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閣法第164回国会 第2号成立修正あり

石綿による健康被害の救済に関する法律案

平成18年法律第4号 石綿による健康被害の救済に関する法律
提出平成18年1月20日 内閣
付託衆議院 環境委員会
参議院 環境委員会
成立
平成18年法律第4号
審議会議 7回・発言 713(政府答弁等 299)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院環境委員会

  1. H18.1.27趣旨説明・質疑環境委員会 1367
  2. H18.1.27趣旨説明・質疑本会議 415
  3. H18.1.31質疑・修正案趣旨説明・討論・採決・附帯決議・修正案環境委員会 256
  4. H18.1.31委員長報告・討論・採決本会議 556

参議院環境委員会

  1. H18.2.2趣旨説明環境委員会 112
  2. H18.2.3質疑・修正案趣旨説明・討論・採決・附帯決議・修正案環境委員会 2245
  3. H18.2.3委員長報告・討論・採決・附帯決議本会議 444

提案理由

小池百合子 環境大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策) 平成18年1月27日

 初めに、石綿による健康被害の救済に関する法律案について御説明申し上げます。

 石綿による健康被害については、国民の生命や健康に影響を及ぼすものであることから、すき間のない健康被害者の救済、今後の被害を未然に防止するための対応等を適切に実施していくことが必要であります。

 このため、平成十七年七月以来、政府部内においてアスベスト問題に関する関係閣僚による会合が開催され、同年十二月二十七日に開催された第五回となる同会合において、「アスベストによる健康被害者のうち、既存の法律で救済されない被害者を隙間なく救済するための新たな法的措置として、「石綿による健康被害の救済に関する法律案」を、平成十八年の通常国会の冒頭に提出するとともに、法案成立後はその速やかな施行に努める」こととされたところです。

 このような経緯を踏まえ、石綿が長期間にわたって我が国の経済活動全般に幅広くかつ大量に使用されてきた結果、多数の健康被害が発生してきている一方で、石綿に起因する健康被害については、長期にわたる潜伏期間があって因果関係の特定が難しく、現状では救済が困難であるという特殊性にかんがみ、石綿による健康被害者であって労災補償等による救済の対象とならないものを対象とし、事業者、国及び地方公共団体が全体で費用負担を行い、石綿による健康被害者の間にすき間を生じないよう迅速かつ安定した救済制度を実現するため、本法律案を提出した次第であります。

 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。

 第一に、労災補償等による救済の対象とならない者に対する救済給付の支給についてであります。

 石綿を吸入することにより指定疾病にかかった旨の認定を受けた者及びその遺族に対し、医療費、療養手当、葬祭料、特別遺族弔慰金、特別葬祭料及び救済給付調整金を支給することとし、その費用については、独立行政法人環境再生保全機構に石綿健康被害救済基金を設け、事業者、国及び地方公共団体が全体で負担することとします。

 第二に、労災補償を受けずに死亡した労働者の遺族に対する特別遺族給付金の創設であります。

 指定疾病等により死亡した労働者の遺族であって、労働者災害補償保険法の規定による遺族補償給付を受ける権利が時効によって消滅した者に対し、その請求に基づき、特別遺族年金または特別遺族一時金を支給することとし、その費用は労働保険特別会計労災勘定の負担とすることとします。

 なお、この法律は、一部を除き平成十八年三月三十一日までの間において政令で定める日から施行することとしております。

 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。

 引き続き、石綿による健康等に係る被害の防止のための大気汚染防止法等の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。

 石綿による健康被害に係る問題については、平成十七年七月以来、政府部内においてアスベスト問題に関する関係閣僚による会合が開催され、同年十二月二十七日に開催された第五回となる同会合において、「アスベスト問題に係る総合対策」が取りまとめられたところです。この間、すき間のない健康被害者の救済等とあわせ、今後の被害を未然に防止するための対応について関係各省において検討が行われ、大気汚染防止法、地方財政法、建築基準法及び廃棄物の処理及び清掃に関する法律の四法律について改正を図ることが、総合対策に盛り込まれるに至っております。

 このような経緯を踏まえ、石綿の飛散等による人の健康または生活環境に係る被害を防止するため、これら四法律を一括して改正する本法律案を提出した次第であります。

 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。

 第一に、大気汚染防止法の一部改正であります。

 石綿粉じんによる大気汚染の防止を徹底するため、石綿が使用されている建築物に加え、石綿が使用されている工作物についても解体作業等による石綿粉じんの飛散を防止する対策を義務づけることとします。

