輸出保険法の一部を改正する法律案
衆議院 商工委員会
昭和45年法律第57号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
宮澤喜一 通商産業大臣 昭和45年3月10日次に、輸出保険法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。
近時わが国経済の急速な発展に伴って海外資源の確保が緊要となっている一方、内外の経済環境の変化に対応して、わが国企業の活動の場を広く海外に求めることが必要となってきており、このため海外投資の積極的な促進が要請されております。
また、南北問題の進展と、わが国の国際的地位の向上に伴い、わが国に対する経済協力拡充の要請は一段と強まってきておりますが、海外投資は効果的な経済協力政策の一つであり、この面からもその必要性を増しております。
わが国としては、このような要請にこたえるとともに、外貨の有効活用という見地からも海外投資の積極的促進をはかる必要があります。
海外投資保険制度は、海外投資に伴って投資者がこうむる政治的危険の負担を分散し、軽減することにより、海外投資を円滑に行なわせることを目的とする制度でありますが、現行の制度は、今日の国際環境下におけるわが国経済の実態に十分対応し切れない点があり、国際的にも立ちおくれている面がありますので、かねてより各界からその拡充、改善を強く要請されていたのであります。
このような実情にかんがみ、現行の輸出保険法に所要の改正を加えることとし、本改正案を提案した次第であります。
次に、改正法律案の概要を御説明いたします。
改正点の第一は、付保対象の範囲の拡大であります。
現行法におきましては、付保の対象となる投資元本は、株式その他の持ち分に限られておりますが、これに加え、合弁企業等に関する長期貸し付け金、合弁企業の発行する社債及び海外直接事業を新たに付保の対象とすることといたしました。また、投資利益につきましても、配当金に加えて長期貸付金及び社債の利子を付保の対象とすることとしております。
改正点の第二は、担保危険の拡大であります。
現行法におきましては、投資元本については担保危険は戦争危険と収用危険に限定されておりますが、令回投資元本の回収金について、為替制限等の送金危険も担保危険とするよう改正することといたしました。また、投資利益につきましても送金危険に加えて戦争危険及び収用危険を担保危険とするよう改正することとしております。
改正点の第三に、てん補要件の拡大であります。
現行法におきましては、被投資企業が解散するか、または投資者がその持ち分を処分することを保険金支払いの要件としておりますが、この要件を緩和し、被投資企業について事業の継続不能等の事由が発生した場合には保険金を支払い得ることとしております。
改正点の第四は、てん補率の引き上げであります。
現行法におきましては、てん補率は七五%となっておりますが、今回これを九〇%に引き上げることとしました。以上のほか、保険金算定方式の合理化、海外投資元本保険と海外投資利益保険の一元化等所要の改正を行なうこととしております。
以上が、今回の改正の概要であります。
何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
第63回国会衆議院商工委員会議録第4号10頁(昭和45年3月10日)〔宮澤喜一通商産業大臣発言・発言番号82〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=106301045)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。