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閣法第177回国会 第31号成立

民法等の一部を改正する法律案

平成23年法律第61号 民法等の一部を改正する法律
提出平成23年3月4日 内閣
付託衆議院 法務委員会
参議院 法務委員会
成立
平成23年法律第61号
審議会議 13回・発言 1,127(政府答弁等 433)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院法務委員会・法務委員会青少年問題に関する特別委員会連合審査会

  1. H23.4.13趣旨説明法務委員会 5236
  2. H23.4.15質疑法務委員会 6101
  3. H23.4.19質疑法務委員会 7170
  4. H23.4.20質疑法務委員会青少年問題に関する特別委員会連合審査会 1181
  5. H23.4.20参考人招致・参考人質疑法務委員会 853
  6. H23.4.26質疑・採決・附帯決議法務委員会 9180
  7. H23.4.28委員長報告・採決本会議 1749

参議院法務委員会

  1. H23.5.12趣旨説明法務委員会 9101
  2. H23.5.17質疑法務委員会 10123
  3. H23.5.19参考人招致・参考人質疑法務委員会 1168
  4. H23.5.24質疑法務委員会 1298
  5. H23.5.26質疑・採決・附帯決議法務委員会 13134
  6. H23.5.27委員長報告・採決本会議 1827

提案理由

江田五月 法務大臣 平成23年4月13日

民法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。

 近年、児童虐待は、深刻な社会問題となっており、これまでもさまざまな取り組みが行われてきましたが、児童虐待を行う親に対しては、必要に応じて適切に親権を制限すべき場合があるとの指摘がされております。

 平成十九年に成立した児童虐待の防止等に関する法律及び児童福祉法の一部を改正する法律においても、その附則第二条第一項で、政府は、「児童虐待の防止等を図り、児童の権利利益を擁護する観点から親権に係る制度の見直しについて検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるもの」とされております。

 この法律案は、以上のような経緯等を踏まえ、児童虐待の防止等を図り、児童の権利利益を擁護する観点から、民法、児童福祉法その他の法律を改正し、所要の法整備を行おうとするものであります。

 この法律案の要点は、次のとおりであります。

 まず、民法につきましては、第一に、二年以内の期間に限って親権を行うことができないようにする親権の停止制度を創設するとともに、子の親族及び検察官のほか、子、未成年後見人及び未成年後見監督人も、家庭裁判所に対し、親権喪失、親権停止または管理権喪失の審判の請求をすることができることとしております。

 第二に、家庭裁判所が未成年後見人に適任者を選任することができるようにするため、複数または法人の未成年後見人の選任を可能とするための所要の規定の整備を行うとともに、その選任に当たり家庭裁判所が考慮すべき事情を明記することとしております。

 第三に、親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負うこととするなど、親権が子の利益のために行われるべきものであることを明確にするための所要の規定の整備を行うこととしております。

 次に、児童福祉法につきましては、第一に、児童相談所長は、家庭裁判所に対し、親権喪失のほか、親権停止または管理権喪失の審判の請求もすることができることとしております。

 第二に、児童相談所長が、一時保護中の児童について、その監護等に関し、その児童の福祉のため必要な措置をとることができることを明らかにするとともに、児童等の親権を行うものまたは未成年後見人は、児童福祉施設の長、里親等または児童相談所長が入所中、受託中または一時保護中の児童等についてとる措置を不当に妨げてはならないこととしております。

 第三に、児童相談所長は、一時保護中または里親等に委託中の児童等で親権を行う者または未成年後見人のないものに対し、親権を行う者または未成年後見人があるに至るまでの間、親権を行うこととしております。

 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、この法律案の趣旨でございます。

 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに可決していただきますようお願いいたします。

第177回国会衆議院法務委員会議録第5号32頁(平成23年4月13日)〔江田五月法務大臣発言・発言番号232〕 会議録 国会会議録検索システム

立法資料のある条文

この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)

附帯決議

衆議院 法務委員会平成23年4月26日

政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。

一親権停止制度については、改正の趣旨の周知、関係機関の体制の整備、家庭裁判所と児童相談所の連携の強化など、制度の円滑な実施に必要な措置を講ずること。

二親権停止の請求については、児童等の利益の確保のため、児童相談所長による請求が適切に行われるよう努めるとともに、請求に必要な調査への協力など、児童相談所に対する支援体制の充実に努めること。

三親権停止期間中における児童相談所による保護者指導など、親子の再統合のための取組みの充実に努めるとともに、保護者指導に関する家庭裁判所の保護者への勧告制度の創設について検討を行うこと。

四未成年後見制度については、未成年後見人の報酬に対する公的支援、職務に伴う損害賠償責任に関する保険料の負担に対する支援等、制度の利用の支援のために必要な措置を講ずること。

