建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律案
参議院 国土交通委員会
平成27年法律第53号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院国土交通委員会
- H27.5.29趣旨説明国土交通委員会 12183
- H27.6.3質疑・採決・附帯決議国土交通委員会 13150
- H27.6.4委員長報告・採決本会議 3117
参議院国土交通委員会
- H27.6.18趣旨説明国土交通委員会 165
- H27.6.30質疑・採決・附帯決議国土交通委員会 17119
- H27.7.1委員長報告・採決本会議 2944
提案理由
太田昭宏 国土交通大臣 平成27年5月29日ただいま議題となりました建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
資源の大半を海外に依存している我が国のエネルギー需給構造は、東日本大震災以降一層脆弱化しており、特にエネルギー需要側の改善を図ることが急務となっております。
このため、我が国のエネルギー消費量の三分の一を占める建築物について、省エネ性能の向上を図り、抜本的な対策を行うことが不可欠です。
このような趣旨から、このたびこの法律案を提出することとした次第です。
次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、大規模な建築物について、新築時等における省エネ基準への適合義務及び適合性判定義務を課し、これを建築確認で担保することとしております。
第二に、中規模以上の建築物について、新築時等における省エネ計画の届け出義務を課し、省エネ基準に適合しないときは、所管行政庁が指示等を行うことができることとしております。
第三に、省エネ性能のすぐれた建築物について、所管行政庁の認定を受けて容積率の特例を受けることができることとしております。
第四に、省エネ基準に適合している建築物について、所管行政庁の認定を受けてその旨を表示することができることとしております。
そのほか、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案を提案する理由であります。
この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。
第189回国会衆議院国土交通委員会議録第12号21頁(平成27年5月29日)〔太田昭宏国土交通大臣発言・発言番号181〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。
一建築物エネルギー消費性能適合性判定が円滑に実施されるよう、判定方法をより合理的なものとすること。また、関係省令、告示等の制定から施行までに十分な期間を置いて、所管行政庁その他の関係機関、関係事業者等に対する制度の周知を徹底すること。
二今後の適合義務の対象拡大については、予定される時期、範囲等を早期に明らかにした上で、審査等の執行体制の充実強化及び設計、施工、評価等を担う技術者の育成を促進するとともに、届出制度の的確な運用により、義務化に向けた適合率の向上を図ること。
三戸建住宅を含めた小規模建築物の義務化に向けて、手続きの一層の簡素化等、建築側と審査側双方の負担軽減策を講じるとともに、中小工務店や大工等の技術力の向上に向けた支援を行うなど、制度の円滑な実施のための環境整備に万全を期すこと。併せて、地域の気候風土に対応した伝統的構法の建築物などの承継を可能とする仕組みを検討すること。
四建築物エネルギー消費性能基準等は、新築におけるエネルギー消費性能の実態等を踏まえ、その向上に資する水準が維持されるよう定期的な見直しを行うこと。また、新技術の開発や低コスト化を促進するため、将来の基準強化の時期、内容等をあらかじめ明らかにすることについて検討すること。
五建築物のエネルギー消費性能について、統一的かつわかりやすい表示の方法を早期に確立するとともに、建築物の広告等における性能の掲載や、売買、賃貸等の契約における性能の説明などの促進により、性能に優れた建築物が市場において適切に評価される環境を整備すること。併せて、建築物の設計者に対し、建築主へのエネルギー消費性能の適切な説明を促すこと。
六国民に対して建築物のエネルギー消費性能の向上の必要性や効果をわかり易く説明し、本法施行への協力を求めること。特に、住宅の断熱性能の向上が、ヒートショックの防止など居住者の健康の維持や生活の質の向上に資することについて、実態調査を行いその結果を公表するとともに、国民の理解を深めるよう努めること。
七住宅等の断熱性能の向上を図る上では、開口部における木製又は樹脂製のサッシの使用が有効であるため、その普及の促進に向けて、諸外国の例も参考にしつつ、同サッシの防耐火性能に係る技術開発や基準の合理化を検討すること。
八既存建築物の省エネルギー改修を促進するため、支援制度の充実を図ること。特に、エネルギーコストの低減のメリットが所有者ではなく入居者に帰属することとなる賃貸住宅について、所有者に対するインセンティブの強化を検討すること。
九国、地方公共団体等の公共建築物の新築、改修等にあたっては、建築物のエネルギー消費性能の向上を先導するものとなるよう、積極的な新技術の導入、再生可能エネルギーの活用等に努めること。
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。
一国民に対して建築物のエネルギー消費性能の向上の必要性や効果を分かりやすく説明し、本法施行への協力を求めるとともに、今後予定される建築物の省エネ基準適合義務の対象拡大について理解の促進を図ること。
二建築物エネルギー消費性能適合性判定が円滑に実施されるよう、判定方法をより合理的なものとすること。また、関係省令、告示等の制定から施行までに十分な期間を置いて、所管行政庁その他の関係機関、関係事業者等に対する制度の周知を徹底すること。
三今後の適合義務の対象拡大に当たっては、予定される時期、範囲等を早期に明らかにした上で、審査等の執行体制の充実強化及び設計、施工、評価等を担う技術者の育成を促進すること。また、所管行政庁において届出制度が的確に運用されるよう、実情を把握した上で必要な支援を行い、適合率の向上を図ること。
四戸建住宅を含めた小規模建築物の義務化に向けて、手続の一層の簡素化等、建築側と審査側双方の負担軽減策を講じるとともに、中小工務店や大工等の技術力の向上に向けた支援の拡充を行うなど、制度の円滑な実施のための環境整備に万全を期すこと。あわせて、地域の気候風土に対応した伝統的構法の建築物などの承継を可能とする仕組みを検討すること。
五建築物の省エネ基準等は、新築におけるエネルギー消費性能の実態等を踏まえ、その向上に資する水準が維持されるよう定期的な見直しを行うこと。また、新技術の開発や低コスト化を促進するため、基準強化の時期、内容等をあらかじめ明らかにすること。
六建築物のエネルギー消費性能について、統一的かつ分かりやすい表示の方法を早期に確立するとともに、建築物の広告等における性能の掲載や、売買、賃貸等の契約における性能の説明などの促進により、性能に優れた建築物が市場において適切に評価される環境を整備すること。あわせて、建築物の設計者に対し、建築主へのエネルギー消費性能の適切な説明を促すこと。
七住宅の断熱性能の向上が、ヒートショックの防止など居住者の健康の維持・増進や生活の質の向上に資することについて、実態調査を行いその結果を公表するとともに、国民の理解を深めるよう努めること。また、住宅等の断熱性能の向上を図る上では、開口部における木製又は樹脂製のサッシの使用が有効であるため、その普及の促進に向けて、諸外国の例も参考にしつつ、同サッシの防耐火性能に係る技術開発や基準の合理化を検討すること。
八既存建築物の省エネルギー改修を促進するため、支援制度の充実を図ること。特に、エネルギーコストの低減のメリットが所有者ではなく入居者に帰属することとなる賃貸住宅について、所有者に対するインセンティブの強化を検討すること。
九国、地方公共団体等の公共建築物の新築、改修等に当たっては、建築物のエネルギー消費性能の向上を先導するものとなるよう、積極的な新技術の導入、再生可能エネルギーの活用等に努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=118901058)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。