障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律案
参議院 厚生労働委員会
平成28年法律第65号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院厚生労働委員会
- H28.4.19趣旨説明・質疑本会議 2526
- H28.4.22趣旨説明厚生労働委員会 13137
- H28.5.10参考人招致・参考人質疑厚生労働委員会 1558
- H28.5.11質疑・討論・採決・附帯決議厚生労働委員会 16329
- H28.5.12委員長報告・採決本会議 3146
参議院厚生労働委員会
- H28.5.19趣旨説明厚生労働委員会 20235
- H28.5.23参考人招致・参考人質疑厚生労働委員会 2193
- H28.5.24質疑・討論・採決・附帯決議厚生労働委員会 22385
- H28.5.25委員長報告・採決本会議 3073
提案理由
塩崎恭久 厚生労働大臣 平成28年4月19日ただいま議題となりました障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
障害者の地域移行や一般就労への移行が進む中、障害者が望む地域生活の実現や職場への定着を図るとともに、障害者の高齢化や障害児支援のニーズの多様化への対応を進めるため、より一層のきめ細かな支援が求められています。こうした状況を踏まえ、障害福祉サービスの拡充等を図るため、この法律案を提出いたしました。
以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
第一に、重度訪問介護について入院時も一定の支援を可能とするとともに、施設やグループホームに入所、入居していた者等を対象として定期的な巡回訪問や随時の対応等を行う自立生活援助を創設いたします。また、就労に伴う生活面の課題に対応できるよう、就労定着支援を創設いたします。さらに、高齢障害者による介護保険サービスの円滑な利用を促進するため、一定の高齢障害者が障害福祉サービスに引き続いて介護保険サービスを利用する場合に、利用者負担を障害福祉制度により軽減できる仕組みを設けます。
第二に、重度の障害等により外出が困難な障害児の居宅を訪問して発達支援を提供するサービスを創設するとともに、保育所等訪問支援について乳児院及び児童養護施設に入所している障害児に対象を拡大します。また、地方公共団体は、障害児福祉計画を定めることとするとともに、医療的ケアが必要な障害児が適切な支援を受けられるよう、保健、医療、福祉等の連携を促進することとします。
第三に、補装具費について短期間での交換が必要となる障害児の場合等に補装具の借り受けも可能とするとともに、サービス事業者の事業内容等の情報を公表する仕組みを設けます。
最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、平成三十年四月一日としています。
以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
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障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
第190回国会衆議院会議録第25号4頁(平成28年4月19日)〔塩崎恭久厚生労働大臣発言・発言番号14〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一障害者の介護保険サービス利用に伴う利用者負担の軽減措置については、その施行状況を踏まえつつ、その在り方について必要な見直しを検討すること。また、軽減措置の実施に当たっては、一時払いへの対応が困難な低所得者への配慮措置を検討すること。
二障害福祉制度と介護保険制度の趣旨を尊重し、障害者が高齢になってもニーズに即した必要なサービスを円滑に受けられることが重要との観点から、介護保険優先原則の在り方については、障害者の介護保険サービス利用の実態を踏まえつつ、引き続き検討を行うこと。
三入院中における医療機関での重度訪問介護については、制度の施行状況を踏まえ、個々の障害者の支援のニーズにも配慮しつつ、その利用の在り方について検討すること。また、障害者が入院中に安心して適切な医療を受けることができるよう、看護補助者の配置の充実等、病院におけるケアの充実に向けた方策を検討すること。
