日本航空株式会社法を廃止する等の法律案
参議院 運輸委員会
昭和62年法律第92号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院運輸委員会
- S62.7.28趣旨説明・質疑運輸委員会 1320
- S62.8.18質疑運輸委員会 2132
- S62.8.19質疑・討論・採決・附帯決議運輸委員会 3213
- S62.8.20委員長報告・採決・附帯決議本会議 1057
参議院運輸委員会
- S62.8.21趣旨説明・質疑本会議 635
- S62.8.25趣旨説明運輸委員会 2187
- S62.8.27質疑運輸委員会 3266
- S62.9.1質疑運輸委員会 4308
- S62.9.3質疑・討論・採決・附帯決議運輸委員会 5188
- S62.9.4附帯決議・委員長報告・採決本会議 1061
提案理由
橋本龍太郎 運輸大臣 昭和62年7月28日ただいま議題となりました日本航空株式会社法を廃止する等の法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
日本航空株式会社は、戦後我が国の民間航空が立ちおくれていた中で、我が国が速やかに自主的な国際航空運送事業を開始するため、昭和二十八年に政府の出資を得て設立された特殊法人であります。
以来、同社は、国際線及び国内幹線における定期航空運送事業を経営してまいりましたが、この間、我が国における航空輸送は国際線、国内線ともに著しい発展を遂げ、日本航空株式会社を含めた我が国航空企業は大きく成長し、その企業基盤も強化されてまいりました。この結果、日本航空株式会社は、今日では世界有数の航空企業となり、特殊法人としての同社の設立目的はおおむね達成されたと見られるに至っております。
こうした状況に対応し、昨年六月、運輸政策審議会から、今後の航空企業の運営体制のあり方について、国際線の複数社制及び国内線における競争促進施策の推進を図るとともに速やかに日本航空株式会社の完全民営化を実施すべきであるという答申がなされ、また、同月、臨時行政改革推進審議会からも、行政改革の一環として日本航空株式会社の完全民営化について答申がなされたところであります。
政府といたしましては、これらの答申を踏まえ、昨年末、日本航空株式会社について、同社の自主的かつ責任ある経営体制の確立及び航空企業間の競争条件の均等化を図るため、昭和六十二年度において同社を完全民営化するとの閣議決定を行っております。本法律案は、この閣議決定に従って日本航空株式会社法を廃止いたしますとともに、これに伴い所要の規定を整備するために提出するものであります。
次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
第一に、日本航空株式会社について、特殊法人としての根拠法であります日本航空株式会社法を廃止することといたしております。
第二に、航空法の一部改正であります。現在、航空法におきましては、外国人等が航空会社の議決権の三分の一以上を占めた場合には、その事業免許が失効することとなっております。このため、現在の日本航空株式会社法におきましては、このような免許の失効を防止するために外国人等に対する株式の譲渡制限の規定が置かれているところでございますが、同法の廃止に伴い航空法の一部を改正し、定期航空運送事業者について、その議決権の三分の一以上を外国人等が占めることによる免許失効を防止するための措置を定めるものであります。
なお、この法律案は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することといたしております。
以上が、この法律案を提案する理由であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
第109回国会衆議院運輸委員会議録第1号2頁(昭和62年7月28日)〔橋本龍太郎運輸大臣発言・発言番号4〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
案文はお手元に配付いたしましたので、朗読を省略いたします。本附帯決議は、本日までの法案審査の過程におきまして委員各位からの御意見及び御指摘のありました問題点を取りまとめたものでありまして、本案の実施に当たり、政府において特に留意すべきところを明らかにし、本案の円滑な実施に遺憾なきを期そうとするものであります。以上をもって本動議の趣旨の説明を終わります。—————————————日本航空株式会社法を廃止する等の法律案に対する附帯決議(案)政府は、日本航空株式会社の完全民営化に当たり、次の事項に関し、特に配慮すべきである。
一今後の航空政策として、航空企業間の競争を通じて利用者利便の向上を図るため、国際線の複数社制、国内線のダブルトラック・トリプルトラック化を推進することとし、その際日本航空株式会社とその他の航空企業との企業体力の格差及び路線構成等に配慮し、航空企業の健全な発展を図るよう努めること。
二安全の確保が輸送機関に課せられた基本的な責務であることにかんがみ、航空の安全が十分に確保されるよう、航空企業に対し適切な指導・監督を行うこと。
三日本航空株式会社に対し、自主的かつ責任ある経営体制の確立、関連事業の適正化、労使関係の信頼性の向上等を図り、経営基盤の強化を図ることにより、航空運賃の一層の適正化等利用者サービスの向上に努め、公共輸送機関としての社会的責任を果たすよう指導すること。—————————————
政府は、日本航空株式会社の完全民営化に当たり、次の事項に関し、特段の配慮をすべきである。
一日本航空株式会社の自主的かつ責任ある経営体制の確立を図るとともに、整備体制の改善等安全運航の確保、利用者の利便の増進など公共輸送機関としての企業の社会的責任を果たすよう指導すること。
二対米路線の以遠権、路線権など総合的な航空権益の平等性確保に一層努めるとともに、航空企業間の企業格差及び路線構成に留意しつつ、国際線の複数社制、国内線のダブルトラック・トリプルトラック化に当たっては、航空企業の適正な発展を図ること。
三航空運賃の一層の適正化等利用者サービスの向上に努めること。特に、国際航空運賃については、為替レートの変動に対する適切な対応等利用者が納得できる改善方策を講ずるよう努めること。
四日本航空株式会社の中期計画の推進に当たっては、労働組合の理解と協力を得て行うほか、労務政策の公平化、労使関係の正常化に努めるよう指導すること。
五日本航空株式会社の政府保有株式の売却益については、その意義にかんがみ、運輸関連のための費用に充てるよう一層配慮すること。
六民間機と自衛隊機とのニアミス及び小型航空機事故が多発し、民間機の安全運航に不安が生じているため、航空管制の在り方、ニアミスの事実調査等に万全を期するとともに、小型機の事故対策及び事故調査についても適切な対応措置を講ずるよう努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=110801059)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。