TaiLexi AI日本の判例・法令
国会審議›第84回国会›閣法第38号
閣法第84回国会 第38号成立修正あり

特定不況産業安定臨時措置法案

昭和53年法律第44号 特定産業構造改善臨時措置法
提出昭和53年2月21日 内閣
付託衆議院 商工委員会
参議院 商工委員会
成立
昭和53年法律第44号
審議会議 17回・発言 2,882(政府答弁等 1,167)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院商工委員会・商工委員会社会労働委員会農林水産委員会運輸委員会連合審査会

  1. S53.3.2趣旨説明・質疑本会議 1042
  2. S53.3.15趣旨説明・質疑商工委員会 8233
  3. S53.3.23質疑商工委員会 9279
  4. S53.3.28質疑商工委員会 11219
  5. S53.3.29質疑商工委員会 12176
  6. S53.3.30参考人招致商工委員会 13106
  7. S53.3.31質疑商工委員会社会労働委員会農林水産委員会運輸委員会連合審査会 1338
  8. S53.4.4参考人招致・質疑・討論・修正案趣旨説明・採決(修正)・附帯決議・修正案商工委員会 14265
  9. S53.4.6委員長報告・採決(修正)・附帯決議本会議 1923

参議院商工委員会・商工委員会、社会労働委員会、農林水産委員会、運輸委員会連合審査会

  1. S53.4.13趣旨説明・補足説明商工委員会 7100
  2. S53.4.18質疑商工委員会 8228
  3. S53.4.20質疑商工委員会 9272
  4. S53.4.25質疑商工委員会 10359
  5. S53.4.26参考人招致商工委員会 1157
  6. S53.4.27参考人招致商工委員会 12162
  7. S53.4.28質疑商工委員会、社会労働委員会、農林水産委員会、運輸委員会連合審査会 1173
  8. S53.4.28質疑・採決・附帯決議商工委員会 13146
  9. S53.5.10附帯決議・委員長報告・採決本会議 2056

提案理由

河本敏夫 通商産業大臣 昭和53年3月2日

特定不況産業安定臨時措置法案につきまして、その趣旨を御説明いたします。

 わが国経済の現状は、長期にわたる内需不振に加え、昨年後半以降の急激かつ大幅な円高により産業全体が深刻な打撃を受け、企業体力の低下と雇用不安の深刻化が危惧されております。

 とりわけ、原燃料価格の上昇、安定成長への移行に伴う需要の長期低迷等、構造的要因によって著しい過剰設備を抱えるに至っているいわゆる構造不況業種は、その不況が一層長期化し、かつ深刻化しております。

 このような事態を放置すれば、構造不況業種に属する企業の存続を困難にし、雇用不安を生じるなど重大な社会的、経済的混乱を引き起こすおそれがあります。

 こうした事態を回避するためには、一般的な景気拡大策あるいは従来から講じてまいりました短期の生産・価格調整等の対策のみでは不十分であります。構造不況業種につきましては、その不況事態を招いている共通かつ基本的な原因である過剰設備についてその処理を促進し、構造改善を進めることが現下の急務となっているのであります。

 本法案は、このような状況にかんがみ、構造不況業種について、その実態に即した基本計画を策定し、事業者の自主的な努力を前提としながら、過剰設備の処理の促進等のための措置を講ずることによって、構造不況業種の不況の克服と経営の安定を図ることを目的として立案されたものであります。

 次に、この法案の概要について御説明をいたします。

 第一は、本法による措置の対象となる業種の指定についてであります。

 本法においては、まず、対象候補業種を、平電炉業、アルミニウム製錬業、合成繊維製造業、船舶製造業及び著しい過剰設備に起因する長期の不況を過剰設備の処理等によって克服することが国民経済の健全な発展を図るため必要な業種として、関係審議会の意見を聞いて、この法律の施行の日から一年以内に政令で指定する業種に限定しております。次いで、これらの対象候補業種の中から大部分の事業者の申し出があったものを特定不況産業として政令で指定し、この法律による措置の対象とすることとしております。

 第二は、安定基本計画の作成についてであります。

 主務大臣は、特定不況産業ごとに、関係審議会の意見を聞いて、不況の克服と安定を図るための安定基本計画を作成することとしております。安定基本計画には、過剰設備の処理目標、設備の新増設の制限、事業転換等、不況の克服と安定を図るための基本的な事項を定めるものとしております。

 第三は、過剰設備の処理及び設備の新増設の制限についてであります。

 本法におきましては、安定基本計画に定める過剰設備の処理その他の措置については、事業者が自主的に行うよう努めることを要請しております。

 しかしながら、事業者の自主的な努力のみをもってしては安定基本計画が円滑に実施されない場合で特に必要と認められるときには、主務大臣は、関係審議会の意見を聞いて、過剰設備の処理及び設備の新増設の制限についての共同行為の実施を指示できるものとし、その指示に従った共同行為は独占禁止法の適用を除外することとしております。主務大臣がこの共同行為の実施を指示しようとするときは、公正取引委員会の同意を必要とすることとしており、また、公正取引委員会は、その共同行為の内容が一定の要件に適合しなくなったと認めるときは、主務大臣に指示の変更等を求めることができることとしております。