四自立生活援助については、親元等からの一人暮らしを含む、一人暮らしを希望する障害者が個別の必要性に応じて利用できるようにするとともに、関係機関との緊密な連携の下、他の支援策とのつながりなど個々の障害者の特性に応じた適時適切な支援が行われるような仕組みとすること。
五障害者が自立した生活を実現することができるよう、就労移行支援や就労継続支援について、一般就労への移行促進や工賃・賃金の引上げに向けた取組をより一層促進すること。また、就労定着支援の実施に当たっては、労働施策との連携を十分に図るとともに、事業所や家族との連絡調整等を緊密に行いつつ、個々の障害者の実態に即した適切な支援が実施されるよう指導を徹底すること。
六通勤・通学を含む移動支援については、障害者等の社会参加の促進や地域での自立した生活を支える上で重要であるとの認識の下、教育施策や労働施策との連携を進めるとともに、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」の施行状況等を勘案しつつ、モデル事業を実施するなど利用者のニーズに応じたきめ細かな支援の充実策を検討し、必要な措置を講ずること。
七障害支援区分の認定を含めた支給決定については、支援を必要とする障害者本人の意向を尊重することが重要との観点から、利用者の意向や状況等をより適切に反映するための支給決定の在り方について、引き続き検討を行い、必要な措置を講ずること。あわせて、障害支援区分の課題を把握した上で必要な改善策を早急に講ずること。
八障害者の意思決定の選択に必要な情報へのアクセスや選択内容の伝達が適切になされるよう、意思決定に必要な支援の在り方について、引き続き検討を行い、必要な措置を講ずること。また、「親亡き後」への備えを含め、成年後見制度の適切な利用を促進するための取組を推進すること。
九精神障害者の地域移行や地域定着の推進に向けて、医療保護入院の在り方、地域移行を促進するための措置の在り方、退院等に関する精神障害者の意思決定、意思表明支援の在り方等について早急に検討を行い、必要な措置を講ずること。また、相談支援、アウトリーチ支援、ピアサポートの活用等の取組をより一層推進すること。
十「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」の対象疾病については、指定難病に関する検討状況を踏まえつつ、障害福祉サービスを真に必要とする者が十分なサービスを受けることができるよう、引き続き、必要な見直しを検討すること。
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一障害者の介護保険サービス利用に伴う利用者負担の軽減措置については、その施行状況を踏まえつつ、障害者が制度の谷間に落ちないために、その在り方について必要な見直しを検討するとともに、軽減措置の実施に当たっては、一時払いへの対応が困難な低所得者への配慮措置を講ずること。また、障害福祉制度と介護保険制度の趣旨を尊重し、障害者が高齢になってもニーズに即した必要なサービスを円滑に受けられることが重要との観点から、介護保険優先原則の在り方については、障害者の介護保険サービス利用の実態を踏まえつつ、引き続き検討すること。
二入院中における医療機関での重度訪問介護については、制度の施行状況を踏まえ、個々の障害者の支援のニーズにも配慮しつつ、対象者の拡大等も含め、その利用の在り方について検討すること。また、障害者が入院中に安心して適切な医療を受けることができるよう、看護補助者の配置の充実等、病院におけるケアの充実に向けた方策を検討すること。
三自立生活援助については、親元等からの一人暮らしを含む、一人暮らしを希望する障害者が個別の必要性に応じて利用できるようにするとともに、関係機関との緊密な連携の下、他の支援策とのつながりなど個々の障害者の特性に応じた適時適切な支援が行われるような仕組みとすること。また、既に一人暮らしをしている障害者も対象にすることを検討すること。
四障害者が自立した生活を実現することができるよう、就労移行支援や就労継続支援について、適切なジョブマッチングを図るための仕組みを講じ、一般就労への移行促進、退職から再就職に向けた支援、工賃及び賃金の引上げに向けた取組をより一層促進すること。また、就労定着支援の実施に当たっては、労働施策との連携を十分に図るとともに、事業所や家族との連絡調整等を緊密に行いつつ、個々の障害者の実態に即した適切な支援が実施されるよう指導を徹底すること。
五障害者の雇用継続・職場定着において、関係機関を利用したり、協力を求めたりしたことのある事業所の割合を高めるよう、事業所を含めた関係機関同士の連携をより図るための施策について、障害者を中心とした視点から検討を加えること。
