割賦販売法の一部を改正する法律案
参議院 商工委員会
昭和43年法律第72号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
椎名悦三郎 通商産業大臣 昭和43年4月5日割賦販売法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。
近年、一般消費者が耐久消費財等を購入するにあたって割賦販売の制度が広く利用されつつありますが、このような割賦販売の一形態として、商品の引き渡しを受ける前に商品の代金を積み立てる、いわゆる前払い式割賦販売の制度があります。この制度は、ミシン、手編み機、家庭用電気製品等を中心として、毎年急速な伸びを見せており、契約口数は約一千万口、消費者からの前受け金残高は約五百八十億円の規模に達しております。
以上のように、この制度の普及には著しいものがありますが、その反面、前払い式割賦販売業者の倒産により購入者が不測の損害をこうむる事例が発生しており、さらに、契約解除の際の返還金の支払いが遅延する等、前払い式割賦販売業者と購入者との紛争も相当多く起きております。
現行割賦販売法におきましても、購入者保護のため、前払い式割賦販売業に対する規制措置を講じておりますが、さきに述べましたような事態に対しては、十分でない状況にあります。このため、政府としては、消費者の保護を強化する見地から、割賦販売法の改正を行なうことが必要であると判断し、割賦販売審議会の答申の趣旨に即して、この法律案を取りまとめ、今国会に提案した次第であります。
次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一の改正点は、前払い式割賦販売業を許可制としたことであります。現行法におきましては、登録制がとられておりますが、前払い式割賦販売業を健全に営む資質を有する者にのみ営業を認めることとするため、登録制を許可制に改めるとともに、その要件を強化し、前払い式割賦販売業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有すること、とかく紛争の原因となる前払い式割賦販売契約約款が購入者保護のための一定の基準に適合していることを許可の基準として追加することとしております。
第二の改正点は、前払い式割賦販売業者の供託義務を強化し、購入者の債権の保護を強化したことであります。すなわち、前払い式割賦販売業者は、購入者から受け取っている前受け金残高の三分の一に相当する額を、購入者への優先弁済のための営業保証金として、供託しなければならないこととしております。なお、このような供託義務の強化を急激に行なうことの影響を考慮し、所要の経過措置を講じております。
第三の改正点は、前払い式割賦販売業に対する監督を強化したことであります。購入者の保護に万全を期するためには、倒産等の事態に立ち至らないよう事前に財産の状況につき監督を行なうとともに、購入者との間に紛争が発生しないよう、約款その他業務の運営方法につき監督を行なう必要がありますので、財産の状況及び業務の運営についての改善命令、約款の変更命令等の規定を設けております。
以上がこの法律案の提案理由及びその概要であります。
何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださるようお願い申し上げます。
第58回国会衆議院商工委員会議録第16号5頁(昭和43年4月5日)〔椎名悦三郎通商産業大臣発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法施行にあたり、次の諸点について万全を期すべきである。
一前払式割賦販売については、当面、法改正の趣旨に沿い極力消費者保護に努めるとともに、近い将来、通常の割賦販売形態に移行するよう検討すること。
二割賦販売体制を強化するため、信用調査、消費者金融、割賦販売金融、割賦代金回収、割賦信用保険等の各機構の整備を図ること。
三割賦販売価格とその金利及び現金販売価格の表示方式の明確化及び合理化を図るとともに、不当に割高な割賦販売価格の是正について指導監督すること。
四健全な中小規模割賦販売業者の存立基盤を確保するため、金融、税制上の特別の配慮を図る等割賦販売の体制の強化に努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=105801030)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。