社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案
参議院 国民福祉委員会
平成12年法律第111号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院厚生委員会
- H12.4.14趣旨説明・質疑本会議 2531
- H12.4.21趣旨説明・質疑厚生委員会 1094
- H12.4.26質疑厚生委員会 11161
- H12.4.27参考人招致厚生委員会 12135
- H12.5.10質疑・修正案趣旨説明・討論・採決(修正)・附帯決議・修正案厚生委員会 13336
- H12.5.11委員長報告・採決(修正)・附帯決議本会議 3279
参議院国民福祉委員会
- H12.5.12趣旨説明・質疑本会議 2379
- H12.5.18趣旨説明・質疑国民福祉委員会 2161
- H12.5.23質疑国民福祉委員会 22219
- H12.5.25参考人招致・質疑国民福祉委員会 23298
- H12.5.26討論・採決・附帯決議国民福祉委員会 2412
- H12.5.29委員長報告・採決・附帯決議本会議 2946
提案理由
丹羽雄哉 厚生大臣 平成12年4月14日社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
社会福祉制度につきましては、少子高齢化、核家族化の進展など社会構造の変化に対応して、だれもが家庭や地域の中で自立し、尊厳を持った生活を送ることができる制度の構築が求められております。こうした状況を踏まえ、措置制度など、社会福祉制度の仕組み全般にわたって見直しを行うこととした次第であります。
以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
第一に、利用者の立場に立った社会福祉制度の構築であります。身体障害者などの福祉サービスについて、行政が内容を決定する制度から利用者が選択して利用する制度へ改めるとともに、直接、利用者に対し支援費を支給する方式を導入することとしております。また、利用者が適切に福祉サービスを選択できるよう、利用者からの苦情を解決するための仕組みを導入するなど、利用者保護のための規定を設けることにいたしております。
第二に、社会福祉事業の充実及び活性化であります。
福祉需要の多様化に対応し、福祉サービス利用援助事業、手話通訳事業、盲導犬訓練施設を経営する事業などの九事業を社会福祉事業として追加することにいたしております。また、地域におけるきめ細かな福祉活動を推進するため、政令で定める社会福祉事業について人数規模要件を緩和し、社会福祉法人の設立を容易にすることにいたしております。
第三に、福祉サービスの質の向上と事業経営の透明性の確保であります。
社会福祉事業の経営者は、福祉サービスの質の向上に努めなければならないこととするとともに、社会福祉法人の財務諸表などの開示義務、国、地方公共団体などによる福祉サービスに関する情報提供の責務などを定めることにいたしております。
第四に、地域福祉の推進であります。
市町村地域福祉計画の策定手続を整備するとともに、社会福祉協議会、共同募金会、民生委員及び児童委員について、機能の強化を図るなどの改正を行うことにいたしております。
このほか、社会福祉施設職員等退職手当共済制度を見直すとともに、関係法律についても所要の規定の整備を行うことにいたしております。
以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)
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社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
第147回国会衆議院会議録第25号3頁(平成12年4月14日)〔丹羽雄哉厚生大臣発言・発言番号22〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、次の事項について適切に措置すべきである。
一本法の施行に当たっては、これまでの措置制度の功罪を十分に認識し、改革の理念である自立支援を基本において、事業者と対等な関係に立って利用者自らが福祉サービスを選択し決定できるよう、利用者、社会福祉事業者等の関係者への啓発と周知徹底を図ること。特に、福祉サービス利用援助事業、苦情解決制度、情報の提供及び公開等の利用者のサービス利用を支援するための仕組みが効果的かつ適切に機能するよう、社会福祉事業者への指導に努めること。また、市町村、都道府県が利用者に対する斡旋、調整、利用の要請を適切に行えるよう、その環境整備を図ること。
