TaiLexi AI日本の判例・法令
国会審議›第63回国会›閣法第64号
閣法第63回国会 第64号成立

沖縄・北方対策庁設置法案

昭和45年法律第39号 沖縄・北方対策庁設置法
提出昭和45年3月9日 内閣
付託衆議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会
参議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会
成立
昭和45年法律第39号
審議会議 10回・発言 703(政府答弁等 307)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会

  1. S45.3.17趣旨説明沖縄及び北方問題に関する特別委員会 6124
  2. S45.3.24質疑沖縄及び北方問題に関する特別委員会 870
  3. S45.4.2質疑沖縄及び北方問題に関する特別委員会 937
  4. S45.4.7質疑沖縄及び北方問題に関する特別委員会 1078
  5. S45.4.9質疑・討論・採決・附帯決議沖縄及び北方問題に関する特別委員会 1179
  6. S45.4.10委員長報告・採決・附帯決議本会議 1981

参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会

  1. S45.4.10趣旨説明・補足説明沖縄及び北方問題に関する特別委員会 6125
  2. S45.4.24質疑沖縄及び北方問題に関する特別委員会 7187
  3. S45.4.27質疑・附帯決議・採決沖縄及び北方問題に関する特別委員会 8162
  4. S45.4.28採決・委員長報告本会議 1480
  5. S45.5.13附帯決議本会議 1

提案理由

山中貞則 総理府総務長官 昭和45年3月17日

ただいま議題となりました沖繩・北方対策庁設置法案につきまして、その提案の理由及び概要を御説明申し上げます。

 この法律案による措置の第一点は、沖繩の復帰に関し、その準備のための施策を推進し、並びに沖繩の経済及び社会の開発及び発展をはかり、あわせて北方領土問題その他北方地域に関する諸問題の解決の促進をはかるために、沖繩及び北方地域にかかる国の行政事務を総合的に行なう必要がありますので、総理府の外局として、沖繩・北方対策庁を設置することであります。

 昨年十一月佐藤総理とニクソン米国大統領との間で、沖繩が、一九七二年中に、大多数の国民の意思に沿った形で返還されることが合意されましたことは、まことに慶賀にたえないところであります。これによって一億日本国民の宿願であった沖繩返還という重要な政治課題は基本的に達成されたといえるのであります。

 しかしながら、沖繩返還を現実のものとするための沖繩復帰対策の樹立と推進という現実的課題はこれから始まるのであります。四半世紀の間、米国の施政権下に置かれ、特殊な社会経済の実体を形成してきた沖繩を、わが国の社会経済体制の中に組み入れる事業はきわめて複雑多岐にわたる難事業であり、これをりっぱになし遂げるためには、政府はその総力をあげてこれに取り組まなければならないことは言うまでもありません。すなわち、本土と沖繩との間には、各般にわたる制度上の相違があり、また経済的社会的にも本土と比べ相当の差異が存するのでありまして、現に沖繩の人々の中には、祖国復帰を二年後に控え、このような相違、差異がどのように処理されるかをめぐって不安な気持ちを抱く向きのあることは、周知のところであります。沖繩は、さきの大戦においては、本土防衛のとりでとなって全土を灰じんに帰し、幾多のとおとい犠牲者を出したばかりか、戦後引き続き米国の施政権下に置かれながら、百万沖繩県民は祖国復帰を叫び続けて今日に至ったのであります。沖繩の祖国復帰が現実のものとなったいま、われわれ一億国民は、この多年の沖繩県民の忍従と苦難、そしてそれゆえに祖国に寄せる県民の大きな期待に償いの心をもってこたえねばなりません。

 私は、復帰準備に万全を期し、豊かな沖繩県づくりの方策を樹立して、あたたかく沖繩を祖国に迎え入れることは、本土政府及び一億国民の責務であると信じるのであります。

 一方、北方領土問題その他北方地域に関する諸問題については、戦後処理として残された最後の懸案として領土の返還を実現するための不退転の決意を秘めて政府、国民が今後ねばり強く解決をはかっていかなければなりませんが、これまでの間、種々の問題が存することは御承知のとおりであります。

