明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法案
衆議院 建設委員会
昭和55年法律第60号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院建設委員会
- S55.2.22趣旨説明建設委員会 3209
- S55.4.2派遣委員報告・質疑建設委員会 9229
- S55.4.4参考人招致建設委員会 10163
- S55.4.9質疑建設委員会 11169
- S55.4.18修正案趣旨説明・附帯決議・採決(修正)・修正案建設委員会 12209
- S55.4.18委員長報告・採決(修正)・附帯決議本会議 1938
参議院建設委員会
- S55.4.22趣旨説明・参考人招致建設委員会 1047
- S55.4.24派遣委員報告・質疑建設委員会 1181
- S55.5.8質疑・採決・附帯決議建設委員会 12159
- S55.5.9附帯決議・委員長報告・採決本会議 1230
提案理由
小渕恵三 総理府総務長官・沖縄開発庁長官 昭和55年2月22日ただいま議題となりました明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
この法律案は、飛鳥地方の遺跡等の歴史的文化的遺産がその周囲の環境と一体をなして、わが国の律令国家体制が初めて形成された時代における政治及び文化の中心的な地域であったことをしのばせる歴史的風土が、明日香村の全域にわたって良好に維持されていることにかんがみ、かつ、その歴史的風土の保存が国民のわが国の歴史に対する認識を深め、国を愛する心の涵養に資するものであることに配意し、住民の理解と協力のもとにこれを保存するため、古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法の特例及び国等において講ずべき特別の措置を定めるものであります。
次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
第一に、内閣総理大臣が定める明日香村歴史的風土保存計画に基づいて、奈良県知事は村の区域を区分して、都市計画に第一種歴史的風土保存地区及び第二種歴史的風土保存地区を定め、それぞれの地区に応じて、歴史的風土の保存を図ることとしております。
第二に、奈良県知事は、明日香村における生活環境及び産業基盤の整備等に関する計画を作成し、内閣総理大臣に承認の申請をすることができることとしております。この明日香村整備計画に基づき、明日香村が昭和五十五年度から昭和六十四年度までの各年度に国からの負担金または補助金の交付を受けて行う事業については、首都圏、近畿圏及び中部圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置法の例により、国は財政上特別の助成を行うこととしております。さらに、明日香村整備計画の円滑な達成を図るため、国は、地方債については特別の配意を行うとともに、財政上及び技術上の配意を行うこととしております。
第三に、明日香村が、歴史的風土の保存との関連において必要とされるきめ細かい施策を講ずるため、条例の定めるところにより、明日香村整備基金を設ける場合には、国は、二十四億円を限度として、その財源に充てるため必要な資金の一部を補助することとしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。何とぞ慎重審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いいたします。
第91回国会衆議院建設委員会議録第3号30頁(昭和55年2月22日)〔小渕恵三総理府総務長官発言・発言番号206〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、すでに質疑の過程におきまして委員各位におかれましては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法案に対する附帯決議(案)政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
一明日香村における文化財の保存については、特に地下に埋蔵されている文化財の保存とその活用の重要性にかんがみ、政府は実効ある措置を講ずること。
二国及び奈良県は、明日香村歴史的風土保存計画、明日香村整備計画の策定に当たり、明日香村と十分協議するとともに、明日香村に対し住民の意見、要望の集約に努めるよう指導し、あわせて、明日香村の住民と、文化財保存の専門家の協力関係の発展に努めること。また、第一種、第二種歴史的風土保存地区の範囲及びその地区内における建築物、生業形態等に対する規制については、住民生活への影響を勘案し慎重に対処すること。
三国は、明日香村整備基金については、将来著しい経済変動があった場合には適切な配慮を行うこと。また、同基金による収入は住民の要望を反映して適正に使われるよう明日香村に対し指導、助言を行うこと。
四国は、飛鳥保存財団の運営、事業等について、歴史的風土審議会の答申に基づく設立の主旨にてらし、一層適切に行われるよう指導、助言を十分に行うこと。
五住民の理解をえて、歴史的風土の保存及び文化財保存の目的を達成するため、遺跡分布の学術調査及び緊急発掘調査をすみやかに行いうるよう政府は財政上、技術上及び体制上の十分な援助を行うこと。また、建築物の建築許可申請の簡略化、迅速化を図り、保存地区の土地買取り請求に対しては速やかに応じうるよう指導すること。
六国及び奈良県は、明日香村における歴史的風土の保存と民生の安定に果たす農業の重要な役割にかんがみ、明日香村の農業の振興、農村環境の整備のための施策について特段の配慮を払うこと。
七国、奈良県、明日香村は、遺跡、遺構等に対して国民が史実に基づいた正しい理解を深め、明日香村を訪れる人々の、明日香村の歴史的風土及び文化財の保存に対する積極的な協力がえられることによって、観光公害防止の効果があがるよう努力すること。
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講じ、その運用に遣憾なきを期すべきである。
一明日香村における文化財の保存については、特に埋蔵文化財の保存とその活用の重要性にかんがみ、政府は実効ある措置を講ずること。
二国及び奈良県は、明日香村歴史的風土保存計画、明日香村整備計画の策定にあたり、明日香村と十分協議するとともに、明日香村に対し住民の意向の集約に努めるよう指導し、併せて、明日香村の庄民と文化財保存の専門家の協力関係の発展に努めること。また、第一種、第二種歴史的風土保存地区の範囲及びその地区内における建築物、生業形態等に対する規制については、住民生活への影響を勘案し慎重に対処すること。
三国は、明日香村整備基金について、将来著しい経済変動が生じた場合には、適切に配慮すること。また、同基金による運用益は、住民の意向を反映して適正に使われるよう明日香村に対し指導、助言を行うこと。
四国は、飛鳥保存財団の運営、事業等について、歴史的風土審説会の答申を踏まえ、一層適切に行われるよう指導、助言に努めること。
五住民の理解と協力の下に歴史的風土及び文化財の保存の目的を達成するため、遺跡分布の学術調査及び緊急発掘調査を速やかに行いうるよう政府は財政上、技術上及び体制上の十分な援助を行うこと。また、建築物の建築許可申請の簡略化、迅速化を図り、保存地区の土地買取り請求に対しては、速やかに応じうるよう指導すること。
六国及び奈良県は、明日香村における歴史的風土の保存と民生の安定に果たす農業の重要な役割にかんがみ、明日香村の農業の振興、農村環境の整備のための施策について特段の配慮を払うとともに、地区の特性に応じた農業振興のあり方について積極的な指導、助言に努めること。
七国、奈良県、明日香村は、朋日香村を訪れる人々の、歴史的風土及び文化財の保存に対する深い理解と協力によつて、観光公害防止の実効があがるよう努力すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=109101014)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。