 さらに、本法におきましては、最近の厳しい雇用情勢にかんがみ、安定基本計画に従って実施される過剰設備の処理その他の措置に関し、事業者はその雇用する労働者の失業の予防その他雇用の安定に配慮すべきこととするとともに、国等は失業の予防その他雇用の安定等を図るため必要な措置を講ずるよう努めるべきこととしております。

 第四は、特定不況産業信用基金についてであります。

 特定不況産業信用基金は、本法に基づき、産業または金融に関し学識を有する者が発起人となり、大蔵大臣及び通商産業大臣の認可を受けて設立されるものであります。

 この基金は、特定不況産業における計画的な過剰設備の処理を促進するため、安定基本計画に従って実施される過剰設備の処理のため必要となる資金等の借り入れに係る債務を保証して、その資金等の融通を円滑にするものであり、その債務保証の原資は、日本開発銀行の出資及び民間の出資または出捐によるものとしております。

 以上が本法案の概要でありますが、本法は、構造不況業種の不況の克服と安定を図るため必要な期間を勘案し、昭和五十八年六月三十日までに廃止するものとしております。

 本法に基づくこれらの施策は、構造不況業種の不況の克服と安定に欠くべからざるものであり、構造不況業種をめぐる事態の重大性及びその対策の緊急性にかんがみまして、ぜひとも早急に本法案の制定を図ることが必要であると信ずる次第であります。

 以上が本法案の趣旨でございます。(拍手)

     ————◇—————

 特定不況産業安定臨時措置法案(内閣提出)の

  趣旨説明に対する質疑

第84回国会衆議院会議録第10号3頁(昭和53年3月2日)〔河本敏夫通商産業大臣発言・発言番号17〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

衆議院 商工委員会昭和53年4月4日

政府は、現下の構造不況業種の深刻な事態にかんがみ、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。

一景気浮揚対策の一層強力な推進を図るとともに、構造不況業種の実情に応じ、官公需の拡大等その他積極的に需要の創出に努めること。

二安定基本計画に従つた設備処理の実効を十分確保するため、共同行為に参加しない事業者に対しても強力な行政指導を実施すること。

三雇用保険法に基づく雇用安定資金制度、特定不況業種離職者臨時措置法に基づく措置等の充実に努め、その積極的、弾力的運用を図ることにより、構造不況業種における失業の予防対策及び離職者対策に万全を期すること。

四特定不況産業信用基金の債務保証については、設備処理の進捗状況等に応じ資金の充実に努めるとともに、構造不況業種の設備の処理に伴い、関連中小企業者の経営の安定及び雇用の安定を図るため、金融の円滑化等必要な措置を講ずるよう努めること。

五安定基本計画の策定に当たっては、輸入の動向を十分考慮するとともに、輸入の急増によって構造不況業種に重大な被害が生じるおそれがある場合には、随時適切な措置を講ずること。

六設備の処理に当たつては、業種の実情に応じ、設備の廃棄を必要最小限にとどめるよう努力すること。

七本法の施行に当たつては、労使協力して構造不況を克服するよう必要に応じ適切な指導を行うこと。

八設備の処理に伴う地域経済への悪影響を配慮し、地域経済の維持を図るため、法的措置を含め適切な対策を検討すること。

参議院 商工委員会昭和53年4月28日

政府は、本法臨行にあたり、次の競点について適切な措置を講ずきべである。

一構造不況業界の置かれている深刻な現状にかんがみ、本法に基づく措置を迅速かつ適確に移すこと。

二積極的な景気浮揚策を推進して内需の喚起を図るとともに、構造不況業種の実情に応じ官公需や経済援助の拡大を行う等内外における新たな需要の創出に努めること。

三関係審議会の構成及び運営については、労働者及び必要に応じ関連中小企業者、関係地方公共団体等の意見が十分反映されるよう配慮するとともに、安定基本計画の策定にあたつては審議会の意見を尊重すること。

四共同行為に参加しない事業者の事業活動が安定基本計画に定める設備処理等の効果を阻害することのないよう適切な行政指導を行うこと。

五設備処理にあたつては、労使間の協議によつて雇用の安定の円滑な実施が行われるよう必要に応じ適切な指導を行うとともに、関連中小企業者の経営の安定を期すること。

六構造不況業種における雇用の実態の掌握に努め、その実態に即して雇用安定資金制度及び特定不況業種離職者臨時措置法に基づく業種指定等の措置について弾力的かつ前向きの運用をはかるとともに、雇用創出を中心とする諸施策の拡充に努め、構造不況業種における雇用対策に万全を期すること。

七特定不況産業信用基金の債務保証に関しては、関係金融機関及び関係事美者の協力のもとに、特定不況産業の実情に応じ当該産業の労使の意見を徴し、機動的かつ適切に運用するとともに、設備処理の状況に応じ債務保証に充てる資金の充実に努めること。

八安定基本計画の策定等本法の措置を講ずるに当たつては、輸入の動向を十分反映させるとともに、輸入の急増が構造不況業種に重大な損害を与えるおそれがある場合には随時適切な対策を講ずること。

九産業構造の中・長期的ビジヨンを確立し、事業の縮少を予測される産業の事業転換部門、労働者の雇用吸収部門等についての展望を示すとともに、産業構造転換に伴う社会的諸費用の負担配分が公正に行われるよう検討を進めること。

参議院 本会議昭和53年5月10日

以上御報告申し上げます。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=108401038)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。