私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案
参議院 経済産業委員会
令和元年法律第45号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院経済産業委員会
- R1.5.17趣旨説明経済産業委員会 12224
- R1.5.22質疑・参考人招致・参考人質疑経済産業委員会 13253
- R1.5.24質疑経済産業委員会 14150
- R1.5.29採決・附帯決議経済産業委員会 1511
- R1.5.30委員長報告・採決本会議 2723
参議院経済産業委員会
- R1.6.7趣旨説明・質疑本会議 2478
- R1.6.11趣旨説明・質疑経済産業委員会 1249
- R1.6.13参考人招致・参考人質疑・質疑経済産業委員会 13228
- R1.6.18採決・附帯決議経済産業委員会 1412
- R1.6.19委員長報告・採決本会議 2731
提案理由
宮腰光寛 内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・消費者及び食品安全・少子化対策・海洋政策) 令和元年5月17日私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、いわゆる独占禁止法の課徴金制度は、昭和五十二年に成立した一部改正法により導入されました。その後、平成十七年に成立した一部改正法により課徴金減免制度が導入されるなど、所要の見直しが行われてきました。しかし、現行の課徴金制度は、一律かつ画一的に算定、賦課するものであるため、事業者が公正取引委員会の調査に協力した度合いにかかわらず一律の減算率となることから事業者による調査協力が促進されず、また、違反行為の実態に応じて適切な課徴金を課すことができないものとなっています。
このため、事業者による調査協力を促進し、適切な課徴金を課すことができるものとすることなどにより、不当な取引制限等を一層抑止し、公正で自由な競争による我が国経済の活性化と消費者利益の増進を図るため、ここにこの法律案を提出した次第であります。
次に、この法律案について、その概要を御説明申し上げます。
第一に、課徴金減免制度について、新たに事業者が公正取引委員会との合意により事件の解明に資する資料の提出等をした場合に課徴金の額を減額することができる制度を導入するとともに、減額対象事業者数の上限を廃止することとしています。
第二に、課徴金の算定方法について、課徴金の算定基礎額の追加、算定期間の延長、卸売業又は小売業の場合に適用する算定率の廃止、繰り返し違反行為をした事業者及び主導的役割を果たした事業者に対して割増し算定率を適用する場合の見直し等を行うこととしています。
第三に、検査妨害等の罪に係る法人等に対する罰金の上限額を引き上げるなど罰則規定の見直しを行うこととしています。
なお、これらの改正は、一部を除き、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしています。
以上が、この法律案の提案理由及び概要であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
第198回国会衆議院経済産業委員会議録第12号28頁(令和元年5月17日)〔宮腰光寛内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策発言・発言番号220〕 会議録 国会会議録検索システム
立法資料のある条文
この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)附帯決議
政府は、本法施行に当たり、次の諸点について十分配慮すべきである。
一減免申請を行う事業者の予見可能性を確保する観点から、新たな課徴金減免制度における事業者が自主的に提出する証拠等の評価方法については、ガイドラインにおいてその明確化を図ること。特に、カルテル・入札談合の対象商品・役務、受注調整の方法、参加事業者、実施時期、実施状況等の評価対象となる情報について、評価方法の考え方や具体例をわかりやすく明示すること。また、制度の運用状況を見つつ、適時適切にガイドラインの見直しを行うこと。
二課徴金減免制度において、事業者の協力度合いに応じた減算率を適用するに際しては、より高い減算率を得ること等を目的として事実を歪曲した資料の提出や供述調書の作成により迅速な実態解明が阻害されることがないよう留意するとともに、運用の検証やガイドラインの策定など適切な対応を行うこと。
三いわゆる弁護士・依頼者間秘匿特権に関して規則・ガイドライン等を整備するに当たっては、範囲、要件について、国際水準との整合性を可能な限り図るよう留意した内容とするとともに、新制度の運用を検証しつつ、制度の拡充も視野に検討を継続すること。
四いわゆる弁護士・依頼者間秘匿特権について、事業者と弁護士との間の法的相談に係る法的意見等の秘密を実質的に保護できるよう、公正取引委員会における判別手続と審査手続を明確に遮断する等、適正手続を確保する制度を本法施行までに整備すること。
五いわゆる弁護士・依頼者間秘匿特権に関する公正取引委員会における運用について、手続の透明性及び信頼性並びに事業者の予見可能性を確保するために、運用事例を定期的に公表するよう努めること。
政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一公正取引委員会による実態解明と一般消費者の利益、及び減免申請を行う事業者の予見可能性を確保する観点から、新たな課徴金減免制度における事業者が自主的に提出する証拠等の評価方法について、ガイドラインにおいてその明確化を図ること。特に、カルテル・入札談合の対象商品・役務、受注調整の方法、参加事業者、実施時期、実施状況等の評価対象となる情報について、評価方法の考え方や具体例を分かりやすく明示すること。また、制度の運用状況を検証しつつ、適時適切にガイドラインの見直しを行うこと。
二新たな課徴金減免制度において、事業者の調査協力度合いに応じた減算率を適用するに際しては、より高い減算率を得ること等を目的として事実を歪曲した資料の提出や供述調書の作成により迅速な実態解明が阻害されることがないよう留意すること。また、調査協力や供述内容等により、従業員が事業者から不当に不利益な取扱いを受けることのないよう、企業コンプライアンスの向上に対する支援を充実するなど、適切な対応を行うこと。
三いわゆる弁護士・依頼者間秘匿特権に関して規則・ガイドライン等を整備するに当たっては、対象となる範囲、要件について、国際水準との整合性を可能な限り図るよう留意した内容とするとともに、新制度の運用を検証しつつ、その在り方の検討を継続すること。
四秘匿特権について、事業者と弁護士との間の相談に係る法的意見等についての秘密を実質的に保護できるよう、公正取引委員会における判別手続と審査手続を明確に遮断する等、適正手続を確保する制度を本法施行までに整備すること。また、手続の透明性、信頼性及び事業者の予見可能性を確保するため、秘匿特権に関する運用事例を定期的に公表するよう努めること。
五経済活動のグローバル化や多様化、複雑化の進展を踏まえ、競争政策や競争法の国際調和を更に進めるとともに、国際市場分割カルテルなど、日本国内で売上額が生じない事業者に対する課徴金の賦課等についても、引き続き検討を行うこと。
六デジタル・プラットフォーマーをめぐる取引環境に関するルール整備に当たっては、寡占・独占による弊害が生じないよう、イノベーションの促進と利用者の保護等に配慮しつつ、取引環境の透明性・公正性の確保、データの移転・開放等の在り方等に関する調査・検討を早急に進め、国際的にも整合性のある適切な競争環境を確立すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=119801044)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。