教育職員免許法等の一部を改正する法律案
衆議院 文教委員会
昭和48年法律第57号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院文教委員会
- S48.4.11趣旨説明文教委員会 114
- S48.4.13質疑文教委員会 12420
- S48.4.18質疑文教委員会 13348
- S48.4.20質疑文教委員会 14273
- S48.4.25討論・採決・附帯決議文教委員会 15124
- S48.4.26委員長報告・採決・附帯決議本会議 3082
提案理由
奥野誠亮 文部大臣 昭和48年4月11日このたび、政府から提出いたしました教育職員免許法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
今日、わが国の学校教育は、国際的にも高い水準の成果を見つつありますが、今後、さらにその充実向上をはかっていくためには、教育の実質を左右する教員の職に、すぐれた人材を十分確保することが不可欠の要件であります。このため、昨年七月の教育職員養成審議会の建議や関係方面の要望等を考慮し、とりわけ最近における学校教育の実情に即して緊急を要するものとして、新たな教員資格認定試験制度を設けるほか、免許教科を新設するなど必要な教員の養成確保をはかるための所要の改善措置を講じたいと考え、この法律案を提出したものであります。
次に、この法律案の概要について申し上げます。
第一は、教育界に広く人材を求め、教員の確保をはかるため、免許状授与の特例として、文部大臣または文部大臣が委嘱する大学の行なう試験の合格者に対し、教員の免許状を授与することができる新たな教員資格認定試験制度を設けることとしたことであります。
御承知のように、現在、教員の資格は、文部大臣の認定を受けた大学または短期大学において、法令に定める所要の単位を修得した者に対して与えるという方式のほかは、現職の教員についていわゆる現職教育によって資格を取得する道が開かれております。しかしながら、このような方式だけでは、教員として適当な資質能力を有する者をすべての分野に十分確保するためには困難な面もあり、また、大学等に在学中に教員の免許状取得に必要な単位を修得しなかった者や大学等へ進学しなかった者の中にも職業生活や自己研修などにより教員として必要な専門的学力などを身につけ、教職を志すに至る者も少なくないと考えられます。
このような事情により、すでに高等学校の一部の教科については、文部大臣の行なう教員資格試験制度により、教員の資格を授与してきたのでありますが、今回、この制度を拡充して、高等学校の教科の一部に限定せず、新たに設けられた資格認定試験制度の合格者に広く教職への道を開くことといたしました。このことは、本人の能力、適性等を生かし、また、必要な教員の確保をはかるために必要であるばかりでなく、教育界にとっても広い視野と新しい経験を加えられるなど、教育の発展向上をはかっていく上で有益なことと考えます。
第二は、高等学校教員の免許状について所要の改善をはかったことであります。
近年、高等学校の衛生看護に関する学科が全国的に設けられてまいりましたが、高等学校における衛生看護の専門教育をその目的に即して充実して行なうためには、これを担任する教員についてその養成の段階及び免許の仕組みにおいて、それにふさわしい専門的な配慮が必要であります。このような見地から、高等学校教員の免許状の種類に看護及び看護実習の教科を加え、専門の教員の養成確保をはかることといたしました。
また、高等学校において、たとえば工業、商業等の教科では、その中の一部の専門的な領域について深く指導する必要がある場合がありますが、その際に適当な教員が確保できない実情もあるので、これらの指導領域に即した高等学校教員の免許状を設け、教員資格認定試験の合格者に授与することができることとしました。なお、これらの免許状を有する者が、他の教科の免許状を取得する場合も考えられますので、あわせて必要な規定を設けております。
第三は、特殊教育教員の免許状について所要の改善をはかったことであります。
盲学校、ろう学校及び養護学校の教育内容については逐次その改善整備がはかられてまいりましたが、これに伴い、これらの学校について設けられている理療その他の特殊の教科の免許状の制度を改善するため、特殊の教科の免許状は、高等部に限らずにこれを設けることができるものとするほか、教員資格認定試験に合格した者にも授与することができることといたしました。このことにより、新たに設けられた養護訓練の領域について、これを専門に担任する教員の免許状を設けるなどの必要にこたえられるわけであります。また、この養護訓練を担任する教員の免許状を有する者は、必要に応じ、特殊教育諸学校はもとより、小・中学校等の特殊学級においてもその専門の養護訓練を担任することができる特別の措置を講ずることといたしております。
以上のほか、大学における一般教育の弾力化に対応することができるよう一般教育科目の最低修得単位数についての規定を改め、また、高等学校助教諭免許状の授与の場合の所要資格に関する規定等を整備することといたしました。なお、この法律は、公布の日から施行することといたしております。
以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願い申し上げます。
第71回国会衆議院文教委員会議録第11号2頁(昭和48年4月11日)〔奥野誠亮文部大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、教育職員免許の重要性にかんがみ左記事項に留意すべきである。
一教員養成の二大原則、即ち教員は大学において養成されること及び開放制の趣旨を尊重し、教員資格認定試験の実施にあたつては、人物、学力等について筆記試験、面接試験等によつて、公平かつ十分な審査を行ない、教員の資質の保持向上のために公開等の措置を含め適切な配慮を行なうべきである。
二本法の運用は、教員養成の原則からして、きわめて高い視野からなさるべきものであり、いたずらに現状に妥協し、安易に流れぬよう十分配慮をなすべきである。
三本法の基礎となる教員養成のための諸条件の整備や、開放制の基ともなる奨学制度等の抜本的改革を早急に行なうべきである。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=107101067)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。