厚生年金保険法等の一部を改正する法律案
参議院 社会労働委員会
昭和55年法律第82号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院社会労働委員会
- S55.10.14趣旨説明社会労働委員会 112
- S55.10.16修正案趣旨説明・採決(修正)・修正案社会労働委員会 2310
- S55.10.17委員長報告・採決(修正)・附帯決議本会議 624
参議院社会労働委員会
- S55.10.21趣旨説明・衆議院修正部分趣旨説明・議案(衆議院修正部分)社会労働委員会 1287
- S55.10.28質疑・採決・附帯決議社会労働委員会 3274
- S55.10.29附帯決議・委員長報告・採決本会議 536
提案理由
園田直 厚生大臣 昭和55年10月14日ただいま議題となりました厚生年金保険法等の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
わが国は諸外国に例を見ない急激な速度で高齢化社会に移行しつつあり、老後の生活の支えとなる年金制度に対する国民の関心と期待は、年金受給者の急速な増加と相まって、かつてない高まりを示しております。昭和五十一年度には、厚生年金及び国民年金を中心に財政再計算の実施とあわせて給付水準の引き上げ等の制度改善が行われたところでありますが、その後における社会経済情勢の変動に対応し、これらの制度について所要の改善を行う必要が生じております。
このような趣旨にかんがみ、厚生年金、国民年金等について、財政再計算を一年繰り上げて昭和五十五年度に実施し、年金水準の引き上げ、遺族年金及び母子年金その他の給付の改善を行うほか、福祉年金の額の引き上げ等を行うことにより、年金制度の実質的な改善充実を図るとともに、児童扶養手当、特別児童扶養手当及び福祉手当についても額の引き上げを図ることを内容とする厚生年金保険法等の一部を改正する法律案を本年二月、第九十一回国会に提出し、御審議を煩わしたのでございますが、成立を見るに至りませんでした。
しかしながら、年金制度の改正に対する国民の要望にはきわめて強いものがあることから、ここに再度この法律案を提案し、御審議を願うことといたした次第であります。
以下、改正案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
まず、厚生年金保険法の一部改正について申し上げます。
第一に、年金額の引き上げにつきましては、本年六月から新たに老齢年金を受ける者の標準的な年金額を月額約十三万六千円に引き上げることとし、定額部分について単価の引き上げ、報酬比例部分について過去の標準報酬の再評価を行うこととしております。また、加給年金額につきましては)単身世帯よりも夫婦世帯に手厚い改善を図る観点から、配偶者の加給年金額を月額六千円から一万五千円に引き上げる等大幅な改善を図ることとしております。そのほか、障害年金及び遺族年金の最低保障額を引き上げることとしております。
第二に、在職老齢年金について、受給者の実態を勘案し、本年六月から六十歳以上六十五歳未満の在職者に支給される老齢年金の支給対象を標準報酬月額十五万円までの者に拡大する等の改善を図ることとしております。
第三に、遺族年金につきましては、受給者の生活実態等を勘案し、年金による生活保障の必要性が高いと思われる有子の寡婦及び高齢の寡婦に重点を置いた改善を図ることとし、寡婦加算額を本年八月から子供二人以上の寡婦の場合、月額七千円から一万七千五百円に引き上げる等大幅な改善を図ることとしております。
一方、遺族の範囲につきましては、年齢等を勘案して見直すこととし、子のない四十歳未満の妻につきましては、年金の支給対象としないこととしております。
第四に、標準報酬につきましては、最近における賃金の実態に即して、本年十月から、四万五千円から四十一万円の三十五等級に改めることとしております。
第五に、保険料率につきましては、給付改善及び将来の受給者の増加に対応して、長期的に財政の健全性を確保する観点から段階的に引き上げる必要がありますが、今回の引き上げ幅につきましては、千分の十八にとどめることとし、本年十月から引き上げることとしております。なお、女子につきましては、本年十月から千分の十九引き上げるとともに、昭和五十六年以後毎年六月から千分の一ずつ引き上げ、保険料率の男女差の解消を図ることとしております。次に、船員保険法の一部改正についてでありますが、おおむね厚生年金保険の改正に準じた改正を行うこととしております。
次に、国民年金法の一部改正について申し上げます。
拠出制国民年金につきましては、まず年金額の引き上げを図ることとし、本年七月から二十五年加入の場合の年金額を月額四万二千円とし、現実に支給されている十年年金の額を月額二万六千五百五十円に、五年年金の額を月額二万千六百円に、それぞれ引き上げることとしております。そのほか、障害年金の最低保障額及び母子年金等の額を引き上げることとしております。
第二に、母子年金及び準母子年金について、本年八月から母子加算及び準母子加算制度を創設し、夫等の死亡により他制度の遺族年金の支給を受けることができない者には、月額一万五千円を母子年金等の額に加算することとしております。
第三に、保険料の額につきましては、財政の健全性を確保する見地から、昭和五十六年四月から月額四千五百円に改定することとし、以後段階的に引き上げることとしております。
福祉年金につきましては、十年年金の引き上げ率を勘案して、老齢福祉年金の額を月額二万円から二万千五百円に引き上げる等所要の改善を行うこととしております。
次に、児童扶養手当法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部改正について申し上げます。
児童扶養手当及び特別児童扶養手当の額につきましては、福祉年金に準じて、本年八月から児童扶養手当の額を児童一人の場合月額二万八千円に引き上げるなど所要の改善を図るとともに、福祉手当につきましても引き上げを行うこととしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第93回国会衆議院社会労働委員会議録第1号3頁(昭和55年10月14日)〔園田直厚生大臣発言・発言番号8〕 会議録 国会会議録検索システム
判例が引用した会議録
- 鹿児島地判平成11年6月14日 平成10(行ウ)3
第93回国会衆議院社会労働委員会会議録第1号4頁
附帯決議
政府は、次の事項につき格段の努力を払うべきである。
一こどもの国の運営に当つては、特殊法人こどもの国協会設立の趣旨である緑豊かな自然中での児童の健全育成の目的が十分生かされるよう特段の配慮をし、かつ、子供の安全を確保するために十分な措置を講ずること。
二こどもの国に対し、民間移管後も従来の趣旨に沿い、必要な助成を行い、その整備発展に配慮すること。
三特殊法人こどもの国協会の解散に当たり、その職員の処遇については、適正な措置をとること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=109301018)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。