生物系特定産業技術研究推進機構法案
衆議院 農林水産委員会
昭和61年法律第82号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院農林水産委員会
- S61.4.9趣旨説明・補足説明農林水産委員会 10230
- S61.4.15参考人招致農林水産委員会 11229
- S61.4.16質疑農林水産委員会 12300
- S61.4.22質疑・討論・附帯決議・採決農林水産委員会 1386
- S61.4.25採決・委員長報告・附帯決議本会議 2453
参議院農林水産委員会
- S61.5.8趣旨説明・補足説明・参考人招致・質疑農林水産委員会 8260
- S61.5.9質疑・採決・討論・附帯決議農林水産委員会 9202
- S61.5.14附帯決議・採決・委員長報告本会議 1666
提案理由
山崎平八郎 国土庁長官 昭和61年4月9日生物系特定産業技術研究推進機構法案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
近年における技術革新の動きは目覚ましく、特に、バイオテクノロジー等先端技術の発展には著しいものがあります。農林漁業、飲食料品製造業等の分野においても、これら新しい技術の開発、導入により技術水準の高度化を図り、生産性の飛躍的向上、画期的新品種・新製品の開発等による新たな展開が期待されているところであります。
御承知のとおり、我が国では、農林漁業等の分野におきましては、民間の技術開発への取り組みは他の分野に比べ十分ではなく、国や都道府県等の公的機関における試験研究が大きな役割を果たしてきたところであります。
しかしながら、さきに述べたような技術革新の状況下において、農林漁業、飲食料品製造業等に関する技術の分野も将来の大きな進展が見込まれる分野として、民間における関心が最近急速に高まってきているところであります。
また、欧米諸国においては、既に官民挙げてこの分野における技術開発に積極的に取り組んでいるところであります。
このような状況にかんがみ、我が国としても、国等の公的機関における試験研究の充実強化に努めることはもちろんでありますが、それと同時に、民間が、これら分野における技術開発に積極的に取り組み得る方途を講じ、全体としてこの分野の技術水準の高度化を図ることが、国民経済の健全な発展及び国民生活の向上の観点から喫緊の課題となっております。
政府といたしましては、このような認識のもとに、農林漁業、飲食料品製造業等における生物系特定産業技術に関する民間の試験研究を促進する等のため、農業機械化研究所を改組して、生物系特定産業技術研究推進機構を設立することとし、この法律案を提出した次第であります。
次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、機構は、民間において行われる生物系特定産業技術に関する試験研究を促進するための業務を行うことにより、生物系特定産業技術の高度化を推進し、もって国民経済の健全な発展及び国民生活の向上に資することを目的とするとともに、農業機械化の促進に資するため、農機具の改良に関する試験研究等の業務を行うことを目的としております。
第二に、機構の民間研究促進業務の対象とする分野につきましては、当面、農林漁業、飲食料品製造業等の産業分野としておりますが、生物系特定産業技術に係る他の産業分野も対象とし得ることとしております。
第三に、機構は、生物系特定産業技術についての民間の関係者が発起人となり、政府及び民間が出資して設立される認可法人とすることとしております。
第四に、機構は、民間が行う試験研究に必要な資金の出資及び融資を行うほか、国の試験研究機関と民間とが行う共同研究のあっせん、国による遺伝資源の提供についての民間の研究者に対するあっせんその他民間において行われる生物系特定産業技術に関する試験研究を促進するために必要な業務を行うこととしております。
また、機構は、これらの業務にあわせて、農業機械化促進法に定めるところにより、農業機械化の促進に資するため、従来農業機械化研究所が行ってきた農機具の改良に関する試験研究、農機具についての検査等の業務を行うこととしております。
第五に、機構が設立されることに伴い、農業機械化研究所を解散することとしておりますが、その権利義務については六機構が承継することとしております。
以上がこの法律案の提案理由及び主要な内容であります。
何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようよろしくお願い申し上げます。
