農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律案
参議院 農林水産委員会
平成25年法律第81号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院農林水産委員会
- H25.10.30趣旨説明農林水産委員会 2227
- H25.11.6質疑・採決・附帯決議農林水産委員会 3209
- H25.11.7委員長報告・採決本会議 868
参議院農林水産委員会
- H25.11.12趣旨説明農林水産委員会 3195
- H25.11.14質疑・採決・附帯決議農林水産委員会 4214
- H25.11.15委員長報告・採決本会議 735
提案理由
林芳正 農林水産大臣 平成25年10月30日農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
我が国の国土の大宗を占める農山漁村は、基幹産業である農林漁業の低迷等により、その活力が低下しており、地域の未利用の資源を生かした事業の導入による農山漁村の活性化が急務となっております。
こうした中、平成二十四年七月に再生可能エネルギー電気の固定価格買い取り制度が開始され、再生可能エネルギー発電の事業性が大幅に改善されたこと等を踏まえ、農山漁村に存在する土地、水、バイオマス等の資源を活用した発電を促進し、その利益を地域に還元させ、地域の活力の向上及び持続的発展に結びつけることが重要な課題となっております。
このような取り組みを進めるに当たっては、農山漁村において無計画に再生可能エネルギー発電設備が整備されることにより、農林漁業の健全な発展に必要な農林地等が失われ、食料供給や国土保全等の農林漁業が有する重要な機能の発揮に支障を来すことがないよう、農林地等の利用調整を適正に行うとともに、再生可能エネルギーの導入とあわせて地域の農林漁業の健全な発展に資する取り組みを促進することが重要であります。
このため、農山漁村において農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電を促進するための措置を講ずることにより、農山漁村の活性化を図るとともに、エネルギーの供給源の多様化に資することを目的として、この法律案を提出した次第であります。
次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、基本理念についてであります。農山漁村における再生可能エネルギー電気の発電の促進は、地域の関係者の相互の密接な連携のもとに当該地域の活力の向上及び持続的発展を図ることを旨として行われなければならないこと、また、その促進に当たっては、地域の農林漁業の健全な発展に必要な農林地並びに漁港及びその周辺の水域の確保を図るため、これらの農林漁業上の利用と再生可能エネルギー電気の発電のための利用との調整が適正に行われなければならないこととしております。
第二に、農山漁村における再生可能エネルギー電気の発電の促進による農山漁村の活性化に関する計画制度の創設についてであります。主務大臣による基本方針の策定、市町村による基本計画の作成及び再生可能エネルギー発電設備の整備を行おうとする者に対する設備整備計画の認定等について定めることとしております。これにより、農林漁業の健全な発展と調和のとれた太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス等をエネルギー源とする発電設備の整備が計画的に行われるようにすることとしております。
第三に、農地法、森林法、漁港漁場整備法等の特例措置についてであります。市町村の認定を受けた設備整備計画に従って行う事業については、これらの法律に基づく許可があったものとみなすこと等とし、これにより、再生可能エネルギー発電設備等の整備に必要な手続のワンストップ化を図ることとしております。
第四に、農林地等の権利移転を促進する計画制度の創設についてであります。市町村が所有権移転等促進計画を定め、当該計画に定められた農林地等の権利移転等を一括して処理できるようにすることにより、再生可能エネルギー発電設備の整備に必要な土地の確保とあわせて、農業の担い手への農地の集約化など、周辺の農林地の農林業上の効率的かつ総合的な利用が確保されるようにすることとしております。
以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
第185回国会衆議院農林水産委員会議録第2号33頁(平成25年10月30日)〔林芳正農林水産大臣発言・発言番号225〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
我が国の農林漁業・農山漁村をめぐる厳しい状況に対処し、農山漁村の活性化を図るため、農山漁村に存在する土地、水、バイオマス等の資源を活用した発電を促進し、その利益を地域に還元させ、地域の活力の向上及び持続的発展に結び付けることが重要である。よって政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に万全を期すべきである。記
