特許法等の一部を改正する法律案
参議院 経済・産業委員会
平成10年法律第51号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院経済・産業委員会
- H10.4.16趣旨説明経済・産業委員会 9100
- H10.4.23質疑・採決・附帯決議経済・産業委員会 10154
- H10.4.24委員長報告・採決・附帯決議本会議 2353
提案理由
堀内光雄 通商産業大臣 平成10年4月1日続いて、特許法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
国際的な大競争時代が到来する中で、我が国が経済の活力を維持していくためには、技術革新の進展を支え、新たな競争力の源泉を確保していくことが不可欠であります。そのためには、独創的技術開発の成果に対して十分な権利保護を、できる限り早期に、かつ簡便な手段で与え、成果の活用、新たな知的創造活動の促進を図ることが重要となっております。
本法律案は、かかる情勢を踏まえ、特許法その他の工業所有権関係法律について、権利保護の強化、早期保護の実現並びに出願人と権利者の利便性の向上及び負担の軽減を図るための所要の改正を行うものであります。
なお、本件につきましては、昨年十二月に工業所有権審議会より特許法等の改正に関する答申が提出されており、本法律案はこの答申を踏まえた内容となっております。
次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
第一は、特許権等の権利の保護の強化を図るため、損害賠償制度の見直し等を行うものであります。具体的には、侵害行為による権利者の損害について適正に補てんが行われるよう、損害賠償額の算定方式を見直し、賠償額の立証の容易化を行うとともに、侵害に対する抑止力を高めるため、法人により侵害が行われた場合の罰金の引き上げ等を行うものであります。
第二は、創造的デザインの保護の強化を図るため、意匠制度の見直しを行うものであります。近年の我が国におけるデザイン開発力の向上、特徴あるデザインによる製品差別化の流れに対応し、創造性の高いデザインについて、広くかつ強い権利保護を与えるべく、登録要件としての創作容易性水準の引き上げ、部分意匠の保護導入等の必要な改正を行うものであります。
第三は、いわゆるオンラインシステムによる手続を意匠、商標制度においても導入するものであります。従来、特許、実用新案制度において可能であったオンラインシステムによる手続を意匠、商標制度においても導入することにより、さらなる早期権利付与、出願人及び権利者の利便性の向上を図るものであります。
第四は、特許等の無効審判の審理を迅速化するため、請求理由の補正の範囲を適正化するものであります。具体的には、これまでは審判請求の理由の補正を無制限に認めていたものを、要旨を変更しない範囲に限って認めることとするものであります。
第五は、権利者の負担の軽減を図るため、特許料の引き下げを行うものであります。現行の特許料は、国際的に比較しても後年度の負担が重いものとなっておりますが、権利保有者にとっての負担を軽減する観点から、現在の料金の累進構造を見直し、十年目以降の特許料を平準化するものであります。
第六は、その他工業所有権に係る手続の利便性の向上、工業所有権の保護の適正化等を図るために必要な事項について、所要の改正を行うものであります。
以上が、本法律案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
第142回国会衆議院商工委員会議録第6号2頁(平成10年4月1日)〔堀内光雄通商産業大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一民間事業者への特定研究成果の円滑かつ効果的な移転促進を図るため、国立大学等の研究者が技術移転機関の役員等の職を兼ねることを可能とする措置について、早急に結論を得ること。
二国立大学等の研究者が、その研究成果を事業化しようとする民間企業の事業活動に、主体的に参画できるような制度について、積極的に検討を進めること。
三大学等からの民間事業者への技術移転の促進を図る上で、特定研究成果に対する市場性の評価が重要であることにかんがみ、技術評価やマーケティングに精通した人材の養成及び確保に努めること。
四大学等における技術に関する研究成果の民間事業者への移転を促進するための措置がとられることにより、いやしくも基礎研究に対する取組が軽視されることのないよう、十分に注意すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=114201038)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。