六障害者が事業所において欠くべからざる存在となることが期待されており、そのために重要な役割を担っているジョブコーチや障害者職業生活相談員の質の向上が求められることから、より専門性の高い人材の養成・研修について検討すること。
七障害者が持つ障害の程度は個人によって異なるため、就労を支援する上では主治医や産業医等の産業保健スタッフの役割が重要であることに鑑み、障害者の主治医及び産業保健スタッフに対する障害者雇用に関する研修について必要な検討を行うこと。
八通勤・通学を含む移動支援については、障害者等の社会参加の促進や地域での自立した生活を支える上で重要であるとの認識の下、教育施策や労働施策と連携するとともに、個別給付化を含め検討すること。あわせて、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」の施行状況等を勘案しつつ、モデル事業を実施するなど利用者のニーズに応じたきめ細かな支援の充実策を検討し、必要な措置を講ずること。
九障害支援区分の認定を含めた支給決定については、支援を必要とする障害者本人の意向を尊重することが重要との観点から、利用者の意向や状況等をより適切に反映するための支給決定の在り方について、引き続き検討を行い、必要な措置を講ずること。あわせて、障害支援区分の課題を把握した上で必要な改善策を早急に講ずること。
十障害者の意思決定の選択に必要な情報へのアクセスや選択内容の伝達が適切になされるよう、意思決定に必要な支援の在り方について、引き続き検討し、必要な措置を講ずること。また、「親亡き後」への備えを含め、成年後見制度の適切な利用を促進するための取組を推進すること。
十一精神障害者の地域移行や地域定着の推進に向けて、医療保護入院の在り方、地域移行を促進するための措置の在り方、退院等に関する精神障害者の意思決定、意思表明支援の在り方等について早急に検討し、必要な措置を講ずること。また、相談支援、アウトリーチ支援、ピアサポートの活用等の取組をより一層推進すること。
十二障害児福祉計画の策定に当たっては、保育所、幼稚園等における障害児の受入れ状況や障害福祉計画との整合性に留意しつつ十分な量を確保するとともに、質の向上も含めた総合的な支援が計画的に行われるよう配慮すること。
十三障害者等の家族を支援するため、専門家等による相談・助言体制の拡充及びレスパイトケア等の支援策の充実を図ること。また、障害児のきょうだい等が孤立することのないよう、心のケアも含めた支援策の充実を図ること。
十四「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」の対象疾病については、医学や医療の進歩、指定難病に関する検討状況等を踏まえ、更なる拡充を図るなど、障害福祉サービスを必要とする者が十分なサービスを受けることができるよう、引き続き、必要な措置を講ずること。
十五平成三十年度に予定されている障害福祉サービス等報酬改定に当たっては、安定財源を確保しつつ障害福祉従事者の賃金を含めた処遇改善、キャリアパスの確立、労働環境改善、人材の参入及び定着、専門性向上等による人材の質の確保等に十分に配慮して検討すること。
十六災害発生時において障害者等が安全にかつ安心して避難することができるよう、個々の障害の特性に対応した福祉避難所の拡充及び専門的知識を有する人材の確保、養成を図ること。また、福祉避難所が十分に機能するよう、福祉避難所の周知に努めるとともに、日常からの避難訓練の実施、避難することが困難な障害者等の把握及びその支援方法等について早急に検討すること。さらに、障害者が一般避難所を利用できるよう施設の整備等に努めるとともに、災害で入院した重度障害者等へのヘルパーの付添い、災害時に閉所を余儀なくされた障害福祉事業所に対する支援などの緊急措置を、関係法令にあらかじめ明記することを検討すること。
十七施行後三年の見直しの議論に当たっては、障害者の権利に関する条約の理念に基づき、障害種別を踏まえた当事者の参画を十分に確保すること。また、同条約に基づき、障害者が障害のない者と平等に地域社会で生活する権利を有することを前提としつつ、社会的入院等を解消し、地域移行を促進するためのプログラムを策定し、その計画的な推進のための施策を講ずること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=119001039)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。