電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法等の一部を改正する法律案
参議院 経済産業委員会
平成28年法律第59号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院経済産業委員会
- H28.4.19趣旨説明・質疑本会議 2526
- H28.4.22趣旨説明経済産業委員会 8124
- H28.4.27参考人招致・参考人質疑経済産業委員会 996
- H28.5.11質疑・修正案趣旨説明・討論・採決・附帯決議・修正案経済産業委員会 10311
- H28.5.12委員長報告・採決本会議 3146
参議院経済産業委員会
- H28.5.18趣旨説明・質疑本会議 2817
- H28.5.19趣旨説明・参考人招致・参考人質疑・質疑経済産業委員会 10122
- H28.5.24質疑・討論・採決・附帯決議経済産業委員会 11202
- H28.5.25委員長報告・採決本会議 3073
提案理由
林幹雄 経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構) 平成28年4月19日ただいま議題となりました電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
再生可能エネルギーは、温室効果ガスを排出せず、国内で生産できるエネルギーであることから、その最大限の導入を進めていくことが必要です。
平成二十四年七月に開始された固定価格買い取り制度のもとで、再生可能エネルギーの導入は着実に進展しておりますが、昨年七月に策定した長期エネルギー需給見通しの実現に向けて、今後ともその適切な運用を図っていくことが必要です。
固定価格買い取り制度については、太陽光発電の急速な導入が進む中、国民負担増大の懸念や電力系統への受け入れ制約の発生といった課題が顕在化しております。また、固定価格買い取り制度の認定を受けながら稼働していない未稼働案件が大量に発生するといった問題も生じております。
本法案は、再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立に向け、これら現行制度の課題に対応するために必要な措置を講ずるものであります。
次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
まず、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法の改正に関するものであります。
第一に、未稼働案件の防止や適切な事業運営を確保するために、再生可能エネルギー発電事業者が固定価格買い取り制度の適用を受けるに当たり、経済産業大臣がその事業の実施の確実性や適切性を確認し、事業計画を認定する新たな制度を創設します。加えて、この制度を実効的なものとするため、経済産業大臣が改善命令等を行えるようにいたします。また、現行制度のもとで既に発電を開始している案件や系統への接続について一般送配電事業者の同意を得ている案件について、新たな制度による認定を受けたものとみなす等の経過措置を講じます。
第二に、新たな調達価格の決定方法を導入します。具体的には、現行制度においては経済産業大臣が算定する調達価格について、固定価格買い取り制度の賦課金の負担を軽減する上で有効である場合には、入札を実施し、その結果により定めることを可能とします。また、開発期間に長期を要する電源などについては、事業の予見可能性の確保の観点から、あらかじめ、複数年にわたる調達価格を定めることを可能とします。
第三に、再生可能エネルギーのさらなる導入を可能とするため、再生可能エネルギー電気の調達義務者を小売電気事業者から一般送配電事業者に変更する等の措置を講じます。また、これにあわせて、一般送配電事業者が調達した再生可能エネルギー電気について、卸電力取引市場において売買取引を行うことや、あらかじめ経済産業大臣に届け出た約款に基づき小売電気事業者に対して供給すること等を義務づけます。
第四に、電気を大量に消費する事業者に係る再生可能エネルギー電気の賦課金を減免する制度について、我が国の国際競争力を強化するという制度趣旨を明確化するとともに、この制度の対象となる事業者の省エネルギーに向けた取り組みを確認することができるように制度を見直します。加えて、再生可能エネルギー電気の調達義務者を一般送配電事業者等に変更することに伴い、電気事業法などの関係法律について、所要の改正を行います。
以上が、本法律案の趣旨でございます。(拍手)
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電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
