障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案
衆議院 労働委員会
平成6年法律第38号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
鳩山邦夫 労働大臣 平成6年6月2日ただいま議題となりました障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
障害者の雇用の状況を見ますと、障害者の社会参加の基本であるノーマライゼーションの理念が社会に浸透しつつあり、障害者の自立意識の高まりと相まって雇用されている障害者数は全体として増加しております。しかしながら、障害者の社会参加の指標ともいうべき民間企業の雇用率は一・四一%と、法律で定められた雇用率の一・六%、大体六十三人に一人ということですが、この数字を依然として下回っている状況にあります。さらに重度身体障害者、精神薄弱者及び精神障害回復者等を中心として、就職を希望しながら雇用につくことができない障害者が多数存在しており、これらの障害者に対する対策の充実強化が求められているところであります。
このような状況にかんがみますと、引き続き雇用率制度の厳正な運用等に努めることが重要であるとともに、昨年三月に政府において策定いたしました障害者対策に関する新長期計画において述べられているように、重度障害者の雇用の促進及び継続を図るため、生活に密着した地域レベルにおいてきめ細かな職業リハビリテーションを実施することや、通勤、住宅等の職業生活にかかわる環境を整備していくことが必要であります。
これらの課題につきましては、障害者雇用審議会におきまして昨年十月以来御議論いただきましたところ、同年十二月に意見書をいただき、法的整備の方向が示されたところであります。
政府といたしましては、この意見書に沿って本法律案を作成して障害者雇用審議会にお諮りし、全会一致の答申をいただいて、ここに提出した次第であります。
次に、その内容の概要を御説明申し上げます。
第一に、都道府県知事は、職業生活における自立を図るために継続的な支援を必要とする障害者に対し、支援の業務を適正かつ確実に行うことができると認められる公益法人を市町村レベルにおいて障害者雇用支援センターとして指定することとしております。この障害者雇用支援センターは、基本的な労働習慣を体得させるための訓練である職業準備訓練を中心として個々の障害者の特性に応じた一貫した支援を行うとともに、地域のボランティアに関する情報を収集、整理し、事業主等に対して提供する業務を行うこととしております。また、障害者雇用支援センターに対しては、市町村レベルでのきめ細かな職業リハビリテーションサービスを実施する役割を担うものとして必要な助成措置を講ずることとしております。
第二に、障害者の処遇の改善等を図るために必要となる施設、設備の設置、整備に対する助成金制度の新設や、通勤、住宅面での助成金制度の充実などにより、障害者を取り巻く職業生活環境の整備を進めることによって、障害者の雇用の促進及び安定を図ることといたしております。これらの助成金は、身体障害者雇用納付金制度に基づく助成金制度として実施することとしております。
なお、この法律の施行は本年十月一日からといたしております。
以上、この法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。
労働行政の主たる役割ということを考えてみますと、諸先生方よく御理解いただいているとおり、何も私たちは強きをくじく必要はありませんが、特別な配慮を必要とされる方々にどこまで温かく優しくきめ細かな施策を準備できるかということにかかっていると私は考えております。したがいまして、このような法律案がどうしても必要である、一日も早い可決が望まれるところでございます。
何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第129回国会参議院労働委員会会議録第2号3頁(平成6年6月2日)〔鳩山邦夫労働大臣発言・発言番号10〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=112901057)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。