TaiLexi AI日本の判例・法令
国会審議›第180回国会›閣法第81号
閣法第180回国会 第81号成立修正あり

災害対策基本法の一部を改正する法律案

平成24年法律第41号 災害対策基本法の一部を改正する法律
提出平成24年5月18日 内閣
付託衆議院 災害対策特別委員会
参議院 災害対策特別委員会
成立
平成24年法律第41号
審議会議 5回・発言 308(政府答弁等 122)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院災害対策特別委員会

  1. H24.6.14趣旨説明災害対策特別委員会 7139
  2. H24.6.19質疑・修正案趣旨説明・採決(修正)・附帯決議・修正案災害対策特別委員会 8152
  3. H24.6.19委員長報告・採決(修正)本会議 2624

参議院災害対策特別委員会

  1. H24.6.20趣旨説明・衆議院修正部分趣旨説明・質疑・採決・附帯決議災害対策特別委員会 7130
  2. H24.6.20委員長報告・採決本会議 1791

提案理由

中川正春 内閣府特命担当大臣(「新しい公共」・防災・男女共同参画) 平成24年6月14日

ただいま議題となりました災害対策基本法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 平成二十三年三月十一日に発生いたしました東日本大震災は、その被害が甚大で、かつ、その被災地域が広範にわたるものでありました。現在、政府におきましては、東日本大震災から得られた教訓を今後に生かすため、検証及び総括を行っているところでありますが、本法律案は、いつ起こるかわからない災害に備えるため、大規模広域な災害時における対応の円滑化、迅速化等緊急に措置を要するものについて、法制化することを目的とするものであります。

 以上が、この法律案を提出する理由であります。

 次に、本法律案の内容について、その概要を御説明いたします。

 第一に、発災時における積極的な情報の収集、伝達、共有の強化についてであります。

 市町村が被害状況の報告ができなくなった場合に都道府県がみずから情報収集のための必要な措置を講ずべきこと、国、地方公共団体等が情報を共有し相互に連携して対策の実施に努めなければならないこととしております。

 第二に、地方公共団体間の応援に係る対象業務の拡大等についてであります。

 被災した地方公共団体への支援を強化するため、地方公共団体相互間の応援の対象を緊急性の極めて高い応急措置から災害応急対策一般に拡大するとともに、都道府県知事は、応援の要求等のみによっては応援が円滑に実施されないと認めるときは、内閣総理大臣に対し、他の都道府県知事に対し災害が発生した都道府県の知事等を応援することを求めるよう求めることができることとするなど、都道府県、国による調整規定の拡充、新設を行うこととしております。

 第三に、地方公共団体間の相互応援等を円滑化するための平素の備えの強化についてであります。

 他の主体との相互応援が円滑に行われるよう、国、地方公共団体、民間事業者も含めた各防災機関は、あらかじめ、地域防災計画等において相互応援や広域での被災住民の受け入れを想定する等の必要な措置を講ずるよう努めなければならないこととしております。

 第四に、救援物資等を被災地に確実に供給する仕組みの創設についてであります。

 都道府県知事は指定行政機関の長等に対し、市町村長は都道府県知事に対し、災害応急対策の実施に必要な物資等の供給について必要な措置を講ずるよう要請等することができることとするとともに、指定行政機関の長等または都道府県知事は、緊急を要するときは、要請等を待たずみずからの判断で必要な措置を講ずることができることとしております。また、指定行政機関の長等または都道府県知事は、緊急の必要があるときは、運送事業者である指定公共機関等に対し指示等することができることとしております。

 第五に、市町村、都道府県の区域を越える被災者の受け入れに関する調整規定の創設であります。

 広域での被災住民の受け入れが円滑に行われるよう、市町村長は、被災住民の居住の場所を確保することが困難な場合等において、被災住民の受け入れについて他の市町村長に協議できることとするとともに、市町村長からの要求に基づき、都道府県知事は、被災住民の受け入れについて他の都道府県知事と協議しなければならないこととしております。

 また、都道府県知事または内閣総理大臣は、市町村長または都道府県知事から求められたときは、協議の相手方その他広域一時滞在に関する事項について助言しなければならないこととしております。

 第六に、教訓伝承及び防災教育に係る規定の新設、強化等による防災意識の向上についてであります。

 国民の防災意識の向上を図るため、住民の責務として、災害教訓を伝承することを明記するとともに、国、地方公共団体、民間事業者も含めた各防災機関において防災教育の実施に努めなければならないこととしております。

 第七に、国と地方公共団体の防災会議と災害対策本部の役割の明確化等、組織の見直しについてであります。

 災害対応は災害対策本部が担うことを明確化する一方で、地方防災会議の所掌事務に、地方公共団体の長の諮問に応じて防災に関する重要事項を審議すること等を追加するとともに、多様な主体の意見が反映されるよう、自主防災組織を構成する者または学識経験者を会議の委員として追加すること等の見直しを行うこととしております。

 このほか、所要の規定の整備を行うとともに、今後の政府の取り組み方針を明らかにするために、附則において、東日本大震災から得られた教訓を今後に生かすため、東日本大震災に対してとられた措置の実施の状況を引き続き検証し、防災に関する制度のあり方について所要の法改正を含む全般的な検討を加え、速やかに必要な措置を講ずるものとしております。

 以上が、本法律案の提案理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。

 ありがとうございました。

第180回国会衆議院災害対策特別委員会議録第7号21頁(平成24年6月14日)〔中川正春内閣府特命担当大臣(「新しい公共」発言・発言番号137〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

