老人保健法等の一部を改正する法律案
衆議院 厚生委員会
参議院 厚生委員会
平成3年法律第89号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院社会労働委員会・厚生委員会
- H3.4.11趣旨説明社会労働委員会 8165
- H3.4.11趣旨説明・質疑本会議 2347
- H3.4.12質疑社会労働委員会 9181
- H3.4.18質疑社会労働委員会 11251
- H3.4.23参考人招致社会労働委員会 1264
- H3.8.30質疑厚生委員会 2183
- H3.9.4質疑厚生委員会 3113
- H3.9.6質疑厚生委員会 459
- H3.9.10質疑・修正案趣旨説明・採決(修正)・修正案厚生委員会 531
- H3.9.11委員長報告・採決(修正)本会議 735
- H3.9.27参議院回付案同意・参議院回付案本会議 1212
参議院厚生委員会
- H3.9.12衆議院修正部分趣旨説明・趣旨説明・質疑厚生委員会 3139
- H3.9.17質疑厚生委員会 4342
- H3.9.18参考人招致厚生委員会 558
- H3.9.19質疑厚生委員会 6305
- H3.9.24質疑・修正案趣旨説明・討論・採決・附帯決議・修正案厚生委員会 7301
- H3.9.25附帯決議・委員長報告・採決(修正)本会議 711
提案理由
下条進一郎 厚生大臣 平成3年4月11日次に、老人保健法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
本格的な高齢社会に向けて、国民が健やかで安心して老後の生活を送ることができるよう、お年寄りの保健、医療、福祉全般にわたる施策の充実を図っていくことが重要な課題となっております。
このため、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」を策定し、その推進を図っているところでありますが、老人保健の分野においても介護に関する総合的な体制づくりを行うとともに、老人人口の増加に伴い老人医療費の増大が見込まれる中で、国や地方も、お年寄り自身も、制度を支える現役世代もその費用の負担を適切に分かち合い、制度の長期的安定を図ることとし、この法律案を提出した次第であります。
以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
第一は、老人訪問看護制度の創設であります。心身の機能の低下した状態にある在宅のお年寄りに対する総合的なケアの体制を整備するため、在宅のお年寄りが都道府県知事の指定する老人訪問看護事業を行う者から看護サービスを受けたときには、老人訪問看護療養費を支給する制度を導入することとしております。
第二は、国及び地方公共団体の負担割合の拡大であります。現在、国及び地方公共団体は、老人医療に要する費用の三割を負担しておりますが、今後の老人問題の中心的課題である介護の重要性にかんがみ、介護に着目して公費負担を拡充することとし、老人保健施設の療養費及び特例許可老人病院のうち政令で定める看護、介護体制の整った病院に係る入院医療費について、その割合を五割に引き上げることとしております。
第三は、一部負担の見直しであります。現在、一部負担の額は、外来の場合一月八百円、入院の場合一日四百円となっておりますが、老人と若人のバランスや、他施設や在宅のお年寄りとのバランス、前回改定以来四年以上経過していること、高齢者の生活実態等を勘案し、定額負担制を維持しつつ必要な受診を抑制しない範囲でこれを改めることとし、外来については一月千円に、入院については一日八百円に改定することとしております。また、将来にわたり、老人医療費に占める一部負担の水準を維持して、老人と若人との間の負担の公平が確保されるよう、外来、入院それぞれ、一件当たり外来医療費及び一日当たり入院医療費の変動に応じて一部負担の額が改定される仕組みを法定することとしております。
さらに、初老期痴呆により痴呆の状態にある方も老人保健施設を利用できることとし、この場合の療養費の支給に関する規定を整備するため、健康保険法等の改正を行うこととしております。
以上のほか、老人の心身の特性に応じた医療サービスの提供が行われるよう、看護の方法や介護用具の研究開発に努めること、また、医療の質の評価方法の研究に努めること、医療に要する費用の額の算定のあり方についての検討等を行うこと、病院における付添看護に関する施策の推進に努めること等についての規定を設けることとしております。
なお、この法律の施行期日は、本年七月一日からとしておりますが、老人訪問看護制度に関する事項、老人保健施設の利用者の拡大に関する事項等は平成四年一月一日から、その他の事項は公布の日からとしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第120回国会衆議院社会労働委員会議録第8号16頁(平成3年4月11日)〔下条進一郎厚生大臣発言・発言番号163〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
高齢者ができるだけ地域において自立した生活を送ることができるよう、保健、医療、福祉の連携の緊密化を図るとともに、総合的な介護体制を早急に確立することは、本格的高齢社会の到来を目前に控えた今日、ますます重要な課題となっている。よって、政府は、次の事項について速やかに適切な措置を講ずべきである。
一今後の高齢社会における医療・介護体制の充実を図るとともに、今回の公費負担の拡充の趣旨も踏まえ、要介護老人の実態や高齢者保健福祉推進十か年戦略の進捗状況に応じ、老人保健施設の整備を促進することとし、また、いわゆる介護力強化病院、老人訪問看護事業等の普及を促進するため、必要な措置を講ずること。
二老人医療におけるいわゆる保険外負担の軽減・解消については、特に付添看護につき、早急にその適正化を図ることとし、また、ルールに反した差額室料の徴収、「お世話料」等のあいまいな名目による費用徴収やおむつ料について不適切な額の徴収が行われないよう、行政指導の徹底を図ること。
三老人訪問看護制度の実施に当たっては、市町村の老人保健福祉施策との連携に十分配慮すること。また、訪問看護婦等の確保、その資質の向上について特段の配慮を払うこと。
四営利法人を老人訪問看護の事業主体とすることについては、事業の性格、事業運営の実情、普及状況等に照らし当面慎重に対応すること。
五老人訪問看護の利用料の水準については外来一部負担金との均衡に格段の配慮を払うこと。
六今後の高齢社会における保健医療・福祉サービスを担うマンパワーの確保のため、勤務条件や処遇の改善、養成力の強化、就業の促進、社会的評価の向上等について、各種施策を総合的に実施するとともに、所要の法的措置を講ずること。
七アルツハイマー病を含む痴呆性老人の適切な処遇体制の確立を図るため、病態の解明、専門病棟の整備、特別養護老人ホームや老人保健施設の増設、各種保健サービスの充実等、諸施策の推進に一層努力すること。
八在宅の要介護老人に対する支援のための各般にわたる方策について検討に着手し、速やかに結論を得ること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=112001028)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。