または最後に残された子をなくされた戦没者の父母並びにこれらの父母と同様の立場にある孫をなくされた祖父母については、その最愛の子や孫を国にささげ、しかもそのために子孫が絶えたという言いしれぬ寂寥惑や孤独感と戦って生きてこなければならなかったという特別の事情があるものと考えられます。したがって、この際、このような戦没者の父母及び祖父母の精神的痛苦に対して、国としても、何らかの形において慰謝する必要があるものと考え、これらの方々に特別給付金を支給するため、ここに、との法案を提案する次第であります。
次にこの法案の概要について、御説明いたします。
第一は、昭和十二年七月七日に勃発した日華事変以後に公務上負傷しまたは疾病にかかり、これにより死亡した軍人軍属、準軍属等の父母または祖父母として、本年四月一日において、公務扶助料、遺族年金、遺族給与金等の年金給付を受ける権利または資格を有する者であって、その戦没者の死亡の当時他に子も孫もなく、その後本年三月三十一日までの間に子も孫も出生しなかった者に対し、十万円の特別給付金を支給することとしたことであります。
第二は、この特別給付金は、五年以内に償還すべき記名国債をもって交付いたしますとともに、この国債は無利子とし、昭和四十二年五月十六日をもって発行することとしたことであります。
なお、国債の償還金の支払いについては、来年五月十五日に第一回分として二万円を、その後、毎年二万円ずつ、最終回は昭和四十七年五月十五日に二万円を支払うことといたしております。
第三は、特別給付金を受ける権利は、その譲渡を禁止しておりますが、相続についてはこれを無条件に認めますとともに、国債についての承継に関しても、民法の原則により相続人が受継することといたしております。
その他、特別給付金についての時効、差し押えの禁止、非課税、実施機関等所要の事項を規定いたしております。
なお、この法案による特別給付金の支給件数は約一万件と見込んでおります。
以上がこの法案を提出いたしました理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
————◇—————
第55回国会衆議院社会労働委員会議録第6号6頁(昭和42年4月27日)〔坊秀男厚生大臣発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=105501080)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。