刑事訴訟法等の一部を改正する法律案
参議院 法務委員会
平成28年法律第54号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院法務委員会
- H27.5.19趣旨説明・質疑本会議 2542
- H27.5.26趣旨説明法務委員会 174
- H27.5.27質疑法務委員会 1864
- H27.6.2質疑法務委員会 19386
- H27.6.5質疑法務委員会 20145
- H27.6.9質疑法務委員会 21259
- H27.6.10参考人招致・参考人質疑法務委員会 2283
- H27.6.12質疑法務委員会 2373
- H27.6.16質疑法務委員会 24201
- H27.6.19質疑法務委員会 2546
- H27.6.30質疑法務委員会 26218
- H27.7.1参考人招致・参考人質疑法務委員会 2794
- H27.7.3質疑法務委員会 28195
- H27.7.7質疑法務委員会 29244
- H27.7.8参考人招致・参考人質疑法務委員会 30100
- H27.7.10参考人招致・参考人質疑・質疑法務委員会 31301
- H27.7.14質疑法務委員会 32268
- H27.7.29参考人招致・参考人質疑法務委員会 33107
- H27.7.31質疑法務委員会 34213
- H27.8.5修正案趣旨説明・質疑・討論・採決(修正)・附帯決議・修正案法務委員会 35298
- H27.8.7委員長報告・討論・採決(修正)本会議 4228
- H28.5.20質疑・討論・採決法務委員会 19295
- H28.5.24委員長報告・採決本会議 3528
参議院法務委員会
- H27.8.21趣旨説明・質疑本会議 3637
- H27.9.10趣旨説明・衆議院修正部分趣旨説明法務委員会 20144
- H28.4.14質疑法務委員会 7200
- H28.4.19参考人招致・参考人質疑法務委員会 8152
- H28.4.21質疑法務委員会 9193
- H28.4.26参考人招致・参考人質疑法務委員会 10198
- H28.4.28参考人招致・参考人質疑・質疑法務委員会 11192
- H28.5.10質疑法務委員会 12162
- H28.5.12質疑法務委員会 13164
- H28.5.19質疑・討論・採決・附帯決議法務委員会 14128
- H28.5.20委員長報告・討論・採決本会議 2931
提案理由
上川陽子 法務大臣 平成27年5月19日刑事訴訟法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
刑事手続については、近時、捜査、公判が取り調べ及び供述調書に過度に依存している状況にあるとの指摘がなされています。このような状況を改めて、刑事手続を時代に即したより機能的なものとし、国民からの信頼を確保するため、証拠収集手続の適正をより一層担保するとともに、取り調べ以外の証拠収集方法を整備するほか、犯罪被害者を含む刑事手続に関与する国民の負担の軽減や被告人の防御活動への配慮等を通じ、公判審理をより充実したものとすることが喫緊の課題となっています。
また、国民が安全で安心して暮らせる国であることを実感できる、世界一安全な国日本をつくるという観点からも、その基盤となる刑事手続の機能の強化が求められています。
そこで、この法律案は、刑事手続における証拠の収集方法の適正化及び多様化並びに公判審理の充実化を図るため、刑事訴訟法、犯罪捜査のための通信傍受に関する法律、刑法その他の法律を改正し、所要の法整備を行おうとするものであります。
この法律案の要点を申し上げます。
第一は、取り調べの録音、録画制度の創設であります。
すなわち、裁判員制度対象事件及びいわゆる検察官独自捜査事件について、逮捕、勾留中に行われた被疑者取り調べまたはいわゆる弁解録取手続の際に作成された供述調書等の任意性が公判において争われたときは、検察官は、原則としてその被疑者取り調べ等を録音、録画した記録媒体の証拠調べを請求しなければならないこととした上で、検察官、検察事務官または司法警察職員が、逮捕または勾留されている被疑者の取り調べ等を行うときは、一定の例外事由に該当する場合を除き、その全過程を録音、録画しておかなければならないこととするものであります。
第二は、証拠収集等への協力及び訴追に関する合意制度の創設であります。
すなわち、一定の財政経済犯罪及び薬物銃器犯罪を対象として、検察官と被疑者、被告人とが、弁護人の同意がある場合に、被疑者、被告人が他人の刑事事件について証拠収集等への協力をし、かつ、検察官がそれを考慮して特定の求刑等をすることを内容とする合意をすることができることとするものであります。
第三は、犯罪捜査のための通信傍受の対象事件の拡大及び暗号技術を用いる新たな傍受の実施方法の導入であります。
すなわち、現行法上薬物銃器犯罪等に限定されている対象犯罪に、殺人、略取誘拐、詐欺、窃盗等の罪を追加するとともに、暗号技術を活用することにより、傍受の実施の適正を確保しつつ、通信事業者等の立ち会い、封印を伴うことなく、捜査機関の施設において傍受を実施することができることとするなどの措置を講じるものであります。
第四は、被疑者国選弁護制度の対象事件の拡大であります。
すなわち、現行法上、同制度の対象となるのは、死刑または無期もしくは長期三年を超える懲役、禁錮に当たる罪について勾留状が発せられている被疑者であるところ、これを拡大して、勾留状が発せられている全ての被疑者とするものであります。
第五は、証拠開示制度の拡充であります。
すなわち、公判前整理手続または期日間整理手続において、検察官請求証拠の開示後、被告人または弁護人から請求があったときは、検察官は、その保管する証拠の一覧表を被告人または弁護人に交付しなければならないとする手続の導入等の措置を講じるものであります。
第六は、証人等の氏名等の情報を保護するための制度の創設であります。
すなわち、証人等の氏名等の開示について、証人等の身体または財産に対する加害行為等のおそれがあるときは、防御に実質的な不利益を生じるおそれがある場合を除き、検察官が、弁護人に当該氏名等を開示した上で、これを被告人に知らせてはならない旨の条件を付することができ、特に必要があるときは、弁護人にも開示せず、代替的な呼称等を知らせることができるとする制度等を創設するものであります。
このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案の趣旨であります。(拍手)
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刑事訴訟法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
第189回国会衆議院会議録第25号3頁(平成27年5月19日)〔上川陽子法務大臣発言・発言番号21〕 会議録 国会会議録検索システム
立法資料のある条文
この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)附帯決議
政府及び最高裁判所は、本法が度重なるえん罪事件への反省を踏まえて重ねられた議論に基づくものであることに鑑み、その施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一検察官及び検察事務官並びに司法警察職員は、取調べ等の録音・録画に係る記録媒体が供述が任意になされたものかどうか判断するための最も重要な証拠となり得ること及び取調べ等の録音・録画が取調べの適正な実施に資することに鑑み、刑事訴訟法第三百一条の二第四項の規定により被疑者の供述及びその状況を記録しておかなければならない場合以外の場合(被疑者以外の者の取調べに係る場合を含む。)であっても、取調べ等の録音・録画を、人的・物的負担、関係者のプライバシー等にも留意しつつ、できる限り行うように努めること。
二保釈に係る判断に当たっては、被告人が公訴事実を認める旨の供述等をしないこと又は黙秘していることのほか、検察官請求証拠について刑事訴訟法第三百二十六条の同意をしないことについて、これらを過度に評価して、不当に不利益な扱いをすることとならないよう留意するなど、本法の趣旨に沿った運用がなされるよう周知に努めること。
三再審が無辜(こ)の救済のための制度であることを踏まえ、証拠開示の運用、刑事訴訟法第四百四十五条の事実の取調べの在り方をめぐる今国会の審議の状況の周知に努めること。
四通信事業者等の立会いがないため同時進行的な外形的チェック機能が働かないことを踏まえ、特定電子計算機を用いる傍受の実施において、該当性判断のための傍受又は再生を行うに当たっては、通信の秘密及びプライバシーの保護に十分に留意して、厳正に実施すること。
五適正に通信傍受が実施されていることについての説明責任を果たすため、客観的に通信傍受の実施状況を検証するための方法について検討すること。
六捜査に必要な機器等の費用は捜査機関が負担することが基本であることに鑑み、通信傍受に必要な機器等の整備に係る通信事業者の負担軽減に十分な配慮を行うこと。
七証拠収集等への協力及び訴追に関する合意制度の実施に関し、検察官は、合意をするため必要な協議に際しては、自由な意見交換などの協議の機能を阻害しないとの観点をも踏まえつつ、日時、場所、協議の相手方及び協議の概要に係る記録を作成するとともに、当該合意に係る他人の刑事事件及び当該合意の当事者である被告人の事件の公判が終わるまでの間は、作成した記録を保管すること。
政府及び最高裁判所は、本法が度重なるえん罪事件への反省を踏まえて重ねられた議論に基づくものであることに鑑み、その施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一検察官及び検察事務官並びに司法警察職員は、取調べ等の録音・録画に係る記録媒体が供述が任意になされたものかどうか判断するための最も重要な証拠となり得ること及び取調べ等の録音・録画が取調べの適正な実施に資することに鑑み、刑事訴訟法第三百一条の二第四項の規定により被疑者の供述及びその状況を記録しておかなければならない場合以外の場合(別件逮捕による起訴後における取調べ等逮捕又は勾留されている被疑者以外の者の取調べに係る場合を含む。)であっても、取調べ等の録音・録画を、人的・物的負担、関係者のプライバシー等にも留意しつつ、できる限り行うように努めること。
二保釈に係る判断に当たっては、被告人が公訴事実を認める旨の供述等をしないこと又は黙秘していることのほか、検察官請求証拠について刑事訴訟法第三百二十六条の同意をしないことについて、これらを過度に評価して、不当に不利益な扱いをすることとならないよう留意するなど、本法の趣旨に沿った運用がなされるよう周知に努めること。
三再審が無辜の救済のための制度であることを踏まえ、証拠開示の運用、刑事訴訟法第四百四十五条の事実の取調べの在り方をめぐる国会の審議の状況の周知に努めること。
四特定電子計算機を用いる傍受の実施においては通信事業者等の立会いがなくなることから、同時進行的な外形的チェック機能を働かせるため、通信傍受の対象となっている犯罪の捜査に従事していない検察官又は司法警察員を立ち会わせること。また、該当性判断のための傍受又は再生を行うに当たっては、特に通信の秘密及びプライバシーの保護に十分に留意して、厳正に実施すること。
五適正に通信傍受が実施されていることについての説明責任を果たすため、客観的に通信傍受の実施状況を検証するための方法について検討すること。
六捜査に必要な機器等の費用は捜査機関が負担することが基本であることに鑑み、通信傍受に必要な機器等の整備に係る通信事業者の負担軽減に十分な配慮を行うこと。
七証拠収集等への協力及び訴追に関する合意制度の実施に関し、検察官は、合意をするため必要な協議に際しては、自由な意見交換などの協議の機能を阻害しないとの観点をも踏まえつつ、日時、場所、協議の相手方及び協議の概要に係る記録を作成するとともに、当該合意に係る他人の刑事事件及び当該合意の当事者である被告人の事件の公判が終わるまでの間は、作成した記録を保管すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=118901042)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。