TaiLexi AI日本の判例・法令
国会審議›第177回国会›閣法第30号
閣法第177回国会 第30号成立修正あり

家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案

平成23年法律第16号 家畜伝染病予防法の一部を改正する法律
提出平成23年3月4日 内閣
付託衆議院 農林水産委員会
参議院 農林水産委員会
成立
平成23年法律第16号
審議会議 7回・発言 649(政府答弁等 278)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院農林水産委員会

  1. H23.3.9趣旨説明農林水産委員会 3255
  2. H23.3.10質疑農林水産委員会 4276
  3. H23.3.22修正案趣旨説明・採決(修正)・附帯決議・修正案農林水産委員会 518
  4. H23.3.22委員長報告・採決(修正)本会議 1023

参議院農林水産委員会

  1. H23.3.24趣旨説明・衆議院修正部分趣旨説明農林水産委員会 2168
  2. H23.3.25質疑・採決・附帯決議農林水産委員会 3303
  3. H23.3.29委員長報告・採決本会議 830

提案理由

鹿野道彦 農林水産大臣 平成23年3月9日

家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。

 家畜防疫は、畜産の振興及び畜産物の安定供給を図る上で重要な役割を担っておりますが、近年、アジア諸国において口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザが続発している中で、家畜防疫の重要性は著しく高まっています。

 こうした中で、昨年四月に宮崎県で発生が確認された口蹄疫は、二十九万頭に及ぶ牛、豚の殺処分を行うなど、地域の経済社会に大きな影響を与えました。

 この口蹄疫対策を検証するために設置された第三者から成る口蹄疫対策検証委員会は昨年十一月に報告書を取りまとめましたが、この報告書の内容や、昨年十一月以来の高病原性鳥インフルエンザの発生状況等を踏まえて、家畜伝染病の発生の予防、早期の通報、迅速な初動等に重点を置いて家畜防疫体制を強化するため、この法律案を提出することとした次第であります。

 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。

 第一に、国と都道府県等との役割分担について、防疫方針の策定及び改定は国が責任を持って行い、それに基づく具体的措置は都道府県が中心となって行うこと、都道府県の具体的措置の実施に関して国が援助を行うことを明確化することとしております。

 第二に、国の定める防疫指針について、最新の科学的知見や国際的動向を踏まえて、少なくとも三年ごとに再検討を加えることとしております。

 第三に、我が国へのウイルスの侵入防止措置について、空港や港において、海外からの入国者に対して質問を行ったり、その携帯品の検査、消毒を行うことができるようにするとともに、航空会社、空港などに対して協力を求めることができることとしております。

 第四に、畜産農家におけるところのウイルス侵入防止措置について、家畜の所有者に対し飼養衛生管理の状況等についての定期的な報告を義務づけるとともに、畜舎等への消毒設備の設置や、人や車両の出入りに際しての消毒を義務づけることとしております。

 第五に、発生時に備えた準備について、家畜の所有者が遵守するべき飼養衛生管理基準の中に埋却地の確保についても規定するとともに、都道府県知事は、家畜の焼却または埋却が的確かつ迅速に実施されるようにするため、埋却地の確保に関する情報の提供その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならないものとしております。

 第六に、患畜の早期の発見、通報について、国が定める一定の症状を呈している家畜を発見した獣医師または所有者に対し、都道府県知事への通報を義務づけることといたしております。

 第七に、国の財政支援について、口蹄疫、高病原性鳥インフルエンザ等の患畜等の所有者に対しては特別手当金を交付し、通常の手当金と合わせて評価額全額の交付を行うこととするとともに、家畜伝染病の発生または蔓延を防止するために必要な措置を講じなかった者に対しては手当金の全部または一部を交付せず、または返還させることとしております。

 第八に、口蹄疫の急速かつ広範囲の蔓延を防止するためにやむを得ないときは、患畜及び疑似患畜以外の家畜の殺処分を行えるものとし、その場合、国は補償しなければならないものとしております。

 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。

 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願いを申し上げます。

第177回国会衆議院農林水産委員会議録第3号32頁(平成23年3月9日)〔鹿野道彦農林水産大臣発言・発言番号251〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

衆議院 農林水産委員会平成23年3月22日

東日本大震災により我が国の農林水産業は過去に例のない甚大な被害を受けた。一日も早い復興のため全力を尽くすべきである。こうした中、口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザ等の家畜伝染病の発生が国内外で相次いでおり、政府は、本法の施行に当たり、実効ある家畜防疫体制を早急に整備するため、左記事項の実現に万全を期すべきである。記

一特定家畜伝染病(口蹄疫、BSE、豚コレラ、高病原性鳥インフルエンザ)が発生した場合には、農林水産省に対策本部を設置すること。また、都道府県にも対策本部が設置されるよう、必要な措置を講ずること。

