農業近代化資金助成法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案
衆議院 農林水産委員会
昭和48年法律第50号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院農林水産委員会
- S48.4.3趣旨説明・補足説明農林水産委員会 1280
- S48.4.4質疑農林水産委員会 13172
- S48.4.18質疑農林水産委員会 17283
- S48.4.19質疑農林水産委員会 18180
- S48.4.24質疑農林水産委員会 19271
- S48.4.25参考人招致・質疑・採決・附帯決議農林水産委員会 20271
- S48.4.26委員長報告・採決・附帯決議本会議 3082
参議院農林水産委員会
- S48.6.5趣旨説明・質疑・補足説明農林水産委員会 10162
- S48.6.7参考人招致農林水産委員会 1142
- S48.6.14質疑農林水産委員会 12176
- S48.6.15質疑農林水産委員会 1395
- S48.6.19質疑農林水産委員会 1475
- S48.6.21質疑農林水産委員会 15189
- S48.6.26質疑・採決・附帯決議農林水産委員会 16143
- S48.6.27附帯決議・委員長報告・採決本会議 2358
提案理由
櫻内義雄 農林大臣 昭和48年4月3日農業近代化資金助成法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
農業近代化資金制度は、昭和三十六年に制定された農業近代化資金助成法に基づき、農業者等に対する長期低利資金の融通を円滑にするため、主として農業協同組合系統資金の活用をはかりつつ、運用されてきておりますが、現在その融資残高はおおよそ四千七百億円にのぼっており、農業者等の資本装備の高度化及び経営の近代化の推進に大きく寄与しているところであります。
また、農業信用保証保険制度は、農業者等の信用力を補完し、農業近代化資金等の融通の円滑化をはかるために創設されたのでありますが、現在農業信用基金協会の債務保証残高はおおよそ三千六百億円、農業信用保険協会の保険引き受け残高はおおよそ二千四百億円にのぼっており、この制度創設以来今日まで、農業の生産性の向上と農業経営の改善に大きな役割りを果たしてきたところであります。
これら両制度につきましては、制度創設以来、逐年制度の内容及び運用につき改善をはかってきたところでありますが、最近における農業者等の資金需要の大口化、多様化の動向等に即応して、農業近代化資金その他農業者等の必要とする資金の融通の円滑化をはかり、あわせて最近における組合系統金融をめぐる諸情勢のもとにおいて組合系統資金の一そうの活用に資するため、農業近代化資金制度及び農業信用保証保険制度について、所要の改善措置を講じて制度運営に遺憾なきを期することとし、本法律案を提出した次第であります。
次に主要な改正点について御説明いたします。
まず、農業近代化資金制度の改善でありますが、これは農業者等の資本装備の高度化及び経営の近代化を推進するために行なうものであります。
改正の第一点は、貸し付け対象者の範囲の拡大であります。すなわち、農業者等または地方公共団体が主たる出資者、構成員または基本財産の主たる拠出者となっている法人で政令で定めるものを貸し付け対象者に加えることといたしております。
改正の第二点は、貸し付けの最高限度額を現行の五倍に引き上げることであります。現在、貸し付け限度額については、個人農業者は二百万円、農事組合法人等は一千万円、農業協同組合等は五千万円とされておりますが、これらについて、個人農業者は一千万円、農事組合法人等は五千万円、農業協同組合等は二億五千万円にすることといたしております。
次に、農業信用保証保険制度の改善でありますが、これは農業近代化資金等の融通の円滑化をはかるために行なうものであります。
改正の第一点は、農業信用基金協会の会員資格の拡大であります。今回農業近代化資金助成法の改正により新たに農業近代化資金の貸し付け対象者とされる者に、同基金協会の会員資格を付与し、同基金協会の債務保証を受けることができることといたしております。
改正の第二点は、保証保険制度の改善でありますが、その一は、農業信用保険協会の保険に付することのできる資金の範囲の拡大であります。現在、同保険協会の保険に付することのできる資金は、農業近代化資金及び総合資金制度にかかる運転資金に限定されておりますが、今回、この資金の範囲を拡大して、農業者等の事業または生活に必要な資金であって農業経営の改善に資するものもその対象とすることといたしております。
