少年法等の一部を改正する法律案
参議院 法務委員会
平成12年法律第142号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院法務委員会
- H12.10.6趣旨説明法務委員会 115
- H12.10.10質疑法務委員会 2124
- H12.10.13参考人招致法務委員会 353
- H12.10.17参考人招致法務委員会 496
- H12.10.24質疑・修正案趣旨説明・修正案法務委員会 5267
- H12.10.25質疑法務委員会 6150
- H12.10.27参考人招致法務委員会 7190
- H12.10.31修正案趣旨説明・質疑・討論・採決・修正案・附帯決議法務委員会 8167
- H12.10.31採決・委員長報告・附帯決議本会議 825
- H12.11.28参議院回付案同意・参議院回付案本会議 1847
参議院法務委員会
- H12.11.8趣旨説明法務委員会 45
- H12.11.8趣旨説明・質疑本会議 760
- H12.11.9質疑法務委員会 5260
- H12.11.14質疑法務委員会 6152
- H12.11.16質疑法務委員会 7234
- H12.11.17参考人招致法務委員会 8137
- H12.11.24質疑・修正案趣旨説明・討論・附帯決議・採決(修正)・修正案法務委員会 9191
- H12.11.27委員長報告・採決(修正)・附帯決議本会議 1331
提案理由
麻生太郎 議員(発議者) 平成12年10月6日少年法等の一部を改正する法律案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明いたします。
近時、社会を震撼させる少年による凶悪重大犯罪が相次いで発生をいたしておりますのは、御存じのとおりです。昨今の少年犯罪の動向は極めて憂慮すべき状況にあることは、多くの方々の共通した認識であります。加えて、少年審判における事実認定手続のあり方が問われていると同時に、犯罪の被害者に対する配慮を求める声が高まりを見せております。このような問題に迅速かつ的確に対応することが喫緊の国民的課題であると存じます。この法律案は、このような状況を踏まえまして、所要の法整備を行おうとするものであります。
要点を申し上げます。
第一の柱は、少年及びその保護者に対し、その責任について一層の自覚を促し、少年の健全な成長を図るために、少年事件の処分等のあり方を見直すもので、次の点を主な内容といたしております。
その一は、刑事処分を可能とする年齢を、十六歳以上から十四歳以上に引き下げるものであります。
その二は、十六歳以上の少年が故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪を問われる場合は検察官への送致を原則とすることなど、凶悪重大犯罪を犯した少年に対する処分のあり方を見直すものであります。
その三は、家庭裁判所は、保護者に対し、訓戒などの措置をとることができるものとしております。また、審判は、懇切を旨とし、和やかに行うとともに、非行のある少年に対し自己の非行について内省を促すものでなければならないとするものであります。
第二の柱は、少年審判における事実認定手続の一層の適正化を図り、少年審判に対し、被害者を初め、国民からの信頼を維持、強化するための制度の導入であります。
その一は、家庭裁判所における少年審判等への裁定合議制度の導入であります。
その二は、事実認定手続に検察官が関与した審理を導入することであります。同時に、検察官が審判の手続に関与する場合において、少年に弁護士である付添人がない場合は、家庭裁判所が弁護士である付添人を付することであります。
その三は、事実認定及び法令の適用に関し、検察官の申し立てにより、高等裁判所が抗告を受理することができる制度を設けるものであります。
その四は、現行法上最長四週間とされている観護措置期間を、最長八週間までとることができるようにするものであります。
その五は、保護処分終了後における救済手続の整備であります。
第三の柱は、被害者に対する配慮を充実する制度の導入であります。
その一は、家庭裁判所が、被害者の申し出により、被害者側の意見を聴取する制度を導入するものであります。
その二は、家庭裁判所が、被害者に対し、少年審判の結果などを通知する制度を導入するものであります。
その三は、被害者に対し、一定の範囲で非行事実に係る記録の閲覧またはその謄写を認めることを可能とするものであります。
以上、要約して申し上げましたが、その他必要と認められる規定の整備を行うことといたしております。
以上が、この法律案の趣旨であります。
委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げ、説明を終わらせていただきます。(拍手)
第150回国会衆議院法務委員会議録第1号2頁(平成12年10月6日)〔麻生太郎議員発言・発言番号13〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点について格段の努力をすべきである。
一少年審判における事実認定手続及び検察官送致の在り方について、実務の運用を見ながら、今後とも検討を行うこと。
二観護措置期間を更に延長できるものとすることの要否について、実務の運用を見ながら、引き続き検討を行うこと。
三少年法の適用年齢を二十歳に満たない者から十八歳に満たない者に引き下げることについて、時代の変遷、主要各国の現状、選挙権年齢等他法令に定めるその他の年齢区分との均衡を勘案しつつ、検討を行うこと。
四悪質重大な少年事件で、社会的に正当な関心事であるものにつき、少年に係る記事等の掲載の禁止を定める少年法第六十一条に例外規定を設けることについて、司法判断等の動向をも踏まえ、検討を行うこと。
五少年の健全育成及び非行防止のための施策並びに非行少年の更生保護など社会復帰のための施策を充実・強化すること。
政府は、次代を担う少年の健全育成に関する総合的な施策を充実、強化するとともに、本法の施行に当たっては、次の諸点について格段の努力をすべきである。
一少年審判における事実認定手続及び検察官送致の在り方については、少年法の本旨及び実務の運用を踏まえて、今後とも検討を行うこと。
二刑事処分可能年齢を十四歳に引き下げることに伴い、少年受刑者の教育的観点を重視した処遇に十分配慮し、矯正処遇の人的・物的体制の充実・改善に努めること。
三観護措置期間の上限の在り方については、実務の運用を見ながら引き続き検討すること。
四公的付添人制度の在り方については、国選による制度や法律扶助制度等を勘案しつつ、鋭意検討すること。
五少年法の適用年齢については、選挙権年齢等の成年年齢の在り方、世論の動向、時代の変遷、主要各国の現状、婚姻年齢等他の法令に定める年齢区分との均衡等を勘案しつつ、鋭意検討を行うこと。
六悪質重大な少年事件等、社会的に関心を集める事件については、少年のプライバシーの保護の重要性に配慮しつつ、犯罪原因を究明し、同様の犯罪の防止に資する方策及び少年法第六十一条の在り方についての研究に努めること。
七少年事件における家庭裁判所の役割が重要であることにかんがみ、調査体制の充実等その機能の拡充に努めるとともに、少年問題に関する地域的ネットワークの構築等にも努めること。
八被害者の保護については、法整備を含め、関係省庁の密接な連携の下、精神的・経済的支援などの総合的な施策の更なる推進に努めるとともに、諸外国において実施されている修復的司法について、その状況を把握し、必要な措置を検討すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=115002003)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。