二都道府県が管理する種雄牛等について、緊急時に備えた分散飼育が行われるよう、必要な措置を講ずること。

三家畜伝染病の発生国からの入国者と畜産業従事者が直接接触する可能性の高い施設における防疫措置の重要性に鑑み、宿泊施設、観光施設等において、消毒その他の必要な防疫措置が確実に実施されるよう、必要な措置を講ずること。

四家畜防疫官の増員をはじめとする水際対策に係る体制の強化について、必要な措置を講ずること。

五家畜の所有者が迅速に手当金の交付を受けることができるよう、必要な措置を講ずること。

六都道府県により消毒薬等の防疫のために必要な物品の備蓄が適切に行われるよう、必要な財政的支援等を行うこと。

七都道府県が必要な員数の家畜防疫員を確保することができるよう、必要な財政的支援を行うこと。

八家畜の所有者等に対する手当金等について、口蹄疫対策特別措置法に基づいて実施された措置を踏まえ、必要な税制上の措置を講ずること。

九特定家畜伝染病に関し、家畜市場の自主的な開催の停止等により家畜の所有者に生じた損失の補てんについて、口蹄疫対策特別措置法に基づいて実施された措置を踏まえ、必要な措置を講ずること。

十特定家畜伝染病がまん延した場合における生産者等の経営及び生活再建等について、口蹄疫対策特別措置法に基づいて実施された措置と同様の十分な経済的支援がなされるよう、必要な措置を講ずること。

十一国の防疫対応において重要な役割を果たす動物衛生研究所については、国の機関として位置付け、また、体制を強化していくことについて検討すること。

十二国家防疫という観点から産業動物に関する獣医療体制を実効あるものとするため、獣医学系大学における産業動物に関する実習の強化、獣医師免許取得後の産業動物に関する研修の強化等の措置を講ずること。また、獣医師以外の獣医療に従事する者の資格(動物看護師など)の制度化について検討すること。

十三野鳥、天然記念物等家畜以外の動物が特定家畜伝染病にかかっていることが発見された場合に家畜への感染を防止するため必要な措置を迅速に講ずることができるよう、文化財保護法、博物館法、動物の愛護及び管理に関する法律、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律等について、早期に検討を行い必要な見直しを行うこと。

参議院 農林水産委員会平成23年3月25日

東日本大震災により我が国の農林水産業は過去に例のない甚大な被害を受けた。一日も早い復興のため全力を尽くすべきである。こうした中、口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザ等の家畜伝染病の発生が国内外で相次いでおり、政府は、本法の施行に当たり、実効ある家畜防疫体制を早急に整備するため、次の事項の実現に万全を期すべきである。

一特定家畜伝染病(口蹄疫、BSE、豚コレラ、高病原性鳥インフルエンザ)が発生した場合には、農林水産省に対策本部を設置すること。また、都道府県にも対策本部が設置されるよう、必要な措置を講ずること。

二都道府県が管理する種雄牛等について、緊急時に備えた分散飼育が行われるよう、必要な措置を講ずること。

三家畜伝染病の発生国からの入国者と畜産業従事者が直接接触する可能性の高い施設における防疫措置の重要性に鑑み、宿泊施設、観光施設等において、消毒その他の必要な防疫措置が確実に実施されるよう、必要な措置を講ずること。

四家畜防疫官の増員をはじめとする水際対策に係る体制の強化について、必要な措置を講ずること。

五家畜の所有者が迅速に手当金の交付を受けることができるよう、必要な措置を講ずること。

六都道府県により消毒薬等の防疫のために必要な物品の備蓄が適切に行われるよう、必要な財政的支援等を行うこと。

七都道府県が必要な員数の家畜防疫員を確保することができるよう、必要な財政的支援を行うこと。

八家畜の所有者等に対する手当金等について、口蹄疫対策特別措置法に基づいて実施された措置を踏まえ、必要な税制上の措置を講ずること。

九特定家畜伝染病に関し、家畜市場の自主的な開催の停止等により家畜の所有者に生じた損失の補てんについて、口蹄疫対策特別措置法に基づいて実施された措置を踏まえ、必要な措置を講ずること。

十特定家畜伝染病がまん延した場合における生産者等の経営及び生活再建等について、口蹄疫対策特別措置法に基づいて実施された措置と同様の十分な経済的支援がなされるよう、必要な措置を講ずること。

十一国の防疫対応において重要な役割を果たす動物衛生研究所については、国の機関として位置付け、また、体制を強化していくことについて検討すること。

十二国家防疫という観点から産業動物に関する獣医療体制を実効あるものとするため、獣医学系大学における産業動物に関する実習の強化、獣医師免許取得後の産業動物に関する研修の強化等の措置を講ずること。また、獣医師以外の獣医療に従事する者の資格(動物看護師など)の制度化について検討すること。

十三野鳥、天然記念物等家畜以外の動物が特定家畜伝染病にかかっていることが発見された場合に家畜への感染を防止するため必要な措置を迅速に講ずることができるよう、文化財保護法、博物館法、動物の愛護及び管理に関する法律、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律等について、早期に検討を行い必要な見直しを行うこと。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=117701030)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。