雇用保険法等の一部を改正する法律案
参議院 社会労働委員会
昭和54年法律第40号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院社会労働委員会
- S54.2.20趣旨説明社会労働委員会 3297
- S54.2.27質疑社会労働委員会 5274
- S54.3.20質疑・附帯決議・採決社会労働委員会 8330
- S54.3.22委員長報告・採決・附帯決議本会議 1740
参議院社会労働委員会
- S54.4.26趣旨説明社会労働委員会 6282
- S54.5.24質疑・採決・附帯決議社会労働委員会 9342
- S54.5.30附帯決議・委員長報告・採決本会議 1553
提案理由
栗原祐幸 労働大臣 昭和54年2月20日ただいま議題となりました雇用保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
わが国の雇用・失業情勢は、景気が緩やかな回復の傾向にある中で、依然として厳しい情勢にあります。
このような情勢に対処し、離職者の再就職の援助とともに、雇用機会の増大のための施策をさらに積極的に推進していくことが重要となっております。
政府といたしましては、離職者の再就職を容易にするため、公共職業訓練等を受講する離職者に対する援助を強化するとともに、民間の活力を生かして中高年齢者等の雇用機会の増大を積極的に図っていくこととし、これらの事項を中心として関係審議会に諮り、その答申に基づいて、この法律案を作成し、提案した次第であります。
次に、その内容の概要を御説明申し上げます。
第一は、雇用保険法の一部改正であります。
その一は、公共職業訓練等の受講を容易にし、かつ、公共職業訓練等の修了者の再就職を促進するため、現在公共職業訓練等を受講している期間についてのみ行われている失業給付の給付日数の延長に関する措置を充実し、新たに、雇用保険の受給資格者が公共職業訓練等を受けるために待期している場合及び公共職業訓練等を受け終わってもなお就職が困難な場合についても、一定の日数を限度として給付日数を延長することができることとすることであります。
その二は、景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由による雇用機会の減少に対処し、雇用機会の増大その他雇用の安定を図るため、雇用安定事業の一環として、新たに、事業主に対して中高年齢者等の雇用機会を増大させるために必要な助成及び援助の事業を行うこととすることであります。
第二は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部改正であります。
雇用安定事業等の四事業に係る保険料率は、現在、賃金の千分の三・五の率とされておりますが、雇用安定資金の積み立ての状況に対応してこの保険料率を弾力的に調整することができるようにするため、雇用安定資金の残高が、四事業に充てるべき保険料徴収額の一年分に相当する額を超えるに至った場合には、四事業に係る保険料率を一年間千分の三に変更することとしております。
第三は、船員保険法の一部改正であります。
その一は、船員保険についても、雇用保険と同様に、先ほど御説明申し上げました公共職業訓練等を受講する者に対する失業保険金の給付日数の延長に関する措置の充実を図ることであります。
その二は、船員保険の失業部門の保険料率を当分の間千分の三引き上げることであります。
以上、雇用保険法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。
何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第87回国会衆議院社会労働委員会議録第3号38頁(昭和54年2月20日)〔栗原祐幸労働大臣発言・発言番号295〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、現下の深刻な雇用失業情勢にかんがみ、労働者の雇用の安定を促進するため、次の事項について特段の配慮をすべきである。
一雇用安定事業等が雇用失業情勢に対応して十分機能を果たすよう、休業規模要件の緩和等の改善措置を講ずる等その適切な活用を図るとともに、雇用関係諸給付金の統合と手続の簡素化に努めること。また、船員についても雇用安定資金制度の創設についてできるだけ早急に検討すること。
一高齢化社会の到来に備えて、これに対する対応策を早急に検討すること。また、今日深刻な状況にある中高年齢者の雇用機会の増大を図るため、高年齢者雇用率の未達成企業に対し実効ある措置を講ずるとともに、中高年齢者雇用開発給付金の周知と積極的活用に努めること。
一定年延長、労働時間の短縮と週休二日制の実施を一層推進するとともに、定年延長の推進については、立法化問題を含め、審議会の議を経て検討すること。
一雇用拡大、失業、再就職などの雇用情勢の調査と分析の機能の充実を図ること。また、中央、地方の雇用関係審議会などの機関が十分に機能できるよう、その運営について配慮すること。
一職業訓練が雇用及び産業の動向に対応して、離職者の再就職に効果的なものとなるよう、職種の開発等その内容の充実を図ること。
一日雇失業給付について段階制の是正等その改善について可及的速やかに所要の措置をとること。
一国際的な漁業規制の強化等による船員の深刻な雇用失業情勢にかんがみ、船員保険における失業保険非適用の漁船船員について、その実態を考慮して特段の配慮を払うこと。
一雇用失業対策の実効ある運用を図るため、公共職業安定所の機能の充実と強化を図り、このため必要な定員の増加に努めること。
政府は、次の事項について特段の配慮をすべきである。
一雇用安定事業等が雇用失業情勢に対応して十分機能を果たすよう、休業規模要件の緩和等の改善措置を講ずる等その適切な活用を図るとともに、雇用関係諸給付金の統合と手続の簡素化に努めること。
二急速な高齢化社会の到来に備えて、総合的な対応策を促進するとともに、特に定年延長の推進等については、立法化問題を含め早急に検討すること。また、高年齢者雇用率の未達成企業に対し実効ある措置を講ずるとともに、中高年齢者雇用開発給付金の周知と積極的活用に努めること。
三雇用拡大、失業、再就職などの雇用情勢の調査・分析の機能の強化を図り、職業訓練について、一職種の開発等その内容の充実に努めること。また、中央、地方の雇用関係審議会などの機関が十分に機能できるよう、その運営について配慮すること。
四日雇失業給付について段階制の是正等その改善について可及的速やかに所要の措置をとること。
五船員の深刻な雇用失業情勢にかんがみ、雇用安定資金制度の創設についてできるだけ早急に検討するとともに、船員保険における失業保険非適用の漁船船員について、その実態を考慮して特段の配慮を払うこと。
六雇用失業対策の実効ある運用を図るため、公共職業安定所の機能の充実と強化を図り、このため必要な定員の増加に努めること。
—————————————次に、繭糸価格安定法改正案は、衆議院農林水産委員長の提出に係るものであり、その内容は、日本蚕糸事業団が行う蚕糸業の振興に資するための事業に対する助成をより円滑なものにするため、同事業団の中間安定等勘定に蚕糸業振興資金を設けることができることとする等であります。委員会におきましては、提案の趣旨説明を聴取した後、別に質疑、討論もなく、採決の結果、本法案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。以上御報告いたします。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=108701018)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。