新事業創出促進法案
参議院 経済・産業委員会
平成10年法律第152号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院商工委員会
- H10.12.4趣旨説明・質疑商工委員会 1136
- H10.12.8討論・採決・附帯決議商工委員会 215
- H10.12.8委員長報告・採決・附帯決議本会議 549
参議院経済・産業委員会
- H10.12.9趣旨説明経済・産業委員会 118
- H10.12.10質疑経済・産業委員会 274
- H10.12.11質疑・採決・附帯決議経済・産業委員会 361
- H10.12.11委員長報告・採決・附帯決議本会議 563
提案理由
与謝野馨 通商産業大臣 平成10年12月4日新事業創出促進法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
我が国経済につきましては、その新陳代謝の速さを示す開業率が総じて低く、特に近年、廃業率が開業率を上回るなど、事態が深刻化しております。また、国内事業活動の不振による景気の低迷の深刻化が一層進む中で、失業率は戦後最悪を記録するに至っております。
このような問題は、技術、人材その他の我が国に蓄積された産業資源が、必ずしも十分に活用されず、結果として、新たな事業の創出に向けた取り組みの活性化につながらないという、我が国経済社会の有する構造的な課題を原因とするものであります。
こうした課題を克服するためには、我が国の産業資源が新たな事業に向けて有効に活用されるよう、それに必要となる資金、情報等を適時適切に提供するための政策措置や支援体制を整備することで新たな事業の創出を促していくことが必要であり、そのことが、ひいては活力ある経済社会を構築していくことへとつながっていくものと期待されるところであります。
以上のような観点から、個人による創業及び新たに企業を設立して行う事業を直接支援するとともに、中小企業者の新技術を利用した事業活動を促進するための措置を講じ、あわせて地域の産業資源を有効に活用して地域産業の自律的発展を促す事業環境を整備する措置を講ずるため、今般、本法案を提案した次第であります。
次に、本法案の要旨を御説明申し上げます。
第一に、新たな事業の創出を促進するため、主務大臣が基本方針を定めることとしております。
第二に、個人による創業及び新たに企業を設立して行う事業の開始に対する支援であります。具体的には、中小企業事業団からの助成や資金の出資、中小企業信用保険法に基づく債務保証に係る保険の特例、特定事業者の事業革新の円滑化に関する臨時措置法の対象業種の拡大等の特例、新株の引受権の付与の特例及び産業基盤整備基金からの債務保証や資金の出資等の措置を講ずることとしております。
第三に、中小企業者の新技術を利用した事業活動の支援であります。国は、中小企業者等に対する特定補助金等の支出の機会の増大を図るため、中小企業者等に対する新技術に関する研究開発のための補助金等の交付の方針を作成することにより、中小企業者等の研究開発を支援するとともに、その補助金等を交付された中小企業者等に対して、中小企業投資育成会社の株式の引き受け等の特例等の措置を講ずることにより、その研究開発の成果を利用した事業活動を支援することとしております。
第四に、技術、人材その他の地域に存在する産業資源を活用した事業環境の整備であります。都道府県等は、みずからが主導的な立場で地域産業資源を有効に活用した新たな事業の創出に関する基本構想を作成するとともに、都道府県等における新事業創出支援体制の中心となる機関を中核的支援機関として認定することができることとしております。また、情報処理振興事業協会は、新事業創出支援体制を構成する新事業支援機関に対し、情報関連人材育成事業に必要な教材の開発、提供等を行うこととしております。さらに、都道府県等は、基本構想に従って高度な産業技術を有する企業が集積の機能の維持及び強化に関する高度技術産業集積活性化計画を作成することができることとし、当該計画を国が同意した場合、地域振興整備公団による工場や事業場の整備や賃貸、新事業支援施設の整備に必要な資金の出資の実施のほか、産業基盤整備基金からの債務保証の措置等を講ずることとしております。
なお、このような新たな制度が施行されることにあわせて、現行の高度技術工業集積地域開発促進法、地域産業の高度化に寄与する特定事業の集積の促進に関する法律及び地域ソフトウェア供給力開発事業推進臨時措置法を廃止することとし、所要の経過措置を講ずるものとしております。
以上が、本法案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
第144回国会衆議院商工委員会議録第1号2頁(平成10年12月4日)〔与謝野馨通商産業大臣発言・発言番号13〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法施行にあたり、我が国経済の再活性化に向けて技術、人材等の産業資源を活用しつつ新たな事業の創出を広く促進することの必要性にかんがみ、税制上の措置及び所要資金の確保を含めた総合的な支援策を講じるほか、特に次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一創業者等の事業の開始に対する支援の実施に当たっては、SOHOや地域の市民活動を含め開業資金の支援を求める幅広い創業者等の起業意欲を極力尊重するよう配慮すること。特に、創業者等が行う新たなアイデアの事業化等に対する助成については、専門的な指導及び助言等を適確に実施するとともに、その拡充に努めること。また、起業に関する相談等の充実を図りつつ、十分な情報の提供に努めること。
二各省庁が所管する研究開発予算における特定補助金等の指定拡大及び支出目標額の増加に向けて、各省庁連携して積極的に取り組むこと。また、交付者の選定においては、中小企業者への支出の機会の増大が確実に達成されるよう配慮すること。なお、中小企業者の積極的な参加を促すため、申請手続き等の統一や簡素化等に努めるとともに、施策の周知徹底を図ること。
三都道府県等が行う地域産業資源の集積を有効に活用した事業環境の整備については、テクノポリス法や頭脳立地法の運用の経験を踏まえ、新たな事業の創出に効果的に寄与することとなるよう、地域の実情や産業ニーズ等に応じた適確かつ機動的な支援を行うこと。また、地方分権の趣旨を参酌し、都道府県等による高度技術産業集積活性化計画に係る手続きの簡素化等に努めること。
(案)政府は、本法施行に当たり、我が国経済の再活性化のため、新たな事業の創出の促進に向けて、関係各省庁間の連携を図りつつ、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一新たな事業の創出を積極的に促進するため、税制上の措置及び所要資金の確保を含めた支援策の一層の充実に努めるとともに、SOHO(スモール・オフィス・ホーム・オフィス)、福祉や介護を中心とした非営利的な市民事業、女性企業等の多様な創業者等の起業意欲を尊重して、開業資金を容易に確保できるよう一層の環境整備に努めること。
二創業者等が行う新商品、新技術又は新たな役務の事業化等に対する支援に当たっては、起業に関する相談体制の整備に努めるとともに、専門的な指導及び助言の適確な実施と十分な情報の提供に努めること。
三中小企業者等に対する特定補助金等の支出の機会の増大が確実に図られるよう、特定補助金等の指定の拡大及び支出目標額の増加に積極的に取り組むとともに、特定補助金等の交付に関し、中小企業者の積極的な参加を促すため、施策の周知徹底と申請手続の簡素化等に努めること。
四地域産業資源を有効に活用した事業環境の整備については、テクノポリス法、頭脳立地法等の実績とその結果分析を踏まえ、企業のニーズや地域の実情等に応じた機動的かつ適確な支援を行うとともに、地方分権の趣旨を斟酌し、都道府県等による高度技術産業集積活性化計画に係る手続の簡素化等に努めること。
五起業にチャレンジする精神が国民一般に醸成されるよう、教育等の充実を図るとともに、地域における創業支援のための指導的人材の育成、確保につき十分な支援を行うこと。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=114401002)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。