金属鉱業等鉱害対策特別措置法案
参議院 商工委員会
昭和48年法律第26号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院商工委員会・商工委員会公害対策並びに環境保全特別委員会連合審査会
- S48.3.13趣旨説明商工委員会 895
- S48.3.23参考人招致商工委員会 969
- S48.3.27質疑商工委員会公害対策並びに環境保全特別委員会連合審査会 1260
- S48.3.27質疑商工委員会 10101
- S48.3.28質疑・採決・附帯決議商工委員会 11336
- S48.3.29委員長報告・採決・附帯決議本会議 1938
提案理由
中曽根康弘 通商産業大臣 昭和48年3月13日金属鉱業等鉱害対策特別措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
さきに提出いたしました金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案につきまして御説明いたしました際に申し述べましたように、金属鉱業等による鉱害は、その発生源が、おもに、鉱物の掘採の用に供される坑道及び不要となった鉱滓等の堆積場という鉱山に特有の施設であり、しかもこれらの施設は、鉱業の終了後も半永久的に存在し、カドミウム、砒素等の人の健康に直接被害を及ぼすおそれのある有害重金属を含んだ地下水または浸透水を排出する等他の一般産業における公害と異なる特殊性を有しております。
このような状況にかんがみ、金属鉱業等における鉱害問題を抜本的に解決するためには、従来に引き続き規制、監督を拡充強化することに加えて、現在までに蓄積されている鉱害源につきましては、採掘権者等においてこれを計画的かつ確実に処理し、その一掃をはかるとともに、今後使用する施設につきましては、採掘権者等に対し、その使用終了後における鉱害防止事業の実施に必要な資金の確保を義務づける必要があると考えます。
政府といたしましては、このような施策を実現するためには、特別の立法上の措置が必要であると考え、昨年来鋭意検討を進めてまいりました結果、このたび成案を得るに至りましたので、ここに金属鉱業等鉱害対策特別措置法案を国会に提出いたしました次第であります。
以下同法案の内容の要旨を御説明申し上げます。
第一は、すでに使用が終了している坑道及び捨て石または鉱滓の集積場について、鉱害の防止事業を計画的に実施させるため、通商産業大臣が鉱害の防止事業に関する基本方針を定めることとするとともに、採掘権者等の鉱害防止義務者に具体的な鉱害防止の事業計画を届け出させ、これに従って鉱害の防止事業を実施させることとすることであります。
第二は、鉱害防止積立金制度の創設であります。採掘権者等は、今後これらの施設の使用終了後に実施する鉱害防止事業に必要な金銭を、あらかじめ金属鉱業事業団に積み立て、鉱害の防止事業を実施する等の場合にのみ、これを取り戻すことができることとし、今後の鉱害防止事業の確実な実施をはかることとしております。
第三は、採掘権者等に課された以上の措置の履行を担保するための強制措置を講ずることであります。すなわち、採掘権者等が事業計画を届け出ないとき、鉱害防止積立金の積み立てをしていないとき等の場合には、その鉱業の停止を命ずることとし、さらに、その停止命令に違反したときは、採掘権等を取り消すことができることとしております。
本法案の主要点は以上でございますが、ほかに法の施行に必要な報告徴収、立入検査、罰則等に関する規定を定めるとともに、附則におきまして金属鉱業事業団法を改正し、金属鉱業事業団の業務に鉱害防止積立金の管理業務を追加することとしております。
なお、法の施行期日は、公布の日から起算して、三カ月をこえない範囲内で政令で定める日としております。
以上が本法案の提案理由及び要旨であります。金属鉱業等の鉱害対策につきましては、さきに国会に提出いたしました金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案とあわせて、その万全を期することとしております。
何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
第71回国会衆議院商工委員会議録第8号11頁(昭和48年3月13日)〔中曽根康弘通商産業大臣発言・発言番号93〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法施行にあたり、金属鉱業等による鉱害問題の重要性と緊急性にかんがみ、鉱害源対策と健康被害、土壌汚染等に対する対策とを総合的かつ計画的に促進するとともに、次の諸点についてすみやかに適切な措置を講ずべきである。
一蓄積鉱害源を早急かつ確実に処理するため、休廃止鉱山の鉱害調査を一層促進するとともに、鉱害防止に関する指導監督を強化すること。
二蓄積鉱害の特殊な歴史性と経緯にかんがみ、鉱害防止義務者に対する融資制度の拡充を図り、特に中小鉱山については特別の配慮を加えるとともに、鉱害防止義務者不存在の場合の鉱害防止事業について、事業規模の拡大による早期処理及び都道府県の負担の軽減を図ること。
三将来の鉱害防止事業を確実に実施させるため、的確かつ厳格な指導監督を行なうとともに、鉱害防止積立金制度の適切な運用を図り、鉱害防止積立金の税法上の優遇措置を検討すること。
四分離鉱山等の特定施設に係る鉱害防止については、汚染者費用負担の原則の精神にもとづき、鉱害防止事業が円滑かつ確実に実施されるよう適切な行政指導を行なうとともに、関係法制の再検討を行なうこと。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=107101080)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。