地価公示法案
参議院 建設委員会
昭和44年法律第49号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院建設委員会
- S44.3.14趣旨説明建設委員会 7188
- S44.4.16質疑建設委員会 12138
- S44.4.18質疑建設委員会 13111
- S44.4.23質疑・採決・附帯決議建設委員会 1478
- S44.4.24採決・委員長報告・附帯決議本会議 3153
参議院建設委員会
- S44.5.8趣旨説明・補足説明建設委員会 14269
- S44.5.20質疑建設委員会 169
- S44.6.5質疑建設委員会 1773
- S44.6.10質疑建設委員会 18109
- S44.6.12質疑建設委員会 19196
- S44.6.17参考人招致・質疑建設委員会 20121
- S44.6.19質疑・採決・討論・附帯決議建設委員会 21144
- S44.6.20附帯決議・委員長報告・採決本会議 2940
提案理由
坪川信三 建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長 昭和44年3月14日ただいま議題となりました地価公示法案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
近年における地価の高騰は、基本的には、産業、人口の急激な都市集中等による土地需給の著しい不均衡に基づくものでありますが、さらに、土地は、他の諸財と異なり、合理的な市場価格の形成がきわめて困難であることから、不当なつけ値による取引価格が容易に一般化し、実勢を越えた地価の高騰をもたらしている場合も多いものと認められます。
このため、公共用地の取得価格も公共事業相互間において必ずしも統一されているとはいいがたく、しかもこの公共用地の取得価格が周辺に影響を与えて一般の地価水準を引き上げているとの批判も少なくないのであります。
このような事態に対処するためには、土地取引がひんぱんに行なわれる都市地域の標準地について、その正常な価格を公示する制度を確立して、適正な地価の形成に寄与する必要があるものと考えられるのであります。
この制度の確立につきましては、昭和三十九年五月、衆議院本会議における地価安定施策の強化に関する決議で御指摘を受けまして以来、政府といたしましても種々検討を重ねてまいったのでありますが、昨年十一月住宅宅地審議会からの地価公示制度の確立に関する答申もあり、ここにその成案を得るに至りましたので、この法律案を提出することといたした次第であります。
次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
第一に、この法律は、都市地域において、標準地の正常な価格を公示して、一般の土地取引価格に対して指標を与え、及び公共用地の取得価格の算定等に資し、もって適正な地価の形成に寄与することをその目的といたしております。
第二に、土地鑑定委員会は、建設省令で定める市街化区域内の標準地について、毎年一回、二人以上の不動産鑑定士等の鑑定評価を求め、その結果を審査、調整して判定した正常な価格を、標準地の面積、形状、利用の現況等とともに官報で公示し、あわせて関係市町村において一般の閲覧に供することといたしております。
第三に、公共事業の施行者が公共用地の取得価格を算定する場合及び不動産鑑定士等が土地を鑑定評価する場合には、公示価格を規準としなければならないこととし、収用委員会が収用する土地に対する補償金を算定する場合にも、公示価格を規準とした価格を考慮しなければならないものといたしております。
第四に、建設省に土地鑑定委員会を設置し、地価の公示に関すること及び不動産鑑定士試験に関すること等の事務を行なわぜることといたしております。この土地鑑定委員会は、委員七人をもって組織し、そのうち六人は非常勤としております。これらの委員は、両議院の同意を得て建設大臣が任命することといたしております。
第五に、標準地の鑑定評価等に伴う土地の立ち入り及びこれによる損失の補償、土地鑑定委員会の鑑定評価命令等、地価の公示に関して必要な事項を定めております。
第六に、この法律は、本年七月一日から施行することとし、最初に行なう地価の公示は、施行の日から十月をこえない範囲内において別に定める日に行なうことといたしております。
以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願い申し上げます。
第61回国会衆議院建設委員会議録第7号4頁(昭和44年3月14日)〔坪川信三建設大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行にあたり、左の諸点について、適切なる措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
一適正な土地価格の形成とその確保を図るため、固定資産税、相続税等の課税上の評価にあたつては、公示価格との均衡を失しないよう努めるものとすること。
二市街化区域内の地価の高騰を抑制し、同区域内の公共事業の施行による土地所有者等と一般の土地取引者との利益の調整を一図るため、一般の土地取引においては、公示価格を一定限度以上越える譲渡差益に対する課税の強化、同区域内の未利用地の利用促進を図るための空閑地税の創設等土地税制の積極的な改善を推進すること。
三地価公示制度の実効を確保するために、不動産鑑定士制度の充実について十分配慮するとともに、標準地の選定は適正かつ稠密に行うこと。
地価の高騰は、国民生活の安定上極めて由々しい問題である。政府は、近時土地政策に関し、一連の検討を加え、法令の整備を図りつつあるも末だ十分な実効を挙げるに至っていない。よって、土地に関する利用、規制、課税等について法令の体系的整備を更に推しすすめるとともに、本法の施行に当っては、次の諸点に関し適切な措置を講じ、運用に遺憾なきを期すべきである。
一公示価格を固定資産税、相続税等の評価の基準として活用するため、本制度の実施地域とその他の地域との調整等について技術的な検討を行なうこと。
一標準地の選定は、公共投資との関連において高密度な市街地及び市街化形成の著しい都市地域について、特に稲密に行なうこと。
一不動産鑑定士等の資質の向上を図ることはもとより、公正妥当な鑑定評価を行なうため、その職責に応じた報酬等について十分配慮すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=106101062)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。