廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び災害対策基本法の一部を改正する法律案
参議院 環境委員会
平成27年法律第58号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院環境委員会
- H27.5.29趣旨説明環境委員会 8174
- H27.6.2質疑環境委員会 9171
- H27.6.9質疑・採決・附帯決議環境委員会 10117
- H27.6.11委員長報告・採決本会議 3219
参議院環境委員会
- H27.6.12趣旨説明・質疑本会議 2617
- H27.6.16趣旨説明環境委員会 8196
- H27.6.18質疑環境委員会 9185
- H27.7.7参考人招致・参考人質疑環境委員会 1069
- H27.7.9質疑・採決・附帯決議環境委員会 11115
- H27.7.10委員長報告・採決本会議 3212
提案理由
望月義夫 環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災) 平成27年5月29日ただいま議題となりました廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び災害対策基本法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
東日本大震災の発生後、政府では、被災地の廃棄物処理に関する指針を策定し、震災から三年以内にその処理を終えるべく、鋭意取り組んでまいりました。
その結果、福島県を除く被災地の廃棄物処理はおおむねその目標を達成することができたものの、課題として、事前の備えが不十分であったこと、このため、災害発生の初期段階で関係者が十分に機能、能力を発揮できなかったこと、さらには、国が速やかに処理の指針を示し、それを実施するための特例措置を講じて、円滑、迅速な処理を促すことができなかったことなどが浮かび上がりました。
これらの課題を、近年の災害の教訓も踏まえて解決するため、災害時の廃棄物対策のあり方について、専門家の意見も聞きながら検討してまいりました。その結果、国、地方公共団体、民間事業者等、廃棄物処理に関係する者が、それぞれ主体的に連携協力した上で、平時から災害に備える必要があること、また、その平時の備えを災害発生後に実際に活用し、実現するための制度的担保が必要であることが明らかとなりました。さらに、大規模災害に備え、地方公共団体だけでは対処しがたい場合を想定し、国がみずから処理に当たるための制度が必要であるとの結論に至りました。
そこで、これら制度的な担保が必要なものについて法制度を整備すべく、本法律案を提出した次第でございます。
以下、本法律案の主な内容について御説明申し上げます。
第一に、平時の備えを中心としつつ、通常起こり得る規模の災害対応も含めた廃棄物処理における災害対策の強化についてであります。
まず、災害時においても適正かつ円滑、迅速な廃棄物処理を図るとの基本理念を明確にするとともに、国、地方公共団体、事業者等、災害時の廃棄物処理にかかわる者の連携協力の責務を明確にした上で、その担保として、国が策定する基本方針等の規定事項として、災害に向けた備えを追加することとしております。
また、通常規模の災害が発生したときの円滑、迅速な廃棄物処理に向けて、災害廃棄物の処分に係る仮設処理施設の設置手続を簡略化するなど、所要の措置を講ずるものであります。
第二に、大規模災害時の廃棄物処理対策の強化についてであります。
大規模災害が発生したときは、通常規模の災害への対策に加えて、政令による指定を受けて、環境大臣が、当該災害により生じた廃棄物について処理に関する基本的な指針を策定することとしております。
加えて、以上の措置及び既存の特例措置によってもなお不十分であるときは、環境大臣が、一定の要件のもと、被災地域における市町村の長からの要請を受け、当該市町村における災害廃棄物の処理をみずから代行することができることとしております。
以上が、本法律案の提案の理由及びその内容の概要です。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
第189回国会衆議院環境委員会議録第8号22頁(平成27年5月29日)〔望月義夫環境大臣発言・発言番号172〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一今回の法改正に盛り込まれなかった放射性物質に汚染された廃棄物の処理体制について、早急に法整備を含めた対応を検討し、万が一原子力災害が起きた場合に備えること。あわせて指定廃棄物の処理について各地域で混乱を招いていることから、処理促進についての法整備を含めた議論を加速化し、早急に対策を講ずること。
