中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案
衆議院 社会労働委員会
昭和45年法律第41号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
野原正勝 労働大臣 昭和45年3月18日ただいま議題となりました「中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案」につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
中小企業退職金共済法は、中小企業の従業員の福祉の増進と中小企業の振興に寄与するため、昭和三十四年に制定され、この法律に基づきまして、現在、中小企業一般の従業員を対象とする中小企業退職金共済制度と、建設業並びに清酒製造業に期間を定めて雇用される従業員を対象とするいわゆる特定業種退職金共済制度の二種類の制度が設けられているのであります。
これらの制度の現在の普及状況をみますると、両制度あわせて、加入事業主数約十七万人、従業員数約二百五十二万人という実績をあげているのであります。
このような実績から見まして、これらの制度は、中小企業労働福祉対策の主要な柱の一つとして、中小企業に働く従業員の福祉の増進と中小企業の振興のため、貢献するところ大であると信ずるものであります。
しかしながら、本制度を最近における社会経済情勢に即応した、より効果的なものとし、本制度の一そうの普及発展をはかるためには、なお改善を要する幾つかの点があるのであります。
すなわち、近年の賃金・退職金水準の上昇等を考えまするとき、現行中小企業退職金共済制度における掛金月額は、実情に即さないものとなってきているのであります。他方、中小企業においても退職金制度についての関心が高まっているおりから、本制度を一そう魅力あるものとするため、退職金給付に対する国庫補助を増額する必要があると考えられるのであります。
また、現行制度では、死亡退職者につきまして、特段の配慮はなされていないのでありますが、死亡という特殊事情を考慮いたしまするとき、死亡退職者にかかわる退職金給付について、改善をはかることが適当と考えられるのであります。
以上のような事情にかんがみまして、政府といたしましては、これらの諸点につき所要の改善を行なうこととし、中小企業退職金共済審議会に諮問の上、その答申を得て、この法律案を提出するに至った次第であります。
次に、法律案の内容につきまして概要を御説明申し上げます。
この法律案は、以上申し述べました趣旨に基づいたものでありまして、その内容は、次の三点であります。
第一点は、中小企業退職金共済制度における退職金給付に対する国庫補助の増額であります。すなわち、現行制度では、退職金の給付に関し、掛金月額二百円に対応する退職金について、掛金の納付された期間が三年以上十年未満は五%、十年以上は一〇%の国庫補助が行なわれているのでありますが、退職金の国庫補助対象部分を掛金月額二百円に対応するものから掛金月額四百円に対応するものに引き上げ、国庫補助を増額することといたしたことであります。
第二点は、掛金月額の引上げであります。現行中小企業退職金共済制度では、掛金月額の最低額は二百円、最高額は二千円とされているのでありますが、これを、最低額四百円、最高額四千円にそれぞれ引き上げることといたしたことであります。
第三点は、死亡退職者にかかる退職金給付の改善であります。現行制度では、長期勤続者に対する退職金給付を有利にするため、短期勤続者の場合には、退職金が支給されず、または退職金の額が納付された掛金の総額に満たないことがありますが、死亡退職者につきましては、特例を設けることといたし、掛金納付期間が一年以上の死亡退職者につきましては、少なくとも納付された掛金の総額以上の退職金を支給することといたしたことであります。
その他、これらの改正が円滑に実施されるよう所要の経過措置を講ずることといたしております。
以上この法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
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第63回国会衆議院社会労働委員会議録第5号12頁(昭和45年3月18日)〔野原正勝労働大臣発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=106301049)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。