関税定率法等の一部を改正する法律案
衆議院 大蔵委員会
昭和48年法律第4号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
愛知揆一 大蔵大臣 昭和48年3月6日ただいま議題となりました関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
政府は、昨年十月二十日、対外経済政策の推進のための総合的な諸施策を決定し、その一環として、昨年十一月二十二日より、総計一千八百六十五品目にのぼる物品の関税率を一律に二〇%引き下げたところであります。
今回、さらに最近における内外の経済情勢の推移に対応し、対外経済関係の調整、国民生活の安定に資する等の見地から、特恵関税制度の改正を行なうほか、生活関連物資を中心に関税率の引き下げをはかるとともに、各種の関税制度の整備等を行なう必要がありますので、この法律案を提出することとした次第であります。
以下、この法律案につきまして、その大要を御説明申し上げます。
第一に、開発途上国との経済取引を拡大し、これら諸国の経済発展に寄与するための特恵関税制度の改正について申し上げます。
まず、農水産物の特恵関税につきましては、その適用品目を拡充するため、新たに、魚卵、タコ等十一品目を追加するとともに、現行の特恵関税適用品目のうち、サンゴ、グリセリン、魚のかん詰等十四品目について、特恵税率の引き下げを行なうことといたしております。
次に、鉱工業産品であって、国内産業への配慮から特恵税率を一般税率の二分の一にとどめている品目のうち、鉛の塊、蓄電器等六品目について、その特恵税率を無税に引き下げることといたしております。
また、現在、鉱工業産品の特恵関税適用輸入額が一定の限度額に達した場合には、特恵税率の適用を停止することとしておりますが、この制度につきまして、輸入動向等を勘案し、国内産業に損害を与えるおそれがないと認められる品目については、特恵適用輸入額が限度額に達しても特恵税率の適用を継続することができることとし、特恵関税適用品目の輸入拡大をはかることといたしております。
第二に、関税率の改正について申し上げます。
関税率については、先般、一律二〇%引き下げという画期的な措置を講じたところでありますが、今回、これに加えて、国民生活に関連の深い物資を中心に三十二品目の関税率を引き下げることといたしております。主要な物資としては、農産品では、コーヒー、紅茶、ココア、バナナ、食用植物油等が含まれており、また、工業品では、エアコンディショナー、建築用ボード等がその対象となっております。
次に、関税割当制度の改善をはかるため、最近における産業の状況等を勘案し、硫化鉄鉱及び天然黒鉛につきこの制度の適用を廃止し、その関税率を無税とするとともに、魚粉、木炭の二次税率を引き下げる等の改正を行なうことといたしております。
また、通関実務を簡素化し、輸入者の便宜をはかる見地から、識別困難な類似品目等の税率を低いものに統一することとし、タイプライター、アートペーパー等三十五品目について、関税引き下げを行なうことといたしております。
このほか、本年三月三十一日に期限の到来する百八十七品目の暫定税率につきましては、生産や輸入の動向を勘案し、その適用期限を一年間延長することといたしております。
第三に、各種の関税制度の改正について申し上げます。
まず、わが国の居住者に対する贈与品について、政令で関税を免除し得る限度額を五千円から一万円に引き上げるほか、輸入後一定期間使用されて再び輸出される物品に対する減税制度の対象の拡大、保税展示場に関する制度の要件の緩和等を行なうことといたしております。
また、わが国の宇宙開発の推進に資するため、人工衛生等宇宙開発の用に供する物品等について、関税を免除する制度を創設することといたしております。
以上、この法律案につきまして、提案の理由及びその概要を申し述べました。
何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
第71回国会衆議院大蔵委員会議録第11号38頁(昭和48年3月6日)〔愛知揆一大蔵大臣発言・発言番号236〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法施行に当たり、財政投融資の原資の主柱である資金運用部資金及び簡保積立金が国民の零細な蓄積資金であり、財政投融資計画が国民経済の資源の配分に果たす役割の重要性にかんがみ、左の事項に留意すべきである。
一財政投融資計画の策定に当たつては、国民福祉の向上及び国民生活の改善のための施策について重点的に資金の配分を行なうとともに、関係機関の金利、貸付条件の改善など適正な措置を講ずるよう努力すること。
一財政投融資計画の総合的理解が容易でない実情にかんがみ、その様式、内容等についてさらに検討を加えるほか、説明資料の一層の充実を図ることにより、財政投融資計画に対する国民の認識と理解を深めるよう努めること。
一資金運用部資金及び簡保積立金の長期運用予定額の繰越しの実施並びに特別会計の予算総則に規定された弾力条項の適用については、実情に即し、適正な範囲に止めること。
一公団、事業団等の運営については、その設立の趣旨及び目的にてらし、適正な業務の執行が確保されるよう配意すること。
一厚生年金ほか各種年金の給付については、給付水準の向上に努力すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=107101031)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。