土地基本法等の一部を改正する法律案
参議院 国土交通委員会
令和2年法律第12号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院国土交通委員会
- R2.3.6趣旨説明国土交通委員会 2223
- R2.3.18質疑・討論・採決・附帯決議国土交通委員会 3166
- R2.3.19委員長報告・採決本会議 1142
参議院国土交通委員会
- R2.3.24趣旨説明国土交通委員会 55
- R2.3.26質疑国土交通委員会 6147
- R2.3.27討論・採決・附帯決議国土交通委員会 712
- R2.3.27委員長報告・採決本会議 978
提案理由
赤羽一嘉 国土交通大臣 令和2年3月6日ただいま議題となりました土地基本法等の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
近年、土地をめぐる状況は、土地基本法が制定された平成元年当時と比べ大きく変遷しており、人口減少等の進展に伴う土地利用ニーズの低下等を背景に、所有者不明土地や管理不全の土地が増加し、これらの土地が生活環境の悪化の原因やインフラ整備、防災上の重大な支障となるなど、対応が喫緊の課題となっております。
こうした諸課題への対応のため、土地政策の基本理念等を見直し、適正な土地の利用及び管理を確保する施策の総合的かつ効率的な推進を図るとともに、その前提となる地籍調査を円滑化、迅速化するための措置等を一体的に講ずる必要があります。
このような趣旨から、このたびこの法律案を提案することとした次第です。
次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、土地基本法において、適正な土地の利用及び管理について基本理念を明らかにするとともに、登記等の権利関係、境界の明確化などを内容とする土地所有者等の責務を定めることとしております。
第二に、同法において、今後の土地政策の方向性を明示するため、政府が策定する土地基本方針を創設することとしております。
第三に、地籍調査の円滑化、迅速化を図るため、国土調査法等を改正し、新たな国土調査事業十カ年計画を策定するとともに、所有者探索のための固定資産課税台帳等の利用、地方公共団体による筆界特定の申請などの調査手続の見直しや、地域特性に応じた効率的調査手法の導入等を行うこととしております。
そのほか、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案を提案する理由でございます。
この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
第201回国会衆議院国土交通委員会議録第2号33頁(令和2年3月6日)〔赤羽一嘉国土交通大臣発言・発言番号221〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。
一新たな土地についての基本理念や、土地所有者等の責務等について周知徹底を図るとともに、あわせて、土地の所有者が、その所有する土地に関する登記手続その他の権利関係の明確化及び当該土地の所有権の境界の明確化等の責務を果たすことを支援するための措置を講ずること。
二土地基本法の基本理念にのっとり、基本的施策の実現等が図られるよう、適正な土地の利用及び管理を確保するための施策については、財産権を不当に侵害することのないよう十分に配慮しつつ、土地の有効利用の誘導、防災・減災、地域への外部不経済の発生防止及び解消等に向け、土地基本方針の策定を通じた関係省庁の緊密な連携の下、総合的に進めること。
三新たに策定する土地基本方針に基づく施策の推進に当たっては、地籍調査の円滑化・迅速化を図るため新たに導入される手続等に関する国からの助言、有識者の派遣、知識・経験を有する民間事業者の積極的な活用等、地方公共団体への支援や連携協力に努めること。
四災害からの復旧・復興等に資する地籍調査の迅速化を図るため、その必要性及び重要性について、国民及び地方公共団体に周知すること。また、地籍調査の未着手・休止市町村の解消に向け、民間委託制度の活用促進等、体制が十分でない市町村へのきめ細やかな支援を行うとともに、早期に地籍調査を完了するため、新たに策定する国土調査事業十箇年計画に基づく事業の着実な推進のため必要となる予算の確保に努めること。
五地方公共団体による筆界特定の申請については、権利関係の明確化や円滑な地籍調査の実施等に資することから、地方公共団体による申請に応えられるよう、申請代理人や筆界調査委員などの専門的知識・経験を有する者の確保も含め、十分な体制及び必要な予算の確保に努めること。
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。
一新たな土地についての基本理念や、土地所有者等の責務等について周知徹底を図るとともに、あわせて、土地の所有者が、その所有する土地に関する登記手続その他の権利関係の明確化及び当該土地の境界の明確化等の責務を果たすことを支援するための措置を講ずること。
二土地基本法の基本理念にのっとり、基本的施策の実現等が図られるよう、適正な土地の利用及び管理を確保するための施策については、財産権を不当に侵害することのないよう十分に配慮しつつ、土地の有効利用の誘導、防災・減災、地域への外部不経済の発生防止及び解消等に向け、土地基本方針の策定を通じた関係省庁の緊密な連携の下、総合的に進めること。
三放置されていくことが懸念される土地の管理について、地域における土地に関する現状把握及び周辺環境への悪影響を抑制するための対策など地域住民の取組を推進するため、ガイドラインの作成等の具体策について検討を行うこと。
四新たに策定する土地基本方針に基づく施策の推進に当たっては、地籍調査の円滑化・迅速化を図るため新たに導入される手続等に関する国からの助言、有識者の派遣、知識・経験を有する民間事業者の積極的な活用等、地方公共団体への支援や連携協力に努めること。
五土地基本法の改正を踏まえて講じられる国や地方公共団体による諸施策を通じて、土地の利活用が図られるよう、土地の管理不全化の防止、所有者不明土地の発生の抑制・解消に向けた取組を関係府省が一体となって行うこと。その際、相続登記の申請の義務化や土地の所有権放棄を認める制度等の創設に向けての検討を一層推進すること。
六空き地・空き家への対策を推進するため、空き地等に関する条例や空家等対策の推進に関する特別措置法等に基づいた地方公共団体等の取組を引き続き支援するとともに、管理不全の土地の解消等に関連した実効性のある制度の確立に向けた検討を行うこと。
七所有者不明土地の利用・管理を推進し、所有者の探索方法の合理化に資する土地情報基盤を整備するため、不動産登記簿、森林簿、農地基本台帳、固定資産課税台帳、住民票、戸籍等の関連情報の利活用の在り方について引き続き検討すること。その際、個人情報保護には十分な配慮を行うこと。
八土地は、国民のための限られた資源であることに鑑み、国際化の進展を踏まえ、国内外を問わず土地所有者の所在地を的確に把握できるような仕組みの在り方について検討すること。
九我が国における高齢化や人口減少を踏まえ、早期に地籍調査を完了するため、調査手法の見直しを行うとともに、社会資本整備、防災対策等、より緊急性の高い地域での調査が着実に実施されるよう、優先実施地域の絞り込みを図りつつ、当該地域での実施を促進するための仕組みづくりについて検討を行うこと。
十災害からの復旧・復興等に資する地籍調査の迅速化を図るため、その必要性及び重要性について、国民及び地方公共団体に周知すること。また、地籍調査の未着手・休止市町村の解消に向け、民間委託制度の活用促進等、体制が十分でない市町村へのきめ細やかな支援を行うとともに、早期に地籍調査を完了するため、新たに策定する国土調査事業十箇年計画に基づく事業の着実な推進のため必要となる予算の確保に努めること。
十一地方公共団体による筆界特定の申請については、権利関係の明確化や円滑な地籍調査の実施等に資することから、地方公共団体による申請に応えられるよう、申請代理人や筆界調査委員などの専門的知識・経験を有する者の確保も含め、十分な体制及び必要な予算の確保に努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=120101013)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。