検疫法及び狂犬病予防法の一部を改正する法律案
衆議院 厚生委員会
平成10年法律第115号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院国民福祉委員会
- H10.4.10趣旨説明国民福祉委員会 65
- H10.4.10趣旨説明・質疑本会議 1949
- H10.4.14質疑国民福祉委員会 7189
- H10.4.16質疑国民福祉委員会 8266
- H10.4.21参考人招致国民福祉委員会 9241
- H10.4.28質疑国民福祉委員会 10158
- H10.4.30質疑・採決・附帯決議国民福祉委員会 1152
- H10.4.30採決・委員長報告・附帯決議本会議 2450
- H10.9.24趣旨説明・質疑・採決・附帯決議国民福祉委員会 4217
- H10.9.25採決・委員長報告・附帯決議本会議 1041
衆議院厚生委員会
- H10.5.21趣旨説明・質疑本会議 4149
- H10.5.22趣旨説明・質疑厚生委員会 13135
- H10.5.27質疑厚生委員会 14303
- H10.5.29参考人招致・質疑厚生委員会 15286
- H10.9.16質疑・採決・附帯決議厚生委員会 5346
- H10.9.17採決・委員長報告・附帯決議本会議 118
提案理由
小泉純一郎 厚生大臣 平成10年4月10日次に、検疫法及び狂犬病予防法の一部を改正する法律案について申し上げます。
近年、海外においてはエボラ出血熱等のこれまで知られなかった感染症が出現し、国内においては生活様式の多様化に伴い感染機会が増大しており、感染症を取り巻く環境は大きく変化しております。
さらに、国際間の人や物の移動の活発化や、航空機による輸送の迅速化に伴い、外国から新たな感染症が持ち込まれる危険性が著しく増大しており、国内への感染症の侵入防止のための施策の充実及び国内における感染症対策と連携した対応が求められております。
こうした状況を踏まえ、総合的な感染症の予防対策の推進の一環として、国内に常在しない感染症の侵入を防止するため、検疫の対象となる感染症や狂犬病対策における対象動物の追加等所要の見直しを行うこととし、今般、この法律案を提出した次第であります。
次に、この法律案の主な内容につきまして御説明を申し上げます。
まず、検疫法の一部改正につきましては、検疫業務について、国内の新たな感染症対策との整合性を図り、検疫の対象となる感染症として特に危険な感染症を追加し、また、検疫所長が厚生大臣の指示に従って新感染症に対する検疫を行うことができるようにするとともに、隔離及び停留について所要の見直しを行うこととしております。
さらに、検疫所において、出入国者の求めに応じて診察や予防接種を実施するとともに、外国における感染症情報を出入国者に対し提供することとし、さらに検疫所と都道府県との連携を図ることとしております。
狂犬病予防法の一部改正につきましては、狂犬病の予防のため、輸出入検疫、狂犬病の発生時における獣医師の届け出措置の対象動物として、現行の犬に加え、猫等を追加することとしております。
なお、この法律の施行日は、一部の事項を除き、平成十一年四月一日としております。
以上、二法案の提案理由及びその内容の概要について御説明申し上げました。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第142回国会参議院国民福祉委員会会議録第6号1頁(平成10年4月10日)〔小泉純一郎厚生大臣発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、次の事項について、適切な措置を講ずべきである。
一ハンセン病患者やHIV感染症患者を始めとする感染症患者等に対する差別や偏見が行われた事実等を重く受け止め、また、個別の感染症に対する特別な立法を置くことが患者等に対する差別や偏見につながったとの意見を真摯に受け止め一施策の実施に当たっては、感染症の患者等の人権を十分尊重すること。
二感染症の新たな分類について、国民や医療関係者の理解が深まるよう、その定義の明確化に努めるとともに、その内容を本委員会に報告すること。また、これらが新たな差別や偏見につながらないよう、特段の配慮を行うこと。
三健康診断、入院、移送等が、患者等の人権に配慮し、客観的に運用されるよう手続の明確化を図るとともに、これらの手続、退院の請求、審査請求等について、患者等に対して十分な説明が行われるように配慮すること。また、感染症指定医療機関等における通信等の自由を保障するため、必要な措置を講ずること。
四感染症発生動向調査の体制強化を図り、感染症の発生・拡大の防止のために必要な情報を適時・的確に国民に提供・公開すること。また、感染症情報の収集及び公表に当たっては、個人情報の保護に万全を期すとともに、国民の感染症への過度な不安を引き起こすことがないように十分留意すること。
五国の各行政機関、地方公共団体を始めとする関係各機関の役割分担を明確にし、緊密な連携を図るとともに、保健所が地域における感染症対策の中核的機関として十分に機能できるよう、その体制強化を図ること。