 ただいま述べましたような背景のもとに、今後沖繩と北方地域にかかる国の行政事務を遂行するにあたっては、これらの事務が広く各省各庁にまたがるのみならず、これら事務の複雑性、多岐性、困難性等を勘案するとき、これを総合的統一的に処理することが最も肝要であると考えるのでありまして、これがため、今回、総理府の外局として、沖繩・北方対策庁を設置することといたしたのであります。

 その第二点は、現在総理府の特別地域連絡局で処理いたしております沖繩及び北方地域に関する事務につきましては、従来どおり沖繩・北方対策庁において所掌することといたしていることであります。

 その第三点は、沖繩・北方対策庁の内部部局に関する規定であります。

 沖繩・北方対策庁には、内部部局として、総務部と調整部を置くことといたしております。

 まず、調整部の分掌する事務について申し上げますと、沖繩の復帰に関し、その準備のための施策を策定し、並びに沖繩の経済及び社会の開発及び発展をはかるための基本的な施策を策定すること、及びこれらの施策の実施に関し、関係行政機関の事務の総合調整を行なうことがその主要な事務であります。

 また、総務部におきましては、これらの施策を推進するための財政上その他の措置を講ずるほか、庁務の総合調整、北方領土問題その他北方地域に関する諸問題の処理及び現在総理府特別地域連絡局において処理している通常の業務を行なうことといたしております。

 その第四点は、沖繩・北方対策庁の長は一般職の長官とすること、及び沖繩・北方対策庁長官が、その所掌事務を遂行するにあたって必要がある場合には、関係行政機関の長に対して協力を求め、または意見を述べることができるとの規定を設けたことであります。

 その第五点は、沖繩事務局の設置及びその所掌事務の範囲に関する規定であります。

 沖繩・北方対策庁及び沖繩事務局は、沖繩現地に置かれます返還準備委員会日本国政府代表事務所と緊密な協力関係を保ちつつ、復帰準備に関する施策を適時適切に実施に移し、かつ琉球政府と連絡調整を行なう必要があるわけであります。この意味におきまして、沖繩事務局は、現在の日本政府沖繩事務所の果たしている役割りより、より広範かつ重要な機能を果たしてまいらなければならないわけであります。

 なお、日本政府沖繩事務所は、沖繩におけるアメリカ合衆国の政府機関との連絡、協議を行なう権能を与えられておりますが、これらの権能及び他の法律で同事務所の所掌に属せしめられている権限は、そのまま沖繩事務局の所掌事務及び権限に含められることといたしております。

 その第六点は、沖繩甲北方対策庁設置法は公布の日から施行することとし、そのために必要な関係法律の整備に関する規定を附則に設けたことであります。

 以上が、この法律案の提案の理由及びその概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。

第63回国会衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会議録第6号3頁(昭和45年3月17日)〔山中貞則総理府総務長官発言・発言番号5〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

衆議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会昭和45年4月9日

まず、案文を朗読いたします。沖繩・北方対策庁設置法案に対する附帯決議案政府は、本法の施行に当つては、次の事項について配慮せられたい。

一本法第四条第三号における沖繩の経済及び社会の開発、発展を図るための基本的な施策を策定するに当つては、沖繩代表を含む沖繩対策審議会等を設置し、沖繩住民の意向を反映させること。

一沖繩が復帰した際、復帰後の沖繩の経済及び社会の開発を強力に推進するため適切な措置を講ずること。

参議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会昭和45年4月27日

政府は総力を挙げて沖繩復帰対策の推進に取り組み、万遺漏なきを期するとともに、とくに左の事項について善処すべきである。

一沖繩の経済及び社会の開発、発展を図るための基本的な施策の策定に当つては、沖繩県民の意向が反映されるよう十全の措置を講ずること。

一復帰実現に当つては、沖繩県民の生活に不安や混乱が生ずることがないよう、必要な経過措置、特別措置を講ずること。

一復帰後は豊かな沖繩県づくり推進のために、行政面、財政面において特別の措置を講ずること。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=106301064)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。