特許法等の一部を改正する法律案
参議院 商工委員会
平成5年法律第26号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院商工委員会
- H5.3.25趣旨説明商工委員会 678
- H5.4.6質疑商工委員会 8182
- H5.4.7質疑・附帯決議・採決商工委員会 973
- H5.4.8委員長報告・採決・附帯決議本会議 1744
参議院商工委員会
- H5.4.8趣旨説明商工委員会 5173
- H5.4.15質疑・附帯決議・採決商工委員会 6219
- H5.4.16委員長報告・採決・附帯決議本会議 1127
提案理由
森喜朗 通商産業大臣 平成5年3月25日特許法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
近年、技術革新の進展に伴い技術開発成果の迅速な保護が強く求められ、また、産業経済活動の国際化等に伴い工業所有権制度の国際的調和の必要性が増大するとともに、特許出願の審査等を迅速に行うための諸施策を推進すべく特許特別会計の財政的基盤を強化する必要性が生じております。
本法律案は、以上のような工業所有権制度をめぐる最近の情勢の変化に対処するため、工業所有権関係四法について所要の改正を行うものであります。
なお、本法律案は、工業所有権審議会において平成三年五月から慎重な審議が重ねられ、昨年十二月に提出されました特許法及び実用新案法の改正に関する答申を踏まえた内容となっております。
次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
第一は、特許出願に係る補正の範囲を適正化するものであります。我が国では、特許出願に係る補正の範囲が主要国に比べて広範となっており、これが、迅速な権利付与を妨げる要因となっております。このため、制度の国際的調和を図るとともに、技術開発成果の迅速な保護を図るべく特許出願に係る補正の範囲について所要の改正を行うものであります。
第二は、迅速な審理を推進するため、特許に係る審判手続の簡素化を行うものであります。具体的には、補正の却下の決定に対する審判を廃止し、補正の可否は拒絶査定に対する審判において争うこととすること等所要の改善を行うものであります。
第三は、実用新案制度の早期登録制度への改正であります。現在の実用新案出願には、技術開発の加速化を背景として、早期に製品化され、寿命が短い技術が多くなっております。しかし、現行制度は主要国と異なり審査を経て権利を付与する制度であり、出願から権利付与までに長期間を要しております。これを改め、製品寿命の短い技術の迅速な保護を図るため、早期権利付与を可能とする実用新案制度に改正するものであります。
第四は、手数料等の改定を行うものであります。その背景といたしましては、日米構造協議における審査を迅速に行う旨の目標を達成するためには、ペーパーレス計画の推進、審査官の増員等の諸施策を強力に推進する必要があります。しかし、そのための経費が増加する一方で、保有権利の見直し、出願の厳選といった構造的変化により歳入が伸び悩むため、平成五年度には特許特別会計が赤字となるおそれがあります。このため、歳出削減を推進する一方で、今後も引き続き審査の迅速化のための経費を確保するため、所要の引き上げを行うものであります。
以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
第126回国会衆議院商工委員会議録第6号10頁(平成5年3月25日)〔森喜朗通商産業大臣発言・発言番号76〕 会議録 国会会議録検索システム
立法資料のある条文
この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)附帯決議
政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一実用新案登録出願について、無審査による権利登録制度の導入により無用な混乱を生ずることのないよう新制度の周知徹底を図るとともに、登録処理や実用新案技術評価書の発行が的確かつ迅速に行われるよう事務処理体制の整備等に努めること。
二中小企業者等が制度改正等に円滑に対応し得るよう、先行技術調査に係る支援、情報提供体制の強化等を図るとともに、指導・相談業務を一層充実すること。なお、出願実績の多い地域における工業所有権情報の提供体制の整備充実に努めること。
三工業所有権関係料金の改定後の料金水準が可能な限り長期的に維持されるよう、特許特別会計における事業経費の一層の合理化に努めること。
四審査要処理期間の一層の短縮を推進するため、ペーパーレス計画の推進、審査官等必要な人員の確保等による審査体制の整備等の審査処理促進策を引き続き強力に実施するとともに、出願適正化施策の強化を図ること。
五工業所有権制度の国際調和の重要性にかんがみ、国際会議の場等においては、我が国の主張が生かされるよう最大限の努力を払いつつ、国際的な制度調和の実現のため積極的に取り組むこと。
政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一補正の適正化に当たっては、制度改正により無用な混乱を生ずることのないよう周知徹底を図るとともに、拒絶理由通知に当たっては、補正の適正化に資するよう拒絶理由の明確化等に努めること。
二実用新案登録出願について、実体審査を要しない早期登録制度の導入により無用な混乱を生ずることのないよう新制度の周知徹底を図ること。また、実用新案技術評価書については、権利の信頼性が確保されるよう十分な技術評価の提供に努めるとともに、その発行が迅速かつ的確に行われるよう事務処理体制の整備等に努めること。
三中小企業者等が制度改正等に円滑に対応し得るよう、指導・相談業務の一層の充実を図るとともに、先行技術調査に係る支援、情報提供体制の強化等を図ること。
四改定後の工業所有権関係料金の水準が可能な限り長期的に維持されるよう、特許特別会計における事業経費の一層の合理化に努めること。
五審査要処理期間の一層の短縮を図るため、ペーパーレス計画の推進、審査官等必要な人員の確保等による事務処理体制の整備等の審査処理促進策を引き続き強力に推進するとともに、出願適正化施策の強化を図ること。
六工業所有権制度の国際調和の重要性にかんがみ、我が国の主張が生かされるよう最大限の努力を払いつつ、国際的な制度調和の実現に積極的に取り組むこと。また、工業所有権制度の整備についての国際協力に積極的に努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=112601018)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。