競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案
参議院 農林水産委員会
平成3年法律第70号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院農林水産委員会
- H3.3.19趣旨説明農林水産委員会 9237
- H3.4.17質疑農林水産委員会 11296
- H3.4.18参考人招致・質疑・修正案趣旨説明・採決・附帯決議・修正案農林水産委員会 12109
- H3.4.18委員長報告・採決・附帯決議本会議 2464
参議院農林水産委員会
- H3.4.23趣旨説明農林水産委員会 9210
- H3.4.24参考人招致農林水産委員会 1094
- H3.4.25質疑・修正案趣旨説明・修正案・採決・附帯決議農林水産委員会 11288
- H3.4.26附帯決議・委員長報告・採決本会議 2260
提案理由
近藤元次 農林水産大臣 平成3年3月19日続いて、競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
競馬は、大正十二年の旧競馬法の制定以来、その益金により、国及び地方公共団体の財政に寄与するとともに、畜産業の振興に多大な貢献をし、また、国民に大衆レジャーの場を提供してきたところであります。
最近の競馬をめぐる事情を見ますと、ファンの数が大幅に増加し、売り上げ規模も飛躍的に拡大するとともに、若年層や女性層において人気が高まるなど、質的に変貌を遂げつつあり、その経済的、社会的位置づけは相当に大きなものとなっております。
このように、国民の中に広がりつつある競馬に対する理解と信頼をますます強固にするためには、ファンはもちろん国民各層からの種々の要請に適切に対応することが重要となっております。
このような競馬を取り巻く状況にかんがみ、競馬の長期的に安定した発展を確保するため、今後とも競馬が公正に実施されていることについて国民の信頼を得るとともに、競馬の実施によって生ずる益金を国民の利益に資するよう有効に活用するための措置等を講ずることとし、この法律案を提出した次第であります。
次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
まず、競馬法の一部改正についてであります。
第一に、競馬の公正確保の強化を図るため、馬主の登録制度並びに調教師及び騎手の免許制度を改善することとし、馬主登録の要件を省令でよりきめ細かく定めることとするとともに、馬主登録の抹消規定並びに調教師及び騎手の免許の取り消し規定を追加することとしております。
第二に、地方競馬の円滑な実施等を図るため、地方競馬主催者が、他の都道府県における地方競馬主催者に対して競馬の実施に関する事務を委託することができることとするとともに、地方競馬主催者が地方競馬全国協会に交付する交付金の額を経済事情の変化等に応じて見直すこととしております。
第三に、社会経済事情の変化に対応するため、中央競馬の競馬場及び開催の規定、特別登録料の規定等諸規定の整備を行うこととしております。
次に、日本中央競馬会法の一部改正についてであります。
第一に、日本中央競馬会が行う馬主登録等がより公正に行われるよう審査するため、農林水産大臣が任命した委員から成る審査会を日本中央競馬会に設置し、馬主登録等を行おうとするときは、審査会の意見を聞かなければならないこととしております。
第二に、日本中央競馬会の剰余金を有効に活用するため、日本中央競馬会が、畜産振興事業等について助成することを業務とする法人に対し、必要な資金を交付する業務を行うことができるようにするとともに、この業務の経費及び競馬場の周辺地域の住民の利便に供する施設の整備その他の競馬の健全な発展を図るため必要な業務の経費に充てるため、今後生ずる剰余金を原資とした特別振興資金を設けることとしております。
第三に、畜産の一層の振興を図るため、国庫納付金の使途として、営農環境の整備または農林畜水産業に関する研究開発であって畜産の振興に資するものに必要な経費を追加することとしております。
最後に、附則において定める措置であります。
競馬の健全な発展のためには、競馬ファンの支持が必要不可欠であることから、ファンサービスの向上の一環として、日本中央競馬会は、当分の間、剰余金を原資として、一定の勝馬投票法の勝馬投票的中者に対し、一定の金額を交付することができることとしております。
また、地方競馬主催者も、その競馬事業の収支の状況から見て競馬の円滑な実施に支障がないと認められるときには、同様の措置を講ずることができることとしております。
以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
第120回国会衆議院農林水産委員会議録第9号12頁(平成3年3月19日)〔近藤元次農林水産大臣発言・発言番号83〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
案文を朗読いたします。競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)競馬は、国・地方公共団体の財政への寄与、畜産の振興並びに国民に対する娯楽の提供など、我が国社会の中で大きな役割を果たしており、今後においても、競馬に対する国民世論の動向に配意しつつ、さらに、その社会的位置付けを高め、健全な発展を図る必要がある。よって政府は、競馬の制度・運営について引き続き検討を続けるとともに、本法の施行に当たっては、左記事項の実現に遺憾なきを期すべきである。記
一競馬運営において公正の確保が最も重要であることにかんがみ、馬主登録制度並びに調教師及び騎手の免許制度をさらに厳格なものとすることはもとより、競馬が一層公正に運営されるよう万全を期すとともに、いわゆるクラブ法人馬主の登録に当たっては、その組織・運営を十分把握して、適正を期するよう指導すること。併せて、調教師と厩務員等との労務関係の改善に配慮するよう指導すること。また、中央競馬及び地方競馬の交流がさらに進展する状況にあることに対処し、各々の競馬における登録、免許制度の在り方を検討すること。