二障害者福祉サービスにおける支援費支給方式の導入に当たっては、障害者のサービス利用に支障をきたさないよう、指定事業者に応諾義務を課すなど必要な措置を講じるとともに、代理受領による方式の運用状況をみた上で、バウチャー方式を含め支給の在り方について検討を行うこと。
三利用者負担については、介護保険との関係を整理した上で、応益負担を加味した制度への移行も含め、その基本的在り方の検討を行うこと。また当面、在宅福祉サービスを利用する二十歳以上の障害者の自己負担の算定に際し、扶養義務者を加えることの是非について検討すること。さらに低所得者の負担については現行水準を上回ることのないよう十分配慮すること。
四都道府県社会福祉協議会が実施する福祉サービス利用援助事業については、権利擁護の充実の観点から、NPOやボランティア団体などできる限り多様な主体と提携を図って柔軟な体制で実施されるよう指導するとともに、成年後見制度との連携を図るよう努めること。
五都道府県社会福祉協議会に設置される運営適正化委員会の業務が公正、中立に行われるよう、苦情解決担当委員の選任に当たり、利用者の代表を委員にするなど、利用者等の意見が反映できるようにすること。
六福祉サービスの質の向上を図るため、社会福祉士、介護福祉士及び社会福祉主事について、福祉をめぐる諸条件の変化に即応して、それぞれ福祉専門職として期待されている役割を果たすことができるよう、適切な養成・確保に努めるとともに、社会福祉施設職員について、勤労条件等の改善、養成力の強化、潜在マンパワーの就業の促進を図ること。
七サービスの質の向上のため、利用者の意見を反映した客観的評価基準の策定に努めるとともに、第三者機関や評価システムの構築に努めること。
八社会福祉法人に対する規制及び助成については、公益法人、住民参加型民間団体、民間企業等他の事業主体との適切な競争が行われる条件の整備に十分配慮しつつ、社会環境の変化に応じた弾力的運営を図っていくこと。
九小規模作業所の法定施設への移行に当たっては、地域の実情を踏まえ、円滑に移行が行われるよう、運営の安定化に向けた財政的支援に十分配慮すること。
十さまざまな需要に応える多様な民間のサービス提供主体の参入が促進されるよう環境整備に努めること。
十一幅広い国民の社会福祉に関する活動への参加を促進するため、NPOやボランティア活動等の住民参加型福祉サービスが円滑に行われるよう基盤整備づくりを推進すること。
十二地域福祉計画の策定に当たっては、各福祉分野における個別計画との整合性に留意することとし、地域におけるサービス提供基盤の整備や保健・医療・介護分野との連携システムを確立するため、数値目標の設定も視野に入れ、全市町村が速やかに策定できるよう、地方分権の趣旨を踏まえつつ、財政的、技術的な支援を講じること。
十三地域福祉を推進するため、社会福祉協議会は、地域住民の意向を的確に反映することができるよう広く住民の参加を求め、組織の強化、運営の適正化を図ることにより、その活動の一層の充実に努めるとともに、他機関・団体との積極的な連携により、必要に応じた福祉サービスの利用が容易にできる地域環境づくりを進めていくこと。また、民生委員・児童委員については、地域における住民の多様な要望に応えられるよう、市町村との連携を図りつつ、年齢構成等その任命の在り方について配慮するとともに、委員に対する研修の強化を図ること。
十四福祉サービスの提供体制の確保等に関する国及び地方公共団体の責務が明確化されたことを踏まえ、利用者の多様な選択を可能にするよう、障害者プランの確実な推進を図るとともに、必要に応じてその見直しを行うなど、障害者福祉サービスの一層の拡充に努めること。特に、遅れの目立つ居宅生活支援事業、デイサービス事業及び居宅介護支援事業等の在宅サービスの充実を図ること。
十五障害者の自立を促進するため、所得保障及び雇用確保の在り方について速やかに検討を進めること。
十六社会福祉基礎構造改革を踏まえた今後の社会福祉の状況変化や規制緩和、地方分権の進展、介護保険の施行状況等を踏まえつつ、介護保険制度の施行五年後を目途とした同制度全般の見直しの際に、介護保険サービスを行う社会福祉事業や養護老人ホーム等今回法改正の対象とならなかった社会福祉事業の在り方、障害者に対するサービスの在り方及び生活保護の在り方について、十分検討を行うこと。