その二は、保証保険にかかる保険価額の範囲の拡大であります。すなわち、現在保証保険にかかる保険価額は借り入れ金元本に限られていますが、これを改め、借り入れ期間が政令で定める期間以上である借り入れ金については、借り入れ金元本のほか遅延利息以外の利息を含めた額とすることといたしております。
改正の第三点は、融資保険制度の改善であります。
その一は、保険の対象となる資金の範囲の拡大であり、融資保険の対象となる資金を保証保険の場合と同じく拡大することといたしております。
その二は、保険の対象者の範囲の拡大であります。現在、融資保険の対象者は農林中央金庫のみとなっておりますが、新たに、信用農業協同組合連合会も融資保険の対象者とすることといたしております。
その三は、保険方式の改善であります。融資保険の対象となる資金の範囲を拡大すること等に伴い、現行の包括保険及び選択保険の区分を廃止し、選択保険方式に統一することといたしております。
改正の第四点は、融資資金制度の改善であります。今回、農業近代化資金以外の資金で農業経営の改善に資するものを保険の対象に加えることに伴い、農業信用保険協会は農業信用基金協会に対して同基金協会のこれら資金にかかる保証業務に必要な資金の貸し付けを行なうことができることといたしております。
以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
第71回国会衆議院農林水産委員会議録第12号2頁(昭和48年4月3日)〔櫻内義雄農林大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
現下のわが国農業をめぐる厳しい情勢に対処し、農業者の必要とする資金を適時円滑に供給し、農業経営の近代化と資本装備の高度化を図り、もつて、農業の発展と国民食料の安定的供給を確保するため、政府は、本法の施行にあたり左記事項に十分留意し、その実現に努めるべきである。記
一規模拡大を図りつつある農業者の借入金の増加の状況、各種農産物価格の状況等にかんがみ、制度資金の利率、償還期間等の融資条件の緩和に一層努めること。
二農業近代化資金と農林公庫資金の融資条件につきたえず検討を加え、両資金の果すべき分野を明らかにしながら各資金の特性をふまえて、その改善と均衡を図ること。
三制度資金は、資金種類、融資条件が複雑多岐な面もあるので、できる限り統合簡素化を図るとともに、農業者が借り易いよう総合的な融資制度の強化を図ること。
四農業信用保証保険制度の運用にあたつては、農業者等の負担の軽減を図るため、保証料の引下げにつき強力に指導するとともに、保険料についても適正なものとすること。
案文を朗読いたします。農業近代化資金助成法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)政府は、農業近代化資金制度等の制度金融を再検討し、その実効ある運用を図り、農業の新たな役割と進展に対応し、農業の経営改善と資本装備の充実、資金需要の多様化にこたえるため、本法の施行にあたっては、とくに左記事項の達成に努めるべきである。記
一農業の実態に即し、簡易、低利・長期資金の充実を期するため、制度金融の対象施設、貸付利率、償還期限等の融資条件の緩和に努め、さらに資金種類の統合、借入手続の簡素化等により、資金融通の円滑化に配慮すること。
二農業近代化資金の有効な運用により、系統資金の一層の活用を図るとともに、農林漁業金融公庫資金と農業近代化資金の対象分野をたえず吟味しつつ、両資金の性格に対応した改善に努めること。
三農業改良資金については、農業技術の革新、農業後継者育成等の重要性にかんがみ、貸付枠の拡大をはじめ、貸付諸条件につき、改善を図ること。
四農家の過去の負債については、地域または作目によっては農業者の経営を圧迫している事例もみられるので、その実態に応じ、適切な対策を考慮すること。
五新たに信用保険の対象とする農業経営改善資金については、保険の対象を適切な範囲で拡大するとともに、保険料および保証料の適正化を図り、かつまた、今後とも信用保証保険機能の充実強化に努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=107101034)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。