五離婚後の面会交流及び養育費の支払い等については、児童の権利利益を擁護する観点から、離婚の際に取決めが行われるよう、明文化された趣旨の周知に努めること。また、その継続的な履行を確保するため、面会交流の場の確保、仲介支援団体等の関係者に対する支援、履行状況に関する統計・調査研究の実施など、必要な措置を講ずること。

六親権制度については、今日の家族を取り巻く状況、本法施行後の状況等を踏まえ、協議離婚制度の在り方、親権の一部制限制度の創設や懲戒権の在り方、離婚後の共同親権・共同監護の可能性を含め、その在り方全般について検討すること。

七児童相談所長、児童福祉施設の長又は里親等が一時保護中、入所中又は受託中の児童等について行う必要な措置については、個別の事案に適切に対応しうるよう、親権者による不当な主張の判断基準を具体的に示して、関係者に周知を図るとともに、関係者に対する研修の実施など、関係者の資質の向上を図ること。

八児童虐待の防止等のため、子育てに関する相談・支援体制の充実、虐待通告窓口の周知徹底等、関係する施策の充実・強化に努めること。

九児童の社会的養護については、里親制度の周知及び活用、施設の小規模化の推進など、家庭的環境における養護の推進に引き続き取り組むとともに、施設退所後の自立支援、孤立防止のための相談・支援体制の構築に努めること。

十強制入所措置がとられ、かつ、面会通信を全部制限する行政処分がなされている場合に限定されている保護者に対する接近禁止命令の対象の在り方について、更なる検討を行うこと。

十一東日本大震災により親権者等が死亡し又は行方不明となった児童等について、未成年後見制度、親族里親制度等の活用により適切な監護が行われるよう必要な支援を行うこと。

参議院 法務委員会平成23年5月26日

政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。

一親権停止制度の適正な運用を図るため、改正趣旨の周知徹底はもちろん、児童相談所・家庭裁判所等関係諸機関の体制整備及び相互の連携強化等必要な措置を講ずること。

二親権停止の請求が児童等の利益を確保するため行われるものであることに留意し、児童相談所長による請求が適切に行われるように調査への協力等必要な支援体制を講ずること。

三親権停止期間中における児童相談所の保護者指導等、親子の再統合の取組の支援に努めるとともに、児童相談所の体制整備や家庭裁判所の保護者への勧告制度等、支援充実のために必要な検討を行うこと。

四施設入所等の措置がとられた児童の退所後、再び児童虐待が行われ、又は再び入所等の措置がとられた事例について、速やかにその実態を把握すること。また、児童相談所長が親権喪失等の審判の取消しの請求を行うに当たっては、児童等の利益を確保するため、当該実態を十分に踏まえてその判断を行うこと。

五児童相談所長、児童福祉施設の長又は里親等が一時保護中、入所中又は受託中の児童等について行う必要な措置については、個別の事案に適切に対応し得るよう、親権者による不当な主張の判断基準の具体的内容及び事例等を示したガイドラインを速やかに作成し、関係者にその周知徹底を図るとともに、研修の実施など支援体制の充実に努めること。

六未成年後見制度の円滑な運用を図るため、未成年後見人の報酬に対する公的支援、職務に伴う損害賠償責任に関する保険料の負担に対する支援等必要な措置を講ずること。

七親権制度については、今日の家族を取り巻く状況や本法施行後の状況等を踏まえ、懲戒権の在り方やその用語、離婚時の親権の決定方法、親権の一部制限の是非、離婚後の共同親権・共同監護の可能性など、多様な家族像を見据えた制度全般にわたる検討を進めていくこと。

八児童虐待の防止等のため、子育てに関する相談・支援体制の充実、虐待通告窓口の充実・強化等に努めるとともに、保護者に対する接近禁止命令の在り方について更なる検討を行うこと。

九児童の社会的養護について、里親制度の周知及び活用、家庭的環境における養護の推進に引き続き取り組むとともに、親族里親への支援、施設退所後の自立支援に必要な支援体制等の構築に努めること。

十東日本大震災により親権者等が死亡し又は行方不明となった児童等について、その健全な生育と利益の確保のため、未成年後見制度、親族里親制度等の活用を含め、適切な監護が行われるよう万全の支援を行うこと。

十一離婚後の面会交流及び養育費の支払い等について、児童の権利利益を擁護する観点から、離婚の際に取決めが行われるように明文化された趣旨の周知に努めるとともに、面会交流の円滑な実現及び継続的な養育費支払い等の履行を確保するための制度の検討、履行状況に関する統計・調査研究の実施等、必要な措置を講ずること。

十二本法の施行後、親権停止制度の運用状況について、裁判所等関係機関から情報を収集するなどして、当分の間一年ごとに当委員会に対し報告すること。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=117701031)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。