一基本方針の策定に当たっては、基本理念に則り、再生可能エネルギー発電設備の整備の促進を図りつつ、その利益を農林漁業者をはじめ地域の関係者が十分に享受することができ、当該地域の活力及び持続的発展が確実に図られるとともに、地域の農林漁業の健全な発展に必要な優良農地等の確保が確実に実現されるよう定めるとともに、その内容が、市町村が作成する基本計画に十分に反映されるよう適切に指導すること。
二市町村による基本計画の作成及び再生可能エネルギー発電設備整備計画の認定等に当たっては、その円滑かつ確実な実施が図られるよう、市町村に対し、必要な情報提供、助言その他の援助などきめ細かな配慮を行うこと。
三再生可能エネルギー発電設備として利用されなくなった場合の農地等の原状回復等が確実に行われるよう措置すること。その際、市町村に過重な負担が生じないよう必要な措置を講ずること。
四基本理念に掲げられた地域の関係者の相互の密接な連携を実効あるものにするため、本法第六条に定める協議会を活用し地域の合意形成が十分図られるよう適切に指導すること。
五農林漁業の健全な発展に資する取組については、各地の事例を調査し、評価・分析を行うとともに、結果を公表すること等により、その着実かつ効果的な実施に向けた環境を整備すること。
六再生可能エネルギー電気の発電の促進に当たっては、農山漁村に存在する土地、水、バイオマス等の資源の賦存状況、農山漁村の再生可能エネルギー供給の可能性を踏まえつつ、各種施策の充実を図ること。
七再生可能エネルギーに係る制度的・技術的な課題を把握し、その解決を図るとともに、再生可能エネルギー発電に係る利益を地域に還元させることができるよう、本法の施行状況はもとより、固定価格買取制度をはじめとする関係制度の運用状況について五年を待たずに評価・検証を開始し、その結果に基づき、速やかに適切な措置を講ずること。
八東日本大震災からの一日も早い復興に向けて、被災地を中心とするバイオマス作物の栽培や未利用間伐材のエネルギー利用の実用化等の検討を進めるとともに、再生可能エネルギー導入への支援の充実を図り、エネルギーの地産地消を進めること。
我が国の農林漁業・農山漁村をめぐる厳しい状況に対処し、農山漁村の活性化を図るため、農山漁村に存在する土地、水、バイオマス等の資源を活用した発電を促進し、その利益を地域に還元させ、地域の活力の向上及び持続的発展に結び付けることが重要である。よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。
一基本方針の策定に当たっては、基本理念に則り、再生可能エネルギー発電設備の整備を促進しつつ、事業者との密接な連携の下にその利益を農林漁業者をはじめ地域の関係者が十分に享受することにより、当該地域の活力向上及び持続的発展が図られるとともに、地域の農林漁業の健全な発展に必要な優良農地等の確保が確実に実現されるよう定めること。また、その内容が、市町村が作成する基本計画に十分に反映されるよう適切に指導すること。
二市町村による基本計画の作成及び再生可能エネルギー発電設備整備計画の認定等に当たっては、その円滑かつ確実な実施が図られるよう、市町村に対し、必要な情報提供、助言その他の援助などきめ細かな配慮を行うこと。また、市町村が農林地所有権移転等促進事業を行うに当たっては、農業委員会等と十分に連携することにより、農林地の農林業上の効率的かつ総合的な利用が確保され、地域農業の活性化につながるよう、市町村に対し、適切な助言等を行うこと。
三再生可能エネルギー発電設備として利用されなくなった場合の農地等の原状回復等が確実に行われるよう措置すること。その際、市町村に過重な負担が生じないよう必要な措置を講ずること。
四基本理念に掲げられた地域の関係者の相互の密接な連携を実効あるものにするため、本法第六条に定める協議会を活用し地域の合意形成が十分図られるよう適切に指導すること。
五農林漁業の健全な発展に資する取組については、各地の事例を調査し、評価・分析を行うとともに、結果を公表すること等により、その着実かつ効果的な実施に向けた環境を整備すること。
六再生可能エネルギー電気の発電の促進に当たっては、農山漁村に存在する土地、水、バイオマス等の資源の賦存状況、農山漁村の再生可能エネルギー供給の可能性を踏まえつつ、各種施策の充実を図ること。また、農山漁村の活性化に向けて一層の効果が期待される小水力発電や木質バイオマス発電等の導入促進を図ること。
七再生可能エネルギーに係る制度的・技術的な課題を把握し、その解決を図るとともに、再生可能エネルギー発電に係る利益を地域に還元させることができるよう、本法の施行状況はもとより、固定価格買取制度をはじめとする関係制度の運用状況について五年を待たずに評価・検証を開始し、その結果に基づき、速やかに適切な措置を講ずること。
八東日本大震災からの一日も早い復興に向けて、被災地を中心とするバイオマス作物の栽培や未利用間伐材のエネルギー利用の実用化等の検討を進めるとともに、再生可能エネルギー導入への支援の充実を図り、エネルギーの地産地消を進めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=118501008)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。