 第二に、地方財政法の一部改正であります。

 地方公共団体が行う公共施設等に係る石綿の除去に要する経費について、当分の間、地方債をもってその財源とすることができることとします。

 第三に、建築基準法の一部改正であります。

 石綿の飛散に対する衛生上の措置として、建築物は、建築材料に石綿を添加しないこと等の基準に適合するものとしなければならないこととします。

 第四に、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部改正であります。

 今後大量に発生することが見込まれる、石綿が含まれる廃棄物の迅速かつ安全な処理を促進するため、高度な技術により無害化処理を行う者について、環境大臣が認定する特例制度を創設することとします。

 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

第164回国会衆議院環境委員会議録第1号3頁(平成18年1月27日)〔小池百合子環境大臣発言・発言番号7〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

衆議院 環境委員会平成18年1月31日

案文を朗読して説明にかえさせていただきます。石綿による健康被害の救済に関する法律案に対する附帯決議(案)政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。

一指定疾病については、中皮腫及び肺がん以外の疾病についても被害の実態の把握に努め、必要に応じて対象に加えること。

二石綿に暴露した可能性のある周辺住民に対する健康相談及び問診の実施や、さらに医学的に必要と認められる住民に対する定期的な経過観察等、健康管理対策を図るよう努めること。

三本法に基づく政令の制定に当たっては、国会における論議を踏まえ、被害者救済の趣旨が損なわれないよう十分に留意すること。

四中皮腫について、臨床データを収集・共有するための情報システムの整備等、早期診断・治療法の開発のための基盤整備を行うこと。

五石綿関連疾患にかかった労働者については、今後、労働者災害補償保険法による保険給付を受ける権利が時効により消滅することがないよう、労使や医療関係者等に対する効果的な周知活動を行うこと。

六政府は、石綿による健康被害の実態について十分調査・把握し、本制度の施行に反映させるよう努めること。

七政府は、本制度の施行状況につき毎年とりまとめて公表するとともに、併せて最新の医学的知見、海外の状況その他の情報の収集と因果関係の解明に努め、その結果を踏まえて、必要があれば、施行後五年を待たずとも本制度について適宜適切に所要の見直しを行うものとする。

参議院 環境委員会平成18年2月3日

政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。

一政府は、アスベスト問題に関する過去の対応の検証結果を踏まえ、環境リスクへの予防的アプローチに基づく施策の在り方について検討するとともに、アジア・太平洋地域を視野に入れ、国際会議等を通じた知見や技術の共有化に努めること。

二過去の関係省庁間の連携が必ずしも十分であったとはいえなかったことを踏まえ、今後とも、関係省庁間の連携を確実なものとするため、アスベスト問題に関する関係閣僚による会合等により政府を挙げて総合的なアスベスト対策を推進すること。

三被害の未然防止の観点から、石綿による健康被害のような国民リスクの発見に、政府一丸となって取り組むこと。

四アスベスト疾患の早期発見・治療のため、専門医の育成など医療体制を充実するとともに、中皮腫に効果のある新薬の研究・開発を促進すること。さらに、診断治療・研究の向上のため、個人情報の保護に留意しつつ中皮腫患者等の情報の集積と中皮腫の発生動向の把握に努めること。

五アスベストによる健康被害についての国民の不安に対応するため、石綿健康被害医療手帳の対象とならない家族、周辺住民等のアスベストばく露者に対し、健康管理対策を図るほか、家族、周辺住民等への健康相談・診断の充実を図ること。

六指定疾病については、中皮腫及び肺がん以外の疾病についても被害の実態の把握に努め、必要に応じて対象に加えること。また、指定疾病の認定に当たっては、認定基準を明確にするとともに、認定を迅速に行うこと。

七政府は、救済制度の施行状況につき毎年とりまとめて公表するとともに、併せて最新の医学的知見、海外の状況その他の情報の収集と因果関係の解明に努め、その結果を踏まえて、必要があれば、施行後五年を待たずとも同制度について適宜適切に所要の見直しを行うこと。

八アスベストの使用実態調査を継続し、国民に情報開示をするとともに、建築物等のアスベストの除去や解体について、低コストで安全な技術・工法の早期確立及び普及を図ること。また、学校、医療などの公共施設等におけるアスベストの除去などの対策を推進するとともに、民間施設も含め適切な財政上・金融上の措置を講ずること。

九大気中のアスベスト濃度測定の結果を踏まえ、大気汚染防止法による建築物の解体現場における規制基準等を適宜見直すことについて検討すること。

十アスベストを使用した建築物の老朽化により、今後アスベスト廃棄物が大量に発生する可能性があることから、アスベスト廃棄物の無害化処理を促進するとともに、アスベスト廃棄物の不適正処理対策を強化すること。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=116401002)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。