航空法及び運輸安全委員会設置法の一部を改正する法律案
衆議院 国土交通委員会
令和元年法律第38号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院国土交通委員会
- H31.4.9趣旨説明国土交通委員会 5181
- H31.4.11質疑・討論・採決・附帯決議国土交通委員会 6135
- H31.4.12委員長報告・採決本会議 1252
衆議院国土交通委員会
- R1.5.29趣旨説明国土交通委員会 15170
- R1.6.7質疑国土交通委員会 1663
- R1.6.12質疑・討論・採決・附帯決議国土交通委員会 17125
- R1.6.13委員長報告・採決本会議 2917
提案理由
石井啓一 国土交通大臣 平成31年4月9日ただいま議題となりました航空法及び運輸安全委員会設置法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
我が国において、二〇二〇年半ばの初号機納入を目指して新たな国産航空機の開発が現在進められております。また、当該国産航空機の開発を契機に国内の航空機産業が発展、拡大していくことが期待されております。このように国産航空機の就航後、我が国は航空機設計国となることから、国際民間航空条約上の航空機設計国の責務を果たす必要があります。
また、昨今、航空機乗組員の飲酒に起因する不適切事案が連続して発生しているとともに、無人航空機の急速な普及に伴い、航空機と接近する事案や第三者が負傷する事案が発生しております。このため、航空機乗組員に対する規律強化と急速に普及している無人航空機の更なる安全確保を図る必要があります。
さらに、近年の航空機システムのデジタル化、高度化に対応し、民間能力を活用した合理的な航空機の安全確保の仕組みへ改める必要があります。
このような趣旨から、この度この法律案を提案することとした次第です。
次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、国産航空機の安全性への信頼を確保するとともに、その円滑な輸出を後押しするため、国産航空機の航空機メーカーに対して当該国産航空機の不具合情報の国への報告を義務付けるとともに、迅速かつ適切に修理改造ができるよう国による修理改造手順の承認制度を創設することとしております。
第二に、航空機の運航等の更なる安全を確保するため、飲酒等の影響により航空機の正常な運航ができないおそれがある間に航空機の操縦を行った場合の罰則を強化するとともに、無人航空機の飛行の方法について飛行前点検の遵守や航空機との衝突予防等を義務付けることとしております。
第三に、近年の航空分野における技術の進展を踏まえ、民間能力も活用して合理的に航空機の安全確保を図るため、国が十分な整備能力を有すると認定した航空機使用者によって適切に整備が実施されている航空機について、原則は一年である耐空証明の有効期間を延長できる仕組みの構築を行うこととしております。
第四に、運輸安全委員会による事故等に関する調査についても、我が国が国際民間航空条約上の航空機設計国の責務を適切に果たすため調査対象となる航空事故の兆候の範囲を拡大するとともに、調査を終える前においても、事故等の原因関係者等に対して必要な勧告ができることとしております。
その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上がこの法律案を提案する理由であります。
この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。
第198回国会参議院国土交通委員会会議録第5号21頁(平成31年4月9日)〔石井啓一国土交通大臣発言・発言番号179〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。
一今後の国産航空機の就航に当たっては、国際民間航空条約上の航空機の設計及び製造国政府としての役割・責任を確実に果たすとともに、新たな国際基準の策定等、世界的な航空機の安全性向上のために必要な活動に貢献すること。
二航空機の安全確保を図るため、装備品等の設計・製造者、航空会社を始めとする航空機の使用者、航空機整備会社等の航空機の安全確保に関連する民間事業者等の認定に当たっては、厳格に実施するとともに、民間事業者等に対する監督等を適時適切に行うこと。また、産業競争力の源泉となる民間事業者の技術等の情報管理に係る措置の徹底を促すこと。
三航空機整備検査認定制度の活用等に伴い、国による更新耐空証明検査を実施する機会の減少が見込まれることから、航空機検査官の育成及び技量維持に係る取組を進めること。
四航空機乗組員の飲酒等による不適切事案については、その発生に至る背景について、十分な分析を行うとともに、航空運送事業者に対し、従来にも増して航空機乗組員の心身の健康状態を適切に把握・考慮できるような体制の確立に向け、必要な助言・指導を行うこと。
五無人航空機の利活用の促進が求められている状況を踏まえ、事故やトラブル等を未然に防止することを目的とした飛行ルールの遵守事項の周知徹底が図られるよう、関係機関との連携に十分配慮すること。また、事故情報の分析等を行うことが事故等の再発防止に資することから、引き続き、事故等の情報の適切な把握に努めること。
六運輸安全委員会において、事故調査の報告までに一定の時間を要している現状を踏まえ、組織としての独立性を確保しつつ、航空事故の再発防止を目的とした組織体制の充実を図ること。
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。
一今後の国産航空機の就航に当たっては、国際民間航空条約上の航空機の設計及び製造国政府としての役割・責任を確実に果たすとともに、新たな国際基準の策定等、世界的な航空機の安全性向上のために必要な活動に貢献すること。
二国産航空機の就航後の安全運航の維持及び我が国航空機産業の更なる発展のため、航空機の安全性審査能力の維持・向上に努めること。
三航空機の安全確保における民間能力の活用に当たっては、装備品等の設計・製造者、航空会社を始めとする航空機の使用者、航空機整備会社等の航空機の安全確保に関連する民間事業者等に対する認定を適切に実施するとともに、航空機の安全性が確保されるよう厳格な指導・監督を行うこと。また、民間事業者の指導・監督に必要な体制の充実を図ること。
四航空機乗組員の飲酒等による不適切事案については、その発生に至る背景について、十分な分析を行うこと。また、航空運送事業者に対し、従来にも増して航空機乗組員の心身の健康状態を適切に把握・考慮できるような体制の確立に向け、必要な助言・指導を行うとともに、航空に携わる関係者に対し、飲酒に係る意識改革の徹底を促すこと。
五無人航空機に係る事故やトラブル等を未然に防止するとともに、今後の更なる利活用の拡大に対応するため、無人航空機の技術開発の動向や利活用の状況を見極めつつ、機体の安全性認証、操縦者・運航管理者の技能などの安全確保のための方策について、引き続き検討を進めること。
六運輸安全委員会において、事故調査の報告までに一定の時間を要している現状を踏まえ、組織としての独立性を確保しつつ、航空事故の再発防止等の観点から、早急かつ適確な事故調査を実施するための人材の育成、組織体制の充実を図ること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=119801043)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。