二災害廃棄物の広域処理については、東日本大震災により発生した災害廃棄物を処理する一環で実施した際に得られた知見も踏まえ、災害廃棄物の迅速な処理を大前提としつつ、地域の実情や経済性も考慮した上で、必要に応じ廃棄物処理指針の中に位置付けられ、効率的に処理が行われることとなるよう、関係機関と十分に協議すること。
三廃棄物処理施設の設置等に係る手続の簡素化、処理の再委託及び再生利用については、廃棄物の迅速な処理や減量化を進めるために必要性を認識するものの、不適正処理を誘発するおそれがあることに鑑み、適正な処理を確保するため厳格な条件を付すなど十分に配慮すること。
四大規模災害における災害廃棄物の処理には莫大な費用が必要になることから、地方自治体の負担に対する不安を払拭するためにも、十分な財政上の措置を講ずるよう努めること。
五東日本大震災では既存の廃棄物処理施設が地震や津波で損壊し、処理が遅れたことから、地震や水害で稼働不能とならないよう施設の強靱化に向けた整備、予算の確保など十分な災害対策を講ずるよう努めること。また、地域の災害対応拠点となる廃棄物処理施設について、避難所等への電気や熱エネルギーの供給施設としても機能することとなるよう、地方自治体の取組を支援すること。
六大規模災害発生時には、甚大な被害により被災地域のみで処理体制を確保することが困難な場合も想定されるため、災害廃棄物の発生量の推計及びその処理に係る最新の科学的・技術的知見を集積し、被災地域を支援するための体制を整備すること。また、自然生態系の有する防災・減災機能が災害廃棄物の発生を抑制し、被災地域の負担軽減に資することから、今後のインフラ整備において活用するよう努めること。
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一今回の法改正に盛り込まれなかった放射性物質に汚染された廃棄物の処理体制について、早急に法整備を含めた対応を検討し、万が一原子力災害が起きた場合に備えること。あわせて指定廃棄物の処理について各地域で混乱を招いていることから、処理促進についての法整備を含めた議論を加速化し、早急に対策を講ずること。
二非常災害時の廃棄物の適正な処理を円滑かつ迅速に行うため、廃棄物の発生状況の把握から最終処分に至るまで、関係者による適切な役割分担及び相互の協力が確実に実施されるよう、今後策定するとされている「大規模災害発生時における災害廃棄物対策行動指針」等により、国、都道府県、市町村それぞれが果たすべき役割、民間事業者に対して求める協力の内容等について具体的に示すとともに、国がリーダーシップを確実に発揮できるよう体制整備に努めること。
三地方自治体において、災害時の廃棄物処理に係る事前の備えとして、仮置場の確保の方策等を定める「災害廃棄物処理計画」の策定率が三割程度にとどまっていることから、発災時の適正かつ迅速な対応を可能とするために、同計画の策定が加速されるよう、地方自治体に対する支援に万全を期すること。
四災害廃棄物の広域処理については、東日本大震災の際の教訓も踏まえ、災害廃棄物の迅速な処理を大前提としつつ、地域の実情や経済性も考慮した上で、必要に応じて実施するものとすること。その際には、廃棄物の処理が効率的に行われることとなるよう、関係地方自治体、民間事業者等と協議するとともに、国民の理解を得るために十分な説明を行うこと。
五廃棄物処理施設の設置等に係る手続の簡素化、処理の再委託及び再生利用については、不適正処理を誘発することのないよう、厳格な条件を付すなど適切な措置を講ずること。
六大規模災害における災害廃棄物の処理には莫大な費用が必要になることから、地方自治体の負担に対する不安を払拭するためにも、十分な財政上の措置を講ずるよう努めること。
七東日本大震災では既存の廃棄物処理施設が地震や津波で損壊し、処理が遅れたことから、地震や水害で稼働不能とならないよう施設の強靱化に向けた整備、予算の確保など十分な災害対策を講ずるよう努めること。また、地域の災害対応拠点となる廃棄物処理施設について、避難所等への電気や熱エネルギーの供給施設としても機能することとなるよう、地方自治体の取組を支援すること。
八大規模災害発生時には、甚大な被害により被災地域のみで処理体制を確保することが困難な場合も想定されるため、事態の推移に応じた災害廃棄物の発生量の推計及びその処理に係る最新の科学的・技術的知見を集積し、被災地域を支援するための体制を整備すること。また、自然生態系の有する防災・減災機能が災害廃棄物の発生を抑制し、被災地域の負担軽減に資することから、今後のインフラ整備において活用するよう努めること。
九今回の法改正に基づいてとられる措置については、平時の備えから大規模災害発生時の対応まで、切れ目なく災害対策を実施・強化するとの法整備の趣旨が完遂されるよう、今後の災害廃棄物等に関する知見の拡充並びに地方自治体等の実施した措置及び体制等の状況を踏まえ、継続的に見直しを行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=118901059)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。