政府は、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一本法の施行に当たっては、これまでの措置制度の功罪を十分に認識し、事業者と対等な関係に立って利用者自らが福祉サービスを選択し決定できるよう、利用者、社会福祉事業者等の関係者への啓発と周知徹底を図ること。特に、福祉サービス利用援助事業、苦情解決制度、情報の提供及び公開等の利用者の権利を擁護し、サービス利用を支援するための仕組みが十分に機能するよう、社会福祉事業者への指導に努めること。また、地方公共団体が利用者に対するあっせん、調整、利用の要請を適切に行えるよう、その環境整備を図ること。
二障害者福祉サービスにおける支援費支給方式の導入に当たっては、障害者のサービス利用に支障をきたさないよう、指定事業者に応諾義務を課すなど必要な措置を講じるとともに、バウチャー方式を含め支給の在り方について検討を行うこと。また、利用者負担については、現行水準を上回ることのないよう十分配慮し、公費負担の後退を招かないようにするとともに、扶養義務者を算定の基礎に加えることの是非を含め、その基本的在り方の検討を行うこと。
三都道府県社会福祉協議会等が実施する福祉サービス利用援助事業については、成年後見制度との連携とNPOを始めとする多様な主体との提携が図られるとともに、利用者の代表を委員にするなど、運営適正化委員会の業務が公正、中立に行われるよう指導すること。また、社会福祉士とともに、専門員として精神保健福祉士の配置を積極的に行うなど、地域で暮らす知的障害者や精神障害者の権利擁護に努めること。
四福祉サービスの質の向上を図るため、利用者の意見を反映した客観的評価基準の策定に努めるとともに、早急に第三者機関や評価システムを構築すること。また、社会福祉士、介護福祉士及び社会福祉主事の適切な養成・確保に努めるとともに、社会福祉施設職員について、勤労条件等の改善、潜在マンパワーの就業の促進等を図ること。
五社会福祉法人に対する規制及び助成については、公益法人、住民参加型民間団体、民間企業等他の事業主体との適切な競争が行われる条件の整備に十分配慮しつつ、弾力的運営を図っていくこと。また、多様な民間のサービス提供主体の参入が促進されるよう環境整備に努めるとともに、NPOやボランティア活動等の住民参加型福祉サービスが円滑に行われるよう基盤整備を推進すること。
六利用者の多様な福祉サービスの選択を可能にするよう、障害者プランの着実な推進を図るとともに、著しく立ち遅れている精神障害者の福祉サービスの拡充のための見直しを行うなど、障害者福祉サービスの一層の充実に努めること。特に、居宅生活支援事業、デイサービス事業及び居宅介護支援事業等の在宅サービスの充実を図ること。また、身体障害者、知的障害者及び精神障害者のために地域においてきめ細かい福祉サービスを提供している小規模作業所の法定施設への移行に当たっては、運営の安定化に向けた財政的支援に十分配慮すること。
七地域福祉計画の策定に当たっては、各分野における個別計画との整合性に留意し、数値目標の設定も視野に入れ、全市町村が速やかに策定できるよう、財政的、技術的な支援を講じること。また、社会福祉協議会が、広く住民の参加を求めるとともに、他機関・団体との積極的な連携により、組織の強化、運営の適正化を図るよう指導すること。さらに、民生委員・児童委員については、任務の遂行、活動費の使用方法などの実態を調査し、また、年齢構成等その任命の在り方について配慮するとともに、委員に対する研修の強化を図ること。
八障害者の自立を促進するため、所得保障及び雇用確保の在り方について速やかに検討を進めること。
九家庭内暴力を始め、女性の性に対する侵害に関して、婦人相談所、婦人相談員、婦人保護施設が被害者に対応している現状にかんがみ、現行のこれらの事業を社会福祉事業として位置付けるよう、所要の検討を行うこと。また、児童福祉法の枠内で対応されている被害女性について、女性福祉の観点で検討を行うこと。
十社会福祉基礎構造改革を踏まえた今後の社会福祉の状況変化や規制緩和、地方分権の進展、介護保険の施行状況等を踏まえつつ、介護保険制度全般の見直しの際に、介護保険サービスを行う社会福祉事業や養護老人ホーム、保育事業等今回法改正の対象とならなかった社会福祉事業の在り方、障害者に対するサービスの在り方及び生活保護の在り方について、十分検討を行うこと。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=114701050)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。