第104回国会衆議院農林水産委員会議録第10号33頁(昭和61年4月9日)〔山崎平八郎国土庁長官発言・発言番号224〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
まず、案文を朗読いたします。生物系特定産業技術研究推進機構法案に対する附帯決議(案)政府は、本法の施行に当たり、生物系特定産業技術に関する試験研究等の適正な推進を図るとともに、生物系特定産業技術研究推進機構の円滑な運営に資するため、左記事項について遺憾なきを期すべきである。記
一農林漁業技術をはじめ生物系特定産業技術に関する試験研究を積極的に推進するため、国等の公的試験研究機関による基礎的研究の一層の充実を図るとともに、本機構の事業運営に必要な資金及び人材の確保に努めること。
二バイオテクノロジー先端技術に関する試験研究を推進するに当たっては、生物災害発生の危険性等について十分配慮し、適正な試験研究が行われるよう指導、監督に万全を期すること。また、その実用化に当たっては、安全性の確保等について事前評価するための体制の早急な整備に努めること。
三機構の運営に当たっては、少数の企業による利用に偏ることのないよう業務執行に適正、公平を期すること。特に、民間研究促進業務の出融資事業については、技術研究テーマの選定、技術研究成果の評価等に関し、幅広い見地から審査する専門的審査体制を整備し、公正かつ適切な判断に基づき有効に資金配分が行われるよう努めること。
四機構の対象とする技術研究が、企業の私的な利潤追求のためにのみ行われることのないよう、農林水産政策等との整合性に留意しつつ、その成果が、広く農林漁業等の振興に活用されるよう配慮すること。
五機構の大事については、その設立の趣旨、業務の性格等に即し、内部人材の登用を含め、適材適所による適正な人員配置を行うこと。
六農業機械化研究所の機構への移行に当たっては、同研究所の果たしている役割の重要性にかんがみ、従来の機能がそこなわれることのないよう、組織、業務運営等の面に十分配慮すること。また、同研究所の職員については、機構への継続雇用により、その身分を保障するとともに、給与等の勤務条件について不利益を生ずることのないよう措置すること。
バイオテクノロジー等の生物系特定産業技術は、農林漁業等に生産性の飛躍的な向上、新製品の開発等の画期的な技術革新をもたらす可能性を有している。よって、政府は、その試験研究について、安全性等の問題にも留意しつつ、適正な推進を図るとともに、本法の施行に当たり、次の事項の実現に遺憾なきを期すべきである。
一生物系特定産業技術研究推進機構の運営に当たっては、農林水産政策等との整合性に留意しつつ、その成果が、広く農林漁業等の振興に活用されるよう努めるとともに、機構の利用が、少数の企業に偏ったり、企業の私的な利潤追及のためにのみ行われたりすることのないよう配慮すること。
二機構の円滑かつ自主的な運営に資するため、必要な資金及び人材の確保に努めるとともに、その大事については、設立の趣旨、業務の性格等に即し、内部人材の登用を含め、適材適所による適正な人員配置を行うこと。
三民間研究促進業務の中心となる出融資事業については、研究プロジェクトの選定、研究成果の評価等を行う専門的審査体制を整備し、事業の公平な運営及び資金の有効活用を期すること。
四農業機械化促進業務については、農業機械化研究所が果たしている役割の重要性にかんがみ、従来の機能及び国際的評価が損われることのないよう、組織、業務運営等に十分配慮するとともに、同研究所の職員については、機構への継続雇用により、その身分を保障し、給与等の勤務条件にも不利益を生ずることのないよう措置すること。また、農業機械の試験研究、検査等に当たっては、農業労働力の高齢化、女性化等の実態に即応して、機械の安全性の確保等に十分留意すること。
五農林漁業等に関する技術の試験研究については、基礎的研究の重要性にかんがみ、この分野で主導的な立場にある国等の公的研究機関による研究の一層の充実を図るとともに、農林漁業者及びその団体による研究開発の推進についても、十分配慮すること。
六バイオテクノロジー等の先端技術の研究を推進するに当たっては、生産災害発生の危険性等について十分配慮し、適正な試験研究が行われるよう、指導、監督に万全を期すること。また、その実用化に際し、安全性の確保等について事前評価するための体制の早急な整備に努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=110401027)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。