学校教育法等の一部を改正する法律案
参議院 文教・科学委員会
平成10年法律第101号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院文教委員会
- H10.5.15趣旨説明・質疑文教委員会 11153
- H10.5.20質疑・参考人招致文教委員会 12246
- H10.5.22質疑・討論・採決・附帯決議文教委員会 13136
- H10.5.22委員長報告・採決・附帯決議本会議 4229
参議院文教・科学委員会
- H10.5.26趣旨説明文教・科学委員会 235
- H10.5.27質疑文教・科学委員会 24160
- H10.5.28参考人招致文教・科学委員会 2598
- H10.6.4質疑・採決・討論・附帯決議文教・科学委員会 26119
- H10.6.5委員長報告・採決・附帯決議本会議 3234
提案理由
町村信孝 文部大臣 平成10年5月15日このたび、政府から提出いたしました学校教育法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
今日、教育改革は国政の最重要課題となっており、来るべき二十一世紀において、一人一人がそれぞれの個性や創造性を伸ばし、我が国が活力ある社会として発展していくためには、学校教育制度について、できる限り一人一人の能力・適性、興味・関心、進路希望等に応じた多様で柔軟なものとなるよう改革を図っていく必要があります。
このような観点から、この法律案は、中等教育の多様化を推進し、生徒の個性をより重視した教育を実現するため、現行の中学校と高等学校の制度に加えて、中高一貫教育制度を導入するとともに、高等教育の段階において、専修学校の専門課程の修了者について大学に編入学できる道を開くこと等制度の弾力化を図るものであります。
次に、この法律案の内容について御説明申し上げます。
第一は、新しい学校種として中等教育学校を創設することであります。中等教育学校は、小学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、中等普通教育並びに高等普通教育及び専門教育を一貫して施すことを目的とするとともに、国家及び社会の有為な形成者として必要な資質を養うこと等の目標を定めることとしております。修業年限は六年とし、前期課程及び後期課程に区分することのほか、教科及び学科、教職員等について必要な規定を設けることとしております。
第二は、同一の設置者が設置する中学校と高等学校における中高一貫教育についてであります。地方公共団体等が中学校及び高等学校を併設し、これらの学校の間のより緊密な連携を図り、中等教育学校に準じて一貫した教育を施すことができるものとしております。
第三は、中高一貫教育に係る行財政措置についてであります。公立の中等教育学校に関する教職員定数の算定、教職員給与費及び施設費等に係る国庫負担については、現行の中学校及び高等学校と同様の措置を講ずることとするとともに、中高一貫教育を実施する公立中学校に係る教職員給与費及び施設費について新たに国庫負担の措置を講ずることとしております。
第四は、専修学校の専門課程修了者の大学への編入学等についてであります。専修学校の専門課程で文部大臣の定める基準を満たすものを修了した者は大学に編入学できることとするとともに、大学の学生以外の者で大学の単位を修得した者が当該大学に入学する場合に、相当期間を修業年限に通算できることとしております。
このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願いをいたします。
第142回国会衆議院文教委員会議録第11号1頁(平成10年5月15日)〔町村信孝文部大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
立法資料のある条文
この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)附帯決議
政府及び関係者は、中高一貫教育の選択的導入にあたり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
一中高一貫教育の導入は、新しい学校種を設けるなど今後の中等教育全体の改革の端緒を切るものであることを踏まえ、「中高一貫教育研究会議」等において児童・生徒や保護者のニーズ、地域の実情に十分に配慮して実施されること。
二中高一貫教育の内容は、「ゆとり」のある学校生活の中で、児童・生徒の個性や創造性を大いに伸ばすという本旨にのっとり検討され、受験準備に偏したいわゆる「受験エリート校」化など、偏差値による学校間格差を助長することのないように十分に配慮すること。
三中高一貫教育を行う学校では、入学者の選抜にあたって学力試験は行わないこととし、学校の個性や特色に応じて多様で柔軟な方法を適切に組み合わせて入学選抜方法を検討し、受験競争の低年齢化を招くことがないように十分に配慮すること。
四各都道府県等においては、中高一貫教育の導入に際して、「研究会議」等を通じて、幅広い関係者による協議を行い、一貫教育の内容、入学者の決定方法、通学区の設定など地域の実情等を踏まえたものとなるように努めること。
五国は、中高一貫教育の推進にかかる実践研究事業の一層の充実に努めること。
政府及び関係者は、中高一貫教育の選択的導入に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
一中高一貫教育の導入は、新しい学校種を設けるなど今後の中等教育全体の改革の端緒となるものであることを踏まえ、児童・生徒や保護者のニーズ、地域の実情に十分に配慮して実施すること。
二中高一貫教育の内容は、「ゆとり」のある学校生活の中で、生徒の個性や創造性を大いに伸ばすという本旨にのっとり検討され、受験準備に偏したいわゆる「受験エリート校」化など、偏差値による学校間格差を助長することのないように十分に配慮すること。
三中高一貫教育の導入は、中等教育を多様化し、生徒や保護者の選択の幅を広げることを趣旨とするものであることに鑑み、大学の入学者選抜方法については、その学習成果が生かされるよう工夫改善に努めること。
四中高一貫教育を行う公立の学校では、入学者の決定に当たって学力試験を行わないこととし、学校の個性や特色に応じて多様で柔軟な方法を適切に組み合わせて入学者選抜方法を検討し、受験競争の低年齢化を招くことがないように十分に配慮すること。
五いわゆる連携型の中高一貫教育については、その有機的連携を可能たらしめるように十分に検討すること。
六各都道府県等においては、中高一貫教育の導入に際して、「中高一貫教育研究会議」等を通じて、幅広い関係者による協議を行い、一貫教育の内容、入学者の決定方法、通学区の設定など地域の実情等を踏まえたものとなるように努めること。
七国は、中高一貫教育の推進に係る実践研究事業の一層の充実に努めること。
八児童・生徒が中高一貫教育を行う学校を実質的に選択できることとなるように、設置者の意向を踏まえ、必要な財政措置を講ずること。
九中等教育における選択の幅が広がることに伴い、児童、保護者に対して十分な情報提供を行うとともに、小学校における進路指導の在り方についても検討すること。
十本法施行に伴う学校教育法施行規則その他政省令の改正に当たっては、中高一貫教育の導入の趣旨及び本委員会における審議を十分に踏まえ、これを行うこと。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=114201077)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。