第190回国会衆議院会議録第25号1頁(平成28年4月19日)〔林幹雄経済産業大臣発言・発言番号5〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一再生可能エネルギーについて、国民負担を抑制しつつ、持続的かつ最大限の導入を進めていくとともに、中長期的には固定価格買取制度に依存しない自立的な導入を目指すため、既存の再生可能エネルギー発電設備の高効率化・低コスト化や、新たな再生可能エネルギー源利用に向けた技術開発・実用化支援、更には規制改革等の環境整備に総合的に取り組むこと。また、今後のエネルギーミックス及び温室効果ガス削減目標の見直しに当たっては、こうした取組の成果を的確に反映すること。
二入札の実施については、経済産業大臣の判断基準を明らかにし、調達価格等算定委員会で入札が適当と判断するに至った審議経過を明らかにするとともに、まずは対象を大規模太陽光発電に限定し、入札の効果に関する検証を行った上で、その結果を公表すること。また、地域主体の事業者など幅広い事業者が応札することができるよう運用の工夫を行うこと。
三我が国の国際競争力の強化を図る観点から、電力多消費産業への賦課金減免制度を確実に維持し、真に必要な産業が現行と同様の措置を受けられるよう制度設計を行うこと。
四再生可能エネルギー発電事業の適正な実施を担保するため、既に運転開始している案件も含め、地方自治体とも連携しつつ、安全規制や立地規制などの他法令の遵守の徹底や認定情報の公開に取り組むこと。特に、太陽光発電設備については、安全上の問題に対処するため、認定基準や関係法令の遵守状況等の観点で不適切な事業者に対しては認定の取消等、厳正に対処すること。また、安全管理上の事故が発生している太陽光発電設備の保安規制については、公衆安全並びに作業安全を確保する観点から強化を図ること。
五風力や地熱、中小水力、バイオマスといったリードタイムの長い電源については、導入が十分に進んでいないことから、実態を踏まえた上で、複数年度にわたる買取価格の設定を行うとともに、環境アセスメントの短縮化などの規制改革、送配電事業者への系統接続の早期化などの環境整備に取り組むこと。
六電力系統の整備のあり方や費用負担については、系統整備コストの負担に留意しつつ、諸外国の取組を参考に更なる検討を行っていくこと。さらに、再生可能エネルギーの効率的な導入の観点から、地域間連系線運用ルールの見直しや系統利用情報の随時開示も含めた更なる開示等の検討を行うこと。また、系統への接続について、経済産業省と電力広域的運営推進機関が適切な監視を行うとともに、再生可能エネルギー発電事業者に対する不当な接続拒否が発生しないよう基準を明確化すること。
七再生可能エネルギー発電事業者の予見可能性を確保する観点から、国が出力制御の運用についての考え方を示すとともに、出力制御の状況について監視し、適切な情報開示を行うこと。
八再生可能エネルギーの最大限導入に加え、分散型エネルギーの導入促進や地域活性化への貢献の観点から、再生可能エネルギー熱、未利用熱の利用への支援や、自治体による分散型エネルギーシステムの構築に向けた取組の支援を抜本的に強化すること。
九新たな認定制度への移行に当たって、旧認定の取消や失効を含めた認定判断はすべて政府の責任において行うものであることに鑑み、関係事業者及び国民各層に対し、改正内容の説明を丁寧に行うこと。また、買取義務者の変更に当たっては、経過措置により新旧制度が併存されることに伴う関係事業者の負担に配慮すること。
十今後の固定価格買取制度の詳細設計や運用に当たっては、公平な競争環境の確保を図るとともに、再生可能エネルギーの増加と電力安定供給の確保を両立するため、調整電源の固定費回収等の課題について検討を進めること。
十一二〇一九年十一月以降に買取期間が終了する住宅用太陽光電源については、当該電源が、エネルギー供給の一翼を担う自立した電源として長期安定的な発電を継続していくことができるよう、必要な措置の検討を進めること。
十二今後の再生可能エネルギーの導入拡大の下で、エネルギー間の公平な競争環境を確保する観点から、再生可能エネルギーの導入がエネルギー自給率の向上や環境負荷の低減など国民全体の利益につながる点を勘案し、電気の使用者のみが費用を負担するのではなく、広く負担することも含め費用負担の在り方等について検討を進めること。
十三本制度を導入した諸外国においても、近年は課題が顕在化する都度、適宜、制度見直しを行うことで国情に応じた再生可能エネルギーの支援制度になるよう努めており、我が国においてもエネルギーミックスの達成状況も確認しながら、不断の検証を行い、必要に応じた見直しを行うこと。
