廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案
衆議院 社会労働委員会
昭和51年法律第68号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院社会労働委員会
- S51.5.11趣旨説明・質疑・修正案趣旨説明・討論・採決・附帯決議・修正案社会労働委員会 3346
- S51.5.12委員長報告・採決本会議 1036
- S51.5.19附帯決議本会議 1246
衆議院社会労働委員会
- S51.5.13趣旨説明社会労働委員会 8233
- S51.5.18質疑・修正案趣旨説明・討論・採決・附帯決議・修正案社会労働委員会 11216
- S51.5.19委員長報告・採決・附帯決議本会議 2141
提案理由
田中正巳 厚生大臣 昭和51年5月11日ただいま議題となりました廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
廃棄物の適正な処理は、国民の健康の保護と生活環境の保全のために必要欠くべからざるものであり、このため昭和四十五年には廃棄物の処理及び清掃に関する法律を制定し、新たな廃棄物の処理体系の整備を図ったところでありますが、その後における産業廃棄物の処理の実態は、必ずしも適正に行われているとは言いがたい状況にあり、産業廃棄物の処理に関する事業者の責務の確実な履行を確保するための措置を整備する等廃棄物の適正な処理を図るための制度の改善を行うことが必要となっております。
また、廃棄物の適正な処理を図るため引き続き廃棄物処理施設の緊急かつ計画的な整備を強力に進めていくことが必要であります。
このような諸般の情勢にかんがみ、産業廃棄物の処理に関する規制及び監督の強化を中心に廃棄物の処理に関し当面速やかに改善措置を講ずべき事項について必要な制度の改善を行うとともに、現行の廃棄物処理施設整備計画に引き続き、昭和五十五年度までの廃棄物処理施設整備計画を策定することとした次第であります。
以下、この法律案の内容について、その要旨を御説明申し上げます。
まず、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部改正について申し上げます。
第一に、事業者がその産業廃棄物の処理を他人に委託する場合には一定の基準に従わなければならないこととするとともに、有害な産業廃棄物を生ずる一定の施設が設置されている事業場または一定の産業廃棄物処理施設を設置する事業場ごとに、産業廃棄物の適正な処理を行わせるため、産業廃棄物処理責任者を置かなければならないことといたしております。
第二に、産業廃棄物処理業、一般廃棄物処理業等について、その許可制度の整備を図るとともに、産業廃棄物処理業の許可を受けた者は、一定の場合を除き、その処理を他人に委託してはならないものとしております。
第三に、新たに廃棄物の最終処分場で一定のものを届け出を要する廃棄物処理施設とするとともに、都道府県知事は、廃棄物処理施設の設置等の届け出があった場合において、当該廃棄物処理施設が一定の基準に適合していないと認めるときは、その計画の変更等を命ずることができることとし、さらに設置後においても基準に適合しなくなった場合にも必要な改善を命ずることができることといたしております。
第四に、事業者及び産業廃棄物処理業者等は、それぞれ帳簿を備え、廃棄物の処理に関し所要の事項を記載し、これを保存しなければならないこととし、廃棄物の処理の実態の把握に資することといたしております。
第五に、都道府県知事または市町村長は、廃棄物の処分基準に適合しない処分によって、生活環境の保全上重大な支障が生じ、または生ずるおそれがあると認められる場合に、その処分を行った者に対してその支障を防除するための所要の措置を命ずることができることといたしております。また、産業廃棄物に関しては、委託基準に違反した委託によりその処分が行われたときは、当該委託者に対しても同様の措置を命ずることができることといたしております。
第六に、有害な産業廃棄物等の環境保全上特に問題となる産業廃棄物の投棄禁止に違反した者に対する罰則を強化し、委託基準に違反して産業廃棄物の処理を委託した者に対し罰則を適用することとするほか、罰則についても所要の整備を行うことといたしております。
次に、廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部改正についてでありますが、厚生大臣は、昭和五十五年度までの廃棄物処理施設整備計画を作成し、閣議の決定を求めなければならないことといたしております。
なお、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部改正は、公布の日から起算して九カ月を超えない範囲内において政令で定める日から、廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部改正は公布の日から、施行することといたしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第77回国会参議院社会労働委員会会議録第3号3頁(昭和51年5月11日)〔田中正巳厚生大臣発言・発言番号10〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法施行にあたり、次の事項につき格段の努力を払うべきである。
一産業廃棄物の排出および処理に関し、その実態を十分掌握し、生活環境の保全に万全を期するとともに、その指導、監視に必要な職員の充実について努力すること。
一産業廃棄物の減量化、無害化、安定化を図るための中間処理技術の開発に努めること。
一産業廃棄物の再資源化及び有効利用を促進するための技術の研究開発、回収体制の確立、製品の市場対策等について積極的に取り組むこと。
一産業廃棄物の処理について、中小企業の共同処分地の確保のため、地元対策を含め、用地のあつせんを行うなど積極的な支援対策を講ずること。なお、一般廃棄物の最終処分地の確保についても、市町村においてその確保が著しく困難な場合には、国及び都道府県知事がその用地の確保に協力すること。
一産業廃棄物に関する処分基準、構造基準、維持管理基準等の制定、改正及びこれらの運用にあたつては、産業廃棄物の不適正な処理による環境への悪影響を防止する見地に立つて、万全の配慮を加えること。
一廃棄物となつた場合に適正な処理が困難な製品、容器等については、事業者に回収、処理させる方向で指導すること。
一産業廃棄物処理行政を円滑に推進するため、関係省庁間並びに国、地方を通ずる連携を一層密にし、一体的運用に努めること。
政府は、本法施行に当たり、次の事項につき格段の努力を払うべきである。
一産業廃棄物に関する処理基準、構造基準、維持管理基準、有害産業廃棄物の処理委託基準等の制定、改正及びこれらの運用に当たつては、産業廃棄物の不適正な処理による環境への悪影響を防止する見地にたつて、万全の配慮を加えること。
二産業廃棄物の適正な処理に資するため、無害化、減量化、安定化を図り、資源化、再利用を促進するための技術開発に努めること。
三産業廃棄物の処理に関し、事業者処理責任の一層の徹底を図り、あわせて中小零細企業に対しては、産業廃棄物の共同処理の推進、その他の援助を強化するとともに、産業廃棄物の最終処分地の確保を図るため、地元対策を含め用地のあつせんを行う等その支援対策を積極的に講ずること。また、市町村による一般廃棄物の最終処分地の確保が著しく困難な場合について、国及び都道府県がその用地の確保に協力すること。
四産業廃棄物の資源化再利用を促進することとし、このために必要な回収体制の整備、再生品の品質の規格化、市場の確保対策等に積極的に取り組むこと。
五事業者に対し、廃棄物となつた場合に適正な処理が困難となる製品、容器等の製造、加工、販売等を行わないよう指導を徹底するとともに、適正な処理が困難な製品、容器等については、必要に応じこれを回収、処理させるよう指導すること。
六産業廃棄物処理行政を円滑に推進するため、産業廃棄物の排出及び処理の実態を十分に把握し、指導監視に必要な職員の充実に努めるとともに、国及び地方を通じ、関係行政機関の連携を密にし、行政の一体的運用を確保すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=107701063)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。