特定工場における公害防止組織の整備に関する法律案
参議院 公害対策特別委員会
昭和46年法律第107号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院産業公害対策特別委員会
- S46.3.26趣旨説明産業公害対策特別委員会 8211
- S46.4.26質疑産業公害対策特別委員会 11139
- S46.4.27質疑産業公害対策特別委員会 12169
- S46.4.28質疑・附帯決議・採決産業公害対策特別委員会 13124
- S46.4.28委員長報告・採決・附帯決議本会議 2547
参議院公害対策特別委員会
- S46.5.7趣旨説明公害対策特別委員会 671
- S46.5.14質疑公害対策特別委員会 797
- S46.5.19質疑・附帯決議・採決公害対策特別委員会 8183
- S46.5.21附帯決議・委員長報告・採決本会議 1432
提案理由
宮澤喜一 国務大臣 昭和46年3月26日特定工場における公害防止組織の整備に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
近年におけるわが国経済の高度成長は、国民生活の著しい向上をもたらした反面、産業活動の飛躍的拡大、人口の都市集中などに伴って大気汚染、水質汚濁、騒音等各種の公害問題を発生せしめ、国民の健康や生活環境に重大な影響を与えるに至っております。
このような事態に対処して、政府といたしましては、さきの臨時国会において、公害対策基本法の改正、大気汚染防止法の改正、水質汚濁防止法の制定等公害関係十四法律の成立をはかり、公害対策の強化拡充につとめているところであります。
しかしながら、産業公害の防止に万全を期するためには、各種の規制措置の強化とともに、これに対応して、事業者による工場内の有効適切な公害防止体制が確立されることが必要であります。
このため、今回、工場における公害防止組織の整備をはかり、もって公害の防止に資するため所要の措置を講ずることを目的として本法律案を提出した次第であります。
次に、この法律案の要旨について御説明申し上げます。
第一は、この法律案の適用対象となる特定工場についてであります。
この法律は、工場ごとに公害防止統括者、公害防止管理者等の選任を義務づけることとしておりますが、その選任が義務づけられる工場は、ばい煙発生施設、汚水等排出施設、騒音発生施設または粉じん発生施設を設置する工場で政令で定める要件に該当する特定工場としております。
第二に、特定工場におきましては、事業者は、工場の事業の実施を統括管理するいわゆる工場長を公害防止統括者として選任し、公害発生施設の使用方法の監視、公害防止施設の維持等工場における公害防止に必要な業務の統括管理を行なわせなければならないこととしております。
なお、政令で定める要件に該当する小規模の事業者については、公害防止統括者の選任義務を免除することとしております。
第三に、特定工場におきましては、事業者は、さらに公害防止管理者を公害発生施設の区分ごとに選任し、公害発生施設において使用する燃料または原材料の検査、ばい煙量等の測定の実施など公害防止に関する技術的事項の管理を行なわせることとしております。このほか、大規模なばい煙発生施設と汚水等排出施設が併置されている大工場については、公害防止管理者を指揮して公害防止統括者を補佐する公害防止主任管理者を選任させることとしております。
第四に、これらの公害防止管理者や公害防止主任管理者には、国家試験に合格した者その他政令で定める資格を有する者をもって充てなければならないこととしておりますが、このため、国及び地方公共団体は、公害防止管理者及び公害防止主任管理者として必要な知識及び技能を習得させるため必要な指導その他の措置を講ずるようつとめるものとしております。
第五に、都道府県知事は、公害防止統括者等が公害関係諸法令に違反したときは、事業者に対し、これらの者の解任を命ずることができることとしております。
このほか、都道府県知事の権限の市町村長への委任、立ち入り検査等につき、所要の規定を設けております。
以上がこの法律案の提案理由及び要旨でございます。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
第65回国会衆議院産業公害対策特別委員会議録第8号26頁(昭和46年3月26日)〔宮澤喜一国務大臣発言・発言番号108〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
まず、案文を朗読いたします。特定工場における公害防止組織の整備に関する法律案に対する附帯決議(案)政府は本法施行にあたり特に次の諸点につき適切な措置を講ずべきである。
一事業者が公害防止組織の形式的整備をもってことたれりとすることなく、公害防止施設の設置等を積極的に行なうよう強力に指導するとともに、公害を発生させた場合に、その責任を公害防止管理者等の実務担当者にのみ転嫁することのないよう監督指導すること。
二公害防止管理者等の人員数を確保する一方、その知識及び技能を極力高い水準に保つよう努力すること。これがため、公害防止管理者等の養成訓練に努め、なお、これを行なう地方公共団体等に対する助成を十分考慮すること。
三企業内における公害防止体制の整備のほか、地域ぐるみあるいは業界ぐるみの事業者間協力の推進を容易ならしめるため、制度の整備、指導及び助成措置の充実等を図ること。
四悪臭などによる公害についても本法を適用する方向の制度改善に関し早急に検討を進めること。
する法律案に対する附帯決議(案)政府は、本法施行にともない、次の事項に留意すべきである。
一公害防止組織の運営にあたっては、公害対策基本法第三条の趣旨に照らして、公害防止についてのトップマネジメントの責任と自覚を促し、公害発生責任が、いやしくも公害防止管理者等の実務担当者のみに転嫁されることのないよう監督、指導すること。
一知識、技能ともに優れた公害防止管理者等の人員を確保するため、その養成、訓練につとめること。なお、これを行なう地方公共団体等に対する助成を推進すること。
一小規模事業者に対して公害防止のために経営面、技術面の両面にわたり必要な指導、助言につとめること。
一企業内における公害防止体制の整備のほか、地域ぐるみあるいは業界ぐるみの事業者間の協力の推進を容易ならしめるため、制度の整備、指導及び助成措置の充実等を図ること。
一悪臭などの公害についても本法を適用する方向で早急に制度改善の検討をすすめるとともに、本法適用外の事業場等についても、公害防止管理の充実を図ること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=106501101)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。