政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一再生可能エネルギーについては、持続的かつ最大限の導入を進めていくとともに、消費者の電気料金の抑制に向けて更なる検討を進めること。また、中長期的には固定価格買取制度に依存しない自立的な導入を目指すため、再生可能エネルギー発電設備の高効率化・低コスト化や、新たな再生可能エネルギー源利用に向けた技術開発・実用化支援、更には規制改革等の環境整備に総合的に取り組むこと。なお、今後のエネルギーミックス及び温室効果ガス削減目標の見直しに当たっては、これらの取組の成果を的確に反映すること。
二入札を実施する再生可能エネルギー発電設備の区分等を指定する際には、経済産業大臣は、判断基準を明確にし、調達価格等算定委員会の審議経過を明らかにすること。また、入札は、当面、大規模太陽光発電に限定し、その効果の検証を行い、結果を公表すること。なお、地域主体の事業者など幅広い事業者が参入可能となるよう事業者の事情にも十分配慮した運用を行うこと。
三電力多消費産業への賦課金減免制度については、我が国の国際競争力の強化を図るという制度趣旨を踏まえ、真に必要な産業が現行と同様の措置を受けられるよう制度設計を行うこと。
四再生可能エネルギー発電事業の適正な実施を担保するため、既に運転開始している案件も含め、地方自治体とも連携しつつ、安全規制や立地規制などの他法令の遵守の徹底に取り組むこと。特に、太陽光発電設備については、安全上の問題に対処するため、認定基準や関係法令の遵守状況等の観点で不適切な事業者に対しては認定の取消等、厳正に対処すること。また、安全管理上の事故が発生していることに鑑み、太陽光発電設備の保安規制については、公衆安全並びに作業安全を確保する観点から、一般用電気工作物の太陽光発電設備を含め状況の把握に努め、事故報告の義務の対象拡大など、その強化を図ること。
五風力や地熱、中小水力、バイオマスといったリードタイムの長い電源については、導入が十分に進んでいないことから、環境アセスメントの短縮化などの規制改革、送配電事業者への系統接続の迅速化などの環境整備に取り組むこと。また、分散型エネルギーの導入促進や地域活性化への貢献の観点から、再生可能エネルギー熱、未利用熱の利用への支援や、自治体による分散型エネルギーシステムの構築に向けた取組の支援を抜本的に強化すること。
六電力系統の整備の在り方や費用負担については、系統整備コストの負担に留意しつつ、諸外国の取組を参考に更なる検討を行うこと。さらに、再生可能エネルギーの効率的な導入の観点から、地域間連系線運用ルールの見直しや系統利用情報の随時開示も含めた更なる開示等の検討を行うこと。また、系統への接続について、経済産業省と電力広域的運営推進機関が適切な監視を行うとともに、再生可能エネルギー発電事業者に対する不当な接続拒否が発生しないよう基準を明確化すること。
七再生可能エネルギー発電事業者の予見可能性を確保する観点から、出力制御の運用についての考え方を示すとともに、出力制御の状況について監視し、適切な情報開示を行うこと。
八新たな認定制度への移行に当たって、旧認定の取消や失効を含めた認定判断はすべて政府の責任において行うものであることに鑑み、関係事業者及び国民各層に対し、改正内容の説明を丁寧に行うとともに、大量の未稼働案件については、送配電事業者と連携して適切に対応すること。また、買取義務者の変更に当たっては、経過措置により新旧制度が併存されることに伴う関係事業者の負担に配慮すること。
九今後の固定価格買取制度の詳細設計や運用に当たっては、公平な競争環境の確保を図るとともに、再生可能エネルギーの増加と電力安定供給の確保を両立するため、調整電源の固定費回収等の課題について検討を進めること。併せて、二〇一九年十一月以降に買取期間が終了する住宅用太陽光電源については、自立した電源として長期安定的な発電を継続していくことができるよう、必要な措置の検討を進めること。
十エネルギーミックスの達成状況を確認しつつ、不断の検証と必要に応じた見直しを通じて、諸外国と比べ遜色のない調達価格水準の達成に向け取組を行うこと。また、エネルギー間の公平な競争環境を確保する観点や、再生可能エネルギーの導入がエネルギー自給率の向上や環境負荷の低減など国民全体の利益につながる点を勘案し、電気の使用者のみが費用を負担するのではなく、より幅広い観点から適切な費用負担の在り方等について検討を進めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=119001028)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。