特定農産加工業経営改善臨時措置法案
衆議院 農林水産委員会
平成元年法律第65号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院農林水産委員会
- H1.5.23趣旨説明・補足説明・質疑農林水産委員会 4211
- H1.5.24参考人招致・討論・附帯決議・採決農林水産委員会 5211
- H1.6.8委員長報告・採決・附帯決議本会議 1959
参議院農林水産委員会
- H1.6.16趣旨説明・補足説明農林水産委員会 3210
- H1.6.20質疑・討論・採決・附帯決議農林水産委員会 4180
- H1.6.21委員長報告・附帯決議・採決本会議 1643
提案理由
羽田孜 農林水産大臣 平成元年5月23日特定農産加工業経営改善臨時措置法案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
先般の日米協議等により、牛肉・かんきつ、農産物十二品目について、輸入数量制限の撤廃、輸入アクセスの改善等が決定されたところであり、自由化等関連対策として、農業者に対する影響を緩和するため、農産物の生産性向上のための産地条件整備等を行うこととしております。
しかしながら、今回の自由化決定等により、農業者ばかりでなく、地域農業と密接に結びついている農産加工業者も大きな影響を受けることが懸念されており、生産対策等とあわせて農産加工対策を講ずることが重要な課題となっております。
本法案は、このような状況にかんがみ、自由化の影響をこうむる特定の農産加工業者に対し、その経営の改善を促進するための金融、税制上の支援措置を講ずることにより、新たな経済的環境への円滑な適応を図り、もって農業及び農産加工業の健全な発展に資することを目的とするものであります。
次に、この法案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、輸入に係る事情の著しい変化により影響を受ける業種を、特定農産加工業として指定することとしております。
第二に、特定農産加工業者またはこれを構成員とする事業協同組合等は、経営の改善を図るための措置または事業提携に関する計画を作成し、都道府県知事の承認を受けることができることとしております。
第三に、特定農産加工業者等が承認を受けた計画に従って経営改善措置等を行う場合に、長期かつ低利の資金を農林漁業金融公庫が貸し付けることができることとするほか、設備廃棄に係る欠損金の繰り越しの特例、取得した機械等についての特別償却、その他税制上の特例措置を講ずることとしております。
第四に、この法律は、自由化等に対応するための臨時緊急的な措置であり、施行の日から五年を経過した日に、その効力を失うこととしております。
以上が、この法案の提案の理由及び主要な内容であります。
何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
第114回国会衆議院農林水産委員会議録第4号1頁(平成元年5月23日)〔羽田孜農林水産大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
まず、案文を朗読いたします。特定農産加工業経営改善臨時措置法案に対する附帯決議(案)農産加工業は、農業と極めて密接な関連の下で食料を安定的に供給し、また、地域農業の振興と地域経済の活性化に資する等重要な役割を果たしているが、今回の牛肉・かんきつ、農産物十二品目の輸入自由化措置等により、厳しい事態に直面している。よって政府は、国内農業の振興と農産加工業者の新たな経済的環境への円滑な適応を図るため、本法の施行に当たっては左記事項の実現に努め、農業及び農産加工業の健全な発展に遺憾なきを期すべきである。記
一農産加工業経営の現状と厳しい経済環境に対処し、その振興と経営基盤の強化のための施策の充実に努めること。
二原材料を含む農産加工品の輸入の急増が、経営基盤の脆弱な農産加工業に悪影響を及ぼすことのないよう努めること。
三国産加工原料農産物の安定的供給を図るため、農産加工業のニーズに即した品種の開発、栽培技術の確立に努めるとともに、農業の生産性向上による内外価格差の縮小に努めること。
四経営改善計画等の承認に当たっては、地域農業の振興との関係に十分配慮するとともに、生産者側の事情が適切に反映されるよう指導体制の整備に努めること。また、経営改善計画等の達成のため実効ある指導を行うこと。
五特定農産加工業者に対する融資については、所要の資金枠の確保、農産加工業の経営の実情に即した迅速な貸付け、事務手続きの簡素化等本資金制度の有効かつ適切な運営が行われるよう十分配慮すること。
六農産物の市場開放措置に伴い農産加工業従事者の雇用環境の悪化、失業等が生ずることのないよう関係行政機関との連携を密にし、雇用安定対策に万全を期すこと。
農産加工業は、農業と極めて密接な関連の下で、国民に食料を安定的に供給し、地域農業の振興と地域経済の活性化に資する等重要な役割を果たしてきた。しかるに、農産加工品の輸入の増大に加え、今回の牛肉・かんきつ、農産物十二品目の輸入自由化措置等により、我が国の農産加工業は厳しい事態に直面せざるを得なくなっている。よって、政府は、農業及び農産加工業の健全な発展を図るため、農産加工業者の新たな経済的環境への円滑な適応が図られるよう、本法の施行に当たり、次の事項の実現に遺憾なきを期すべきである。
一原材料を含む農産加工品の輸入の急増が、経営基盤の脆弱な農産加工業に悪影響を及ぼすことのないよう農産加工業の経営基盤の強化のため、農産加工業の振興に努めること。
二近年の消費者ニーズの多様化に対応して原料用農産物の安定的生産、国民食生活の安定等を図る見地から、農産加工品の開発、新技術の開発に努めること。
三加工適性品種の開発、栽培技術の確立に努め、農業の生産性向上等を図ることにより農産加工業のニーズに即した原料農産物の安定的供給が図られるよう努めること。
四国民に対し、安価で良質かつ安全な食品の安定的な供給が図られるよう食品流通の合理化を促進するとともに、検査体制の整備、表示の適正化に努めること。
五経営改善計画等の承認に当たっては、速やかに行えるよう指導体制の整備に努めるとともに、地域農業の振興との関係に十分な配慮がなされるよう指導すること。更に、経営改善計画等の円滑な実施のため実効ある指導を行うこと。
六特定農産加工業者に対する融資制度の運用に当たっては、農産加工業の実態を十分考慮した適正かつ迅速な貸付けに留意し、事務手続きの簡素化等に配慮するとともに、所要の資金枠の確保に努めること。
七農産物の市場開放措置の特定農産加工業者に対する経営への影響は、雇用される労働者の利害に重大な関係を有するものであることにかんがみ、雇用の安定、生活の安定に最大限の措置を講ずるよう関係行政機関との連携を密にし、雇用安定対策に万全を期すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=111401027)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。