六感染症の患者及び感染者に対し、その人権に配慮した良質かつ適切な医療が提供されるよう、医師、看護婦等の医療従事者の教育・研修、感染症専門医の育成等に努めるとともに、感染症指定医療機関について、国立国際医療センターや大学病院の充実・徳用を含め、人材・設備の両面から計画的な整備を進めること。
七安全面に配慮した病原体等安全管理基準のレベル4に対応する施設の在り方についての検討、国立感染症研究所等の機能強化を始めとする感染症の病原体や抗体の検査体制の整備に努めること。また、感染症の治療・予防のための医薬品の開発等の研究を推進するとともに、必要に応じ拡大治験の活用を図ること。
八性感染症及びHIV感染症の予防について、特定感染症予防指針において総合的な対応を図るとともに、これらの患者・感染者に対する医療・施策が更に充実するよう努めること。
九新感染症の発生や特定の感染症の集団発生に対して、直ちに専門家からなるプロジェクトチームが結成できるよう、感染症に対する危機管理体制の確立を図ること。また、新感染症については、国の責任において、積極的な対策を講ずること。
十医療機関、老人福祉施設等における院内感染防止対策を強力に進めること。
十一必要なワクチンや予防接種に関する適切な情報を国民に提供・公開し、予防接種に対する国民の理解を深めることにより、接種率の向上に引き続き努力すること。
十二地球規模化する感染症問題に対応し、日本における感染症対策の水準の向上を図るため、海外の感染症研究機関との知見の交換や海外研修の充実を含め、感染症に関する国際協力を一層推進すること。
十三検疫については、国内の感染症予防対策と連携のとれた一元的な運用に努めるとともに、感染症発生の状況・段階に応じて的確に対応できるよう、検疫所の機能強化を図ること。
本法の施行に当たり政府は、我が国の感染症政策の基本思想において、本法律をもって過去における社会防衛中心の政策から感染症予防と患者等の人権尊重との両立を基盤とする新しい感染症政策へと転換しようとするものであることを深く認識して、次の施策を実施すべきである。1 ハンセン病患者やHIV感染症患者を始めとする感染症患者等に対する差別や偏見が行われた事実等を重く受け止め、また、個別の感染症に対する特別な立法や社会防衛を重点とした立法が患者等に対する差別や偏見につながったとの意見を真摯に受け止め、さらに、感染症を理由とする差別を実効的に排除するため、基本指針等において具体的施策を策定するとともに、国民に対する教育・啓発に最大限の努力をすること。2 本法が目的とする感染症政策を実現するため、今後具体的な政策形成を行うに当たっては、感染症の患者等の意見を十分に徴すること。特に、法の定める「基本指針」、「特定感染症予防指針」等の策定に当たっては、患者の意見の十分な反映を図ること。3 感染症の患者及び感染者に対し、その人権に配慮した良質かつ適切な医療が提供されるよう、医師、看護婦等の医療従事者の教育・研修、感染症専門医の育成等に努めるとともに、感染症指定医療機関について、国立国際医療センターや大学病院の充実・活用を含め、人材・設備の両面から計画的な整備を進めること。4 地方衛生研究所については、地域における感染症対策の中核機関である保健所及び国の試験研究機関と密接な連携を図るとともに、都道府県における感染症対策の技術的、専門的機関としての位置づけを明確にし、感染症対策に係る試験検査、調査研究、研修指導及び情報関連の機能強化を図るために必要な方策を講ずるよう努めること。5 HIV感染者等に対する医療・施策が更に充実するよう努めること。特に、現在、HIV感染症治療において先駆的役割を果たしているエイズ治療研究開発センターを今後とも中核的医療機関として整備すること。6 感染力の強さを含めた、新感染症及び指定感染症の要件をより明確にし、地方公共団体や医療機関など、関係者に周知徹底を図ること。また、新感染症についての取扱いが、迅速、かつ公正・的確に行われるよう、国が積極的な施策を講じるとともに地方公共団体と密接な連携をとること。7 患者に対する説明と理解を尊重した医療を実現するよう、趣旨の徹底に努めること。その際、患者等のプライバシーを確保するため、医師が都道府県知事への届出を行った場合には、当該患者等または保護者へ当該届出の事実等を通知するように徹底を図ること。8 健康診断、入院、移送等の措置がなされる場合において、患者等の人権を尊重し、厳格かつ客観的に運用されるよう手続きの明確化を図ること。また、これらの措置に係る手続きや退院請求、審査請求などの不服申立手続きについて、患者等に十分に趣旨が理解できるような説明が行われるよう徹底させること。実際に、入院患者が退院請求を行った場合には、その判断は速やかに行われるようにすること。9 感染症の診査に関する協議会は、患者の入院の必要性等を診査する機関であるとの趣旨をかんがみ、その構成員である「医療以外の学識経験を有する者」としては、患者・感染者等の人権尊重の観点からふさわしい人材が選ばれるよう、都道府県等に対し、趣旨の徹底を図ること。