二中央競馬と地方競馬の共存共栄の観点から、財政的に恵まれていない地方競馬主催者に対して設備整備等のための支援を行うとともに、相互協力が一層図られるよう指導すること。また、地方競馬の経営の現状にかんがみ、地方競馬全国協会の円滑な運営を確保することを含め、長期的視点に立って計画的に地方競馬の経営基盤が強化されるよう指導すること。なお、場外馬券発売所の相互利用の実施にともない、その利用形態に変化が生じ周辺住民に影響が及ぶおそれがある場合には、改めて地域社会との調整を十分に行うよう指導すること。
三ファンサービスの一層の充実を図る等の観点から、競馬施設への来場者の利便性の確保と周辺環境を改善するための対策を拡充するよう指導するとともに、控除率の在り方及び端数切捨金の取扱いについて、他種公営競技との関係を含め、さらに検討を続けること。
四国庫納付金の使途拡大に当たっては、総合的な見地から畜産の振興に資するよう努めるとともに、国庫納付金が、畜産の振興及び社会福祉の向上に貢献していることにつき、国民一般の理解が深まるよう努力すること。また、日本中央競馬会の益金の活用については、特別振興資金の交付業務が厳正かつ公正に運営されるよう指導すること。
五競馬場の数、競馬開催日数については、当面、現状の水準を維持することとし、特別登録料の引き上げについては、その及ぼす影響を十分に踏まえつつ対処するよう指導すること。
六場外馬券発売所の設置に関し、各地域に種々の問題を残している一方、馬券購入の利便性確保の要望が増加し、また、いわゆるノミ行為の防止が喫緊の課題となっている現状等にかんがみ、その設置基準等をより明確なものにするため、早急に学識経験者等による検討を行うこと。なお、パソコン利用等による在宅投票については、青少年に与える影響に十分配慮して取り扱うよう指導すること。
七軽種馬生産農家の経営の安定を図るため、今後とも、計画的な生産を進めるとともに、市場取引の推進並びに馬の資質向上等強い馬づくりのための対策を講ずるほか、競走番組の編成等に当たっては、国内生産との調和に十分配慮するよう指導すること。
競馬が畜産の振興等に果たす役割の重要性にかんがみ、今後においても、競馬の有する社会的影響力、国民世論の動向等に配慮しつつ、さらに、その社会的位置付けを高め、健全な運営を通じてその発展を図る必要がある。よって政府は、競馬の制度及び運営の在り方について引き続き検討を行うとともに、本法の施行に当たっては、次の事項の実現に遺憾なさを期すべきである。
一競馬運営において公正の確保が最も重要であることにかんがみ、馬主登録制度並びに調教師及び騎手の免許制度を更に厳格なものとし、一層の公正な運営に万全を期すること。また、いわゆるクラブ法人馬主の登録に当たっては、その組織・運営を十分把握して、適正を期するよう指導すること。あわせて、調教師と厩務員等との労務関係の改善に配慮するよう指導すること。さらに、中央競馬及び地方競馬の交流が更に進展する状況にあることに対処し、各々の競馬における登録、免許制度の在り方を検討すること。
二競馬の健全な発展を図るため、財政的に恵まれていない地方競馬主催者に対して施設整備等のための支援を行うとともに、中央競馬と地方競馬の相互協力が一層図られるよう指導すること。また、地方競馬の経営の現状にかんがみ、地方競馬全国協会の円滑な運営を確保することを含め、長期的視点に立って計画的に地方競馬の経営基盤が強化されるよう指導すること。なお、場外馬券発売所の相互利用の実施に伴い、その利用形態に変化が生じ周辺住民に影響が及ぶおそれがある場合には、改めて地域社会との調整を十分に行うよう指導すること。
三ファンサービスの一層の充実を図る等の観点から、競馬施設への来場者の利便性の確保と周辺環境を改善するための対策を拡充するよう指導するとともに、控除率の在り方及び端数切捨金の取扱いについて、他種公営競技との関係を含め、更に検討を続けること。また、払戻金及び返還金の債権の時効の短縮を行うに当たっては、そのことがファンサービスの低下につながることがないよう周知徹底につき指導すること。
四国庫納付金の使途拡大に当たっては、総合的な見地から畜産の振興に資するよう努めるとともに、国庫納付金が、畜産の振興及び社会福祉の向上に貢献していることにつき、国民一般の理解が深まるよう努力すること。また、日本中央競馬会の益金の活用については、特別振興資金の交付業務が厳正かつ公正に運営されるよう指導すること。
五競馬場の数、競馬開催日数については、当面、現状の水準を維持することとし、特別登録料の引上げについては、その及ぼす影響を十分に踏まえつつ対処するよう指導すること。
六場外馬券発売所の設置に関し、各地域に種々の問題を残している一方、馬券購入の利便性確保の要望が増加し、また、いわゆるノミ行為の防止が緊急の課題となっている現状等にかんがみ、その設置基準等をより明確なものにするため、早急に学識経験者等による検討を行うこと。なお、パソコン利用等による在宅投票については、青少年に与える影響に十分配慮して取り扱うよう指導すること。
七軽種馬生産が特定地域における産業として果たす役割の重要性にかんがみ、軽種馬生産・経営の安定等を図るため、今後とも、計画的な生産を進め、あわせて、市場取引の推進、馬の資質向上等強い馬づくりのための対策を講ずるほか、競走番組の編成等に当たっては、国内生産との調和に十分配慮するよう指導すること。また、近年の国民の余暇の増大に対応し、乗馬の普及などを含めた馬事の振興に努めるよう指導すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=112001078)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。