衆議院 災害対策特別委員会平成24年6月19日

政府は、東日本大震災の教訓を生かした災害対策基本法の第一段の改正となる本法の施行に当たり、左記事項の実現に万全を期するべきである。

一過去の災害からの教訓の伝承及び防災に関する教育の実施については、多様な主体による取組を推進するため、国による財政上の措置を含め、可能な限りの支援を行うこと。特に学校教育においては、災害発生時に児童・生徒が自ら適切な行動をとれるよう、自然災害及び避難等に関する正しい知識の習得並びに訓練の実施等に関し配慮すること。

一地理空間情報の活用については、都道府県及び市町村が十分に活用できるものとするため、情報の内容、共有及び利用方法等に留意してシステムを構築するなど、真に災害対策に有用な、実効性のあるものとするとともに、NPOやボランティアなど、災害に関与する団体及び個人を含め、広く国民に対する情報提供にも活用すること。

一応援の要求、広域一時滞在及び物資・資材の供給など、国及び都道府県による関与が充実強化されたものについては、適時適切な応援、被災住民の受入れ及び物資等の供給がなされるよう、その仕組みを十全に機能させること。

一円滑な応援の受入れ及び他者への応援については、災害発生時の初動対応において極めて重要であることから、都道府県及び市町村による広域的な協定の締結及び訓練の実施等が促進されるよう、国としても積極的に取り組むこと。

一救援物資等を被災地に確実に供給するためには、現在の国及び地方の指定公共機関である運送事業者だけでは運送の対象となる物資が限定されるなど、不十分なことが懸念されることから、指定公共機関の拡大を含め、運送事業者の指定の在り方について検討すること。

一国、都道府県及び市町村の防災会議の委員の任命については、女性、障がい者及び高齢者など、社会及び地域の実情に応じて多様な主体の参画が確保されるよう、今後とも制度及び運用の改善に努めること。

一今回の改正では、災害応急対策責任者や災害予防責任者など、国や地方の公的立場にある者の役割が強化されたが、東日本大震災では、NPOやボランティアなどが大きな役割を果たしたことから、災害の予防、災害からの復旧及び復興など、災害全般においてかかる主体の果たす役割についても、引き続き検討を進めること。

一これからの災害対策基本法改正に向けて、避難や減災など災害に対する基本的考え方をはじめ、防災会議や災害対策本部など組織の在り方、大規模災害発生時の災害緊急事態の布告の内容やその手続、さらに災害からの復興の進め方に至るまで、現行法のあらゆる問題点について迅速に検討を進め、必要な法案を策定し、提出すること。

参議院 災害対策特別委員会平成24年6月20日

政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。

一過去の災害からの教訓の伝承及び防災に関する教育の実施については、多様な主体による取組を推進するため、国による財政上の措置を含め、可能な限りの支援を行うこと。特に学校教育においては、災害発生時に児童・生徒が自ら適切な行動を取れるよう、自然災害、避難等に関する正しい知識の習得や訓練の実施等に関し配慮すること。

二地理空間情報の活用については、都道府県及び市町村が十分に活用できるものとするため、情報の内容、共有、利用方法等に留意してシステムを構築するなど、真に災害対策に有用な、実効性のあるものとするとともに、NPOやボランティアなど、災害に関与する団体及び個人を含め、広く国民に対する情報提供にも活用すること。

三地方公共団体の対応能力を超えるような大規模災害時において、内閣総理大臣による応援要求等被災地に対して的確な災害応急対策を実施することができるよう、関係省庁の情報収集体制の整備を図るとともに、内閣の情報集約機能の強化を図ること。

四応援の要求、広域一時滞在、物資・資材の供給など、国及び都道府県による関与が充実強化されたものについては、適時適切な応援、被災住民の受入れ及び物資等の供給がなされるよう、その仕組みを十全に機能させること。また、広域的な災害応急対策等の応援等の実効性を高めるため、知事会、市長会や町村会との連携を進めること。

五円滑な応援の受入れ及び他者への応援については、災害発生時の初動対応において極めて重要であることから、都道府県及び市町村による広域的な協定の締結、訓練の実施等が促進されるよう、国としても積極的に取り組むこと。

六救援物資等を被災地に確実に供給するためには、現在の国及び地方の指定公共機関である運送事業者だけでは運送の対象となる物資が限定されるなど、不十分なことが懸念されることから、陸上のみならず海・空にわたる輸送に関する事業者の指定の在り方について検討すること。さらに、国及び地方の指定公共機関については、今後の防災対策推進検討会議における検討等も踏まえ、医療機関等も含め指定公共機関の更なる拡充について検討すること。

七国、都道府県及び市町村の防災会議の委員の任命については、女性、障がい者、高齢者など、社会及び地域の実情に応じて多様な主体の参画が確保されるよう、今後とも制度及び運用の改善に努めること。

八今回の改正では、災害応急対策責任者や災害予防責任者など、国や地方の公的立場にある者の役割が強化されたが、東日本大震災では、NPOやボランティアなどが大きな役割を果たしたことから、災害の予防、災害からの復旧及び復興など、災害全般においてかかる主体の果たす役割についても、引き続き検討を進めること。

九これからの災害対策基本法改正に向けて、避難や減災など災害に対する基本的考え方をはじめ、防災会議や災害対策本部など組織・権限の在り方、大規模災害発生時の災害緊急事態の布告の内容やその手続、さらに災害からの復興の進め方に至るまで、現行法のあらゆる問題点について迅速に検討を進め、必要な法案を策定し、提出すること。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=118001081)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。