10 入院時の通信・面会の自由が保障されるよう必要な措置を講じる等、入院患者の処遇について明確化すること。11 感染症情報の収集・公表に当たっては、個人情報の保護に万全を期し、無用な不安や不当な差別・偏見を引き起こすことがないように努めること。特にマスコミの影響が大きいことから、常時、的確な情報を提供するとともに、誤った情報や不適当な報道がなされたときには、速やかにこれを訂正する報道がなされるようにしておくなど、マスコミその他関係諸機関との連携を図ること。12 地球規模化する感染症問題に対応し、日本における感染症対策の水準の向上を図るため、海外の感染症研究機関との知見の交換や海外研修の充実を含め、感染症に関する国際協力を一層推進すること。13 検疫については、国内の感染症予防対策と連携のとれた一元的な運用に努めるとともに、感染症発生の状況・段階に応じて的確に対応できるよう、検疫所の機能強化を図ること。14 世界保健機関その他国際機関等により新たな基準等が定められた場合は、必要に応じ、それとの整合を図るため速やかに適切な対応を行うこと。
本法の施行に当たり、政府は、我が国の感染症政策の基本思想において、本法律をもって過去における社会防衛中心の政策から感染症予防と患者等の人権尊重との両立を基盤とする新しい感染症政策へと転換しょうとするものであることを深く認識し、また、国民に対しても教育・啓発を通じて理解を求め、次の施策を実施べきである。
一ハンセン病患者やHIV感染症患者を始めとする感染症患者等に対する差別や偏見が行われた事実等を重く受け止め、また、個別の感染症に対する特別な立法を置くことが患者等に対する差別や偏見につながったとの意見を真摯に受け止め、施策の実施に当たっては、感染症の患者等の人権を十分尊重すること。
二感染症の新たな分類について、国民や医療関係者の理解が深まるよう、その定義の明確化に努めるとともに、その内容を本委員会に報告すること。また、これらが新たな差別や偏見につながらないよう、特段の配慮を行うこと。
三健康診断、入院、移送等が、患者等の人権に配慮し、客観的に運用されるよう手続の明確化を図るとともに、これらの手続、退院の請求、審査請求等について、患者等に対して十分な説明が行われるように配慮すること。また、感染症指定医療機関等における通信等の自由を保障するため、必要な措置を講ずること。
四感染症発生動向調査の体制強化を図り、感染症の発生・拡大の防止のために必要な情報を適時・的確に国民に提供・公開すること。また、感染症情報の収集及び公表に当たっては、個人情報の保護に万全を期すとともに、国民の感染症への過度な不安を引き起こすことがないように十分留意すること。
五国の各行政機関、地方公共団体を始めとする関係各機関の役割分担を明確にし、緊密な連携を図るとともに、保健所が地域における感染症対策の中核的機関として十分に機能できるよう、その体制強化を図ること。
六感染症の患者及び感染者に対し、その人権に配慮した良質かつ適切な医療が提供されるよう、医師、看護婦等の医療従事者の教育・研修、感染症専門医の育成等に努めるとともに、感染症指定医療機関について、国立国際医療センターや大学病院の充実・活用を含め、人材・設備の両面から計画的な整備を進めること。
七安全面に配慮した病原体等安全管理基準のレベル4に対応する施設の在り方についての検討、国立感染症研究所等の機能強化を始めとする感染症の病原体や抗体の検査体制の整備に努めること。また、感染症の治療・予防のための医療品の開発等の研究を推進するとともに、必要に応じ拡大治験の活用を図ること。
八性感染症及びHIV感染症の予防について、特定感染症予防指針において総合的な対応を図るとともに、これらの患者・感染者に対する医療・施策が更に充実するよう努めること。
九新感染症の発生や特定の感染症の集団発生に対して、直ちに専門家からなるプロジェクトチームが結成できるよう、感染症に対する危機管理体制の確立を図ること。また、新感染症については、国の責任において、積極的な対策を講ずること。
十医療機関、老人福祉施設等における院内感染防止対策を強力に進めること。
十一必要なワクチンや予防接種に関する適切な情報を国民に提供・公開し、予防接種に対する国民の理解を深めることにより、接種率の向上に引き続き努力すること。
十二地球規模化する感染症問題に対応し、日本における感染症対策の水準の向上を図るため、海外の感染症研究機関との知見の交換や海外研修の充実を含め、感染症に関する国際協力を一層推進すること。
十三検疫については、国内の感染症予防対策と連携のとれた一元的な運用に努めるとともに、感染症発生の状況・段階に応じて的確に対応できるよう、検疫所の機能強化を図ること。
十四世界保健機関その他国際機関等により新たな基準等が定められた場合は、必要に応じ、それとの整合を図るため速やかに適切な対応を行うこと。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=114201085)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。