農業災害補償法の一部を改正する法律案
参議院 農林水産委員会
昭和60年法律第50号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院農林水産委員会
- S60.4.10趣旨説明・補足説明農林水産委員会 12259
- S60.4.17質疑農林水産委員会 13290
- S60.4.23質疑・参考人招致農林水産委員会 15218
- S60.4.24質疑・討論・附帯決議・採決農林水産委員会 16169
- S60.5.9採決・委員長報告・附帯決議本会議 2641
参議院農林水産委員会
- S60.5.16趣旨説明・補足説明農林水産委員会 1613
- S60.5.23質疑農林水産委員会 17234
- S60.5.28参考人招致・質疑農林水産委員会 18226
- S60.5.30討論・採決・附帯決議農林水産委員会 19361
- S60.5.31附帯決議・採決・委員長報告本会議 1955
提案理由
佐藤守良 農林水産大臣 昭和60年4月10日農業災害補償法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
農業災害補償制度につきましては、制度創設以来既に四十年近くの歳月を経過しておりますが、その間に、この制度が災害対策として農業経営の安定のために多大の寄与をしてまいったことは御承知のとおりであります。
しかしながら、近年、農業事情及び農家の保険需要が変化してきており、これに即応した制度の改善が求められるとともに、厳しい財政事情のもとで制度の一層の合理化を図ることが必要となっております。このような状況にかんがみ、政府におきましては、補償内容の充実と制度の合理化を図ることを旨として農業災害補償制度の改正を行うこととし、この法律案を提出した次第であります。
次に、法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、共済掛金率の設定方式の改善であります。
現行制度における共済掛金率は、共済目的の種類、農業共済組合等の区域等ごとに原則として一律に定められておりますが、近年における被害の発生態様にかんがみ、農業共済組合等が農家を共済事故の発生状況等により区分して共済掛金率を設定できるようにすることといたしております。
第二に、農作物共済の共済掛金国庫負担方式の合理化であります。
現在の農作物共済の共済掛金に対する国庫負担は、高被害地域が他の地域に比べ著しく高率であり、しかもその水準は、他の公的保険におけるそれと比べ高率となっておりますが、最近における農業事情等を考慮いたしまして、このような国庫負担方式の合理化を図ることといたしております。
第三に、家畜共済の改善であります。
現行の家畜共済は、出生後第六月以降の牛を共済目的としておりますが、肉牛の生産振興の重要性等にかんがみ、農業共済組合等が肉牛の子牛及び胎児を家畜共済の共済目的に加えることができることといたしております。
第四に、果樹共済の改善であります。
最近における農家の保険需要の実情等にかんがみ、加入の促進を図るため、収穫共済について、共済事故のうち一部を除外しているいわゆる特定危険方式の補償水準の上限を引き上げ、補てん内容を充実するとともに、収穫共済の共済責任期間を短縮できる制度を設けることといたしております。
第五に、園芸施設共済の改善であります。
近年における施設園芸経営の実態等にかんがみ、農家の選択により、病虫害を共済事故としないことができる制度を導入することといたしております。
以上がこの法律案を提出する理由及び主要な内容であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願申し上げます。
第102回国会衆議院農林水産委員会議録第12号35頁(昭和60年4月10日)〔佐藤守良農林水産大臣発言・発言番号255〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
まず、案文を朗読いたします。農業災害補償法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)政府は、本制度が災害対策の基本として重要な役割を果たしていることにかんがみ、制度の円滑な運営が確保されるよう、左記事項に留意し、万全の措置を講ずべきである。記
一各種共済事業の今後の運営に当たっては、必要な国庫負担を確保しつつ、農家経済の実情に即した適切な措置について検討すること。
二危険段階別の共済掛金率の設定については、画一的指導及び強制はしないこと。
三水稲共済の当然加入基準の引上げについては、地域の実態をも十分考慮した基準が設定できるよう指導し、制度運営に支障をきたさないよう必要な措置を講ずること。
四肉牛の子牛共済の実施に当たっては、適正な共済価額を設定すること。また、引受、損害認定については、飼養の実態に即した運用を行うこと。なお、豚にかかる共済掛金国庫負担割合については、これを引き上げるよう検討すること。
五果樹共済については、加入促進等を図るため果樹農業を取り巻く今後の環境変化や農家の保険需要に即応した制度のあり方につき事務簡素化、事業責任分担方式等を含め検討すること。なお、果樹共済においで、危険段階別共済掛金制度を導入する場合には、無事故割引制度を包含し得る設定方法となるようにすること。
六園芸施設共済の健全かつ積極的実施が図られるよう加入促進に努めるとともに、事業責任分担方式について、事業の推移を踏まえつつ検討を行うこと。
七畑作物共済における基準収穫量の設定については、地域の生産の実態が反映するよう努めること。なお、新たに共済対象となる高級いんげんについては、掛金と補償水準との相関関係を考慮し、適切な引受が行われるよう指導を行うこと。
八各種共済事業について、引受、損害評価方法の簡素化に極力努める等効率的な事業運営を行い得るよう配慮すること。
九制度の円滑な実施に資するため、地域の実態に十分配慮しつつ共済団体の自主的な組織整備の強化を図るとともに、制度の多様化に対処し、共済制度の普及及び共済団体職員等の研修事業の一層の充実を図ること。
政府は、本制度が災害対策の基幹として重要な役割を果たしていることにかんがみ、制度の損失補償内容の充実、事業運営の実効性を確保することとし、農業経営の安定と健全な発展に資するよう、次の事項に留意し、万全の措置を講ずべきである。
一共済掛金及び事務費に係る国庫負担については、農業災害の特殊性と農家負担の現状を考慮し、必要額を確保しつつ、農業災害補償制度の健全かつ円滑な運営を期するため、適切に措置すること。
二危険段階別の共済掛金率の設定については、相互扶助の精神に影響を及ぼすことのないよう、画一的指導及び強制をしないこと。また、その設定に当たっては、実効ある無事故割引制度を包含し得る設定方法となるよう留意すること。
三鹿作物共済の当然加入基準の引上げについては、地域の実態を十分考慮し、制度運営に支障をきたすことのないよう配慮すること。
四肉牛の子牛共済の実施に当たっては、適正な共済価額を設定する等適正な運用に努めること。なお、豚に係る共済掛金国庫負担割合については、その引上げを検討すること。
五果樹共済については、加入の促進に努めるとともに、果樹農業を取り巻く今後の環境変化や農家の保険需要に即応した制度のあり方につき、事務の簡素化、事業責任分担の改善等を含め検討すること。
六畑作物共済の対象作物の範囲の拡大の可能性について、十分調査検討を行うこと。
七各種共済事業について、引受、損害評価方法の簡素化に極力努める等効率的な事業運営を行い得るよう配慮すること。
八本制度の機能強化を期するため、地域の実態に十分考慮しつつ共済団体の組織整備の強化を図るとともに、制度の多様化に対処し、共済制度の普及及び共済団体職員等の研修養成の一層の充実を図ること。
九本制度の効果を一層発揮させるため、融資制度等他の施策との連携が十分なされるよう配慮すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=110201048)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。