建築物の耐震改修の促進に関する法律の一部を改正する法律案
参議院 国土交通委員会
平成25年法律第20号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院国土交通委員会
- H25.4.3趣旨説明国土交通委員会 4168
- H25.4.19質疑・修正案趣旨説明・採決・附帯決議・修正案国土交通委員会 6221
- H25.4.23委員長報告・採決本会議 1826
参議院国土交通委員会
- H25.5.9趣旨説明国土交通委員会 3143
- H25.5.21質疑・採決・附帯決議国土交通委員会 4135
- H25.5.22委員長報告・採決本会議 2131
提案理由
太田昭宏 国土交通大臣 平成25年4月3日ただいま議題となりました建築物の耐震改修の促進に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
一昨年に発生した東日本大震災においては、建築物にも大きな被害が生じたところです。
この未曽有の大地震により、事前の備えとして建築物の耐震化を着実に進め、人的、経済的被害を可能な限り軽減する必要があることが再認識されました。
このため、このような大地震の発生に備え、国家的課題として、建築物の耐震化をより一層強力に推進していくことが不可欠であり、一刻も早く、所要の施策を講じていく必要があります。
このような趣旨から、このたびこの法律案を提案することとした次第です。
次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、不特定かつ多数の者が利用する大規模な建築物等の所有者は、耐震診断を行い、その結果を一定の期限までに所管行政庁に報告しなければならないこととしております。
第二に、耐震診断及び耐震改修を行う努力義務が課せられる建築物の範囲を拡大し、現行の建築基準法令の耐震関係規定に適合しない全ての建築物を対象とすることとしております。
第三に、耐震改修の計画の認定について、対象となる増築及び改築の範囲を拡大するとともに、認定を受けた建築物について、容積率及び建ぺい率の特例措置を講ずることとしております。
第四に、建築物の地震に対する安全性に係る認定制度を創設し、認定を受けた建築物の所有者は、当該建築物等にその旨の表示を付することができることとしております。
第五に、区分所有建築物の耐震改修の必要性に係る認定制度を創設し、認定を受けた場合には、区分所有者の集会において、耐震改修に係る決議要件の特例措置を講ずることとしております。
その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案を提案する理由であります。
この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。
第183回国会衆議院国土交通委員会議録第4号25頁(平成25年4月3日)〔太田昭宏国土交通大臣発言・発言番号166〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。
一耐震診断、耐震改修は、安全・安心のために必要な措置であり、その促進は喫緊の課題であるが、建築物所有者の負担を伴うものであることから、地方公共団体においても交付金を活用するなど財源確保に優先的に取り組むよう周知徹底及び支援を行うとともに、特に中小事業者への財政的、技術的支援に努めるよう地方公共団体に促すこと。また、耐震改修が必要な建築物が多数存在する地方公共団体を把握し、これらの業務が円滑に行われるよう、十分な情報提供や支援を行うこと。さらに、避難所として指定された場合には耐震化に係る助成率が高くなることについて地方公共団体に周知徹底し、建築物所有者の負担の軽減を図るとともに、耐震診断が義務化される大規模建築物等以外の建築物についても避難所としての支援を行うこと。
二耐震診断が義務付けられる建築物の所有者に対し本法の内容の周知に努め、また、地方公共団体における相談窓口を充実させ、耐震診断の基準や改修の工法等必要な相談に応じられる体制を整備するなど、本法の円滑な実施に万全を期すこと。
三東日本大震災の被災地において、再度の地震により建築物に大きな被害が生じることがないよう、また、各地の復興に支障を来すことがないよう、既存建築物の耐震診断、耐震改修に対し最大限の支援を行うこと。
四病院や旅館、ホテル等の民間建築物については、耐震診断の義務付けや診断結果の公表が経営への大きな負担にならないよう、必要な支援を積極的に行い、建築物の耐震性に係る表示制度及び耐震診断の結果の公表の時期や方法等についても、迅速に取り組んだ建築物所有者が不利になることのないよう適切な配慮を行うとともに、耐震性に係る表示制度については、建築物の選択に利用者が混乱を生じないよう十分な周知期間をとる等十分配慮すること。特に耐震診断の結果の公表については、公平性の確保の観点から、当該結果を用途ごとに一覧に取りまとめた上で公表するなど、地域における建築物の個別の状況や営業上の競争環境等にも十分に配慮し、丁寧な運用を行うこと。
五認定を受けた建築物に対する容積率、建ぺい率の緩和は、耐震改修のために必要な場合に限られるよう適切に指導を行い、違反建築物への対応には万全を期すこと。
六耐震改修の実施に当たっては、計画的に順次改修を行う方法など、改修がなされやすい方法が可能となるよう配慮し、また、低コスト化など耐震改修工法の技術開発の促進に努めること。
七住宅の耐震改修の促進に際しては、工務店等の地域の建設業者の参画が図られるよう努めること。また、耐震化と併せて省エネ化やバリアフリー化が図られるよう、関係施策の充実のための対策の検討を早急に進めること。
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
一大規模な地震の発生に備えて、建築物の耐震診断、耐震改修の促進は喫緊の課題であるが、建築物所有者の負担を伴うものであることから、地方公共団体においても交付金を活用するなど財源確保に優先的に取り組むとともに、特に中小事業者への財政的、技術的支援に努めるよう促すこと。また、これらの業務が円滑に行われるよう、耐震改修が必要な建築物が多数存在する地方公共団体を把握し、十分な情報提供や支援を行うこと。さらに、避難所として指定された場合には耐震化に係る助成率が高くなることについて地方公共団体に周知徹底するとともに、耐震診断が義務化される大規模建築物等以外の建築物についても避難所としての支援を行うなど建築物所有者の負担の軽減を図ること。
二耐震診断が義務付けられる建築物の所有者に対し本法の内容の周知に努め、また、地方公共団体における相談窓口を充実させ、耐震診断の基準や改修の工法等必要な相談に応じられる体制を整備するなど、本法の円滑な実施に万全を期すこと。
三住宅・建築物の耐震改修の促進に際しては、建築士・工務店等の地域の建設事業者の参画が図られるよう努めること。また、耐震化による安全・安心の向上と併せて、断熱化による省エネ及び人の健康の維持増進や、バリアフリー化による生活環境の改善が図られるよう、関係施策の充実のための対策の検討を早急に進めること。
四東日本大震災の際に、病院は救急医療の拠点として、旅館やホテルは避難所として、多くの被災者を受け入れた実績を踏まえ、非常災害時に国民の生命・身体を保護する機能を持つこれらの民間建築物については、耐震診断の義務付けや診断結果の公表が経営への大きな負担にならないよう、必要な支援を積極的に行うこと。加えて、迅速に取り組んだ建築物所有者が不利になることのないよう、公平性を確保する観点から、耐震診断の結果の公表の時期や方法等については、当該結果を用途ごとに一覧に取りまとめた上で公表するなど、建築物の個別の状況や営業上の競争環境等にも十分に配慮した丁寧な運用を行うこと。また、建築物の耐震性に係る表示制度については、建築物の選択に利用者が混乱を生じないよう、その内容を十分周知すること。
五東日本大震災の被災地において、再度の地震により建築物に大きな被害が生じることがないよう、また、各地の復興に支障を来すことがないよう、既存建築物の耐震診断、耐震改修に対し最大限の支援を行うこと。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=118301022)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。