地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案
参議院 厚生労働委員会
令和2年法律第52号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院厚生労働委員会
参議院厚生労働委員会
- R2.5.29趣旨説明・質疑本会議 2030
- R2.6.2趣旨説明・質疑・参考人招致・参考人質疑厚生労働委員会 16327
- R2.6.4質疑・討論・採決・附帯決議厚生労働委員会 17349
- R2.6.5委員長報告・討論・採決本会議 2265
提案理由
加藤勝信 厚生労働大臣 令和2年5月12日ただいま議題となりました地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
少子高齢化が急速に進行し、我が国の社会が人口減少に直面するとともに、単身世帯の増加等家族の在り方や地域社会も変化する中で、個人や世帯の抱える課題が複雑化、複合化しています。こうした状況を踏まえ、市町村の包括的支援体制の構築、地域包括ケアシステムの推進、医療、介護のデータ基盤の整備等を通じて、全ての地域住民が相互に人格と個性を尊重し合いながら、参加し、共生する地域社会の実現を図るため、この法律案を提出いたしました。
以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
第一に、市町村において、既存の相談支援等の取組を活かしつつ、地域住民の抱える課題の解決のための包括的な支援体制の整備を行う新たな事業及びその財政支援等の規定を創設することとしています。
第二に、地域の特性に応じた認知症施策や介護サービス提供体制の整備等を推進するため、認知症施策の総合的な推進に向けた国及び地方公共団体の努力義務を規定するとともに、有料老人ホーム等の設置状況を介護保険事業計画に位置付けます。
第三に、地域の特性に応じた質の高い医療・介護サービス提供体制を構築するため、介護分野のデータベースの収集情報の拡大、医療・介護情報の連結精度の向上等により、医療、介護に係るデータ基盤の整備を推進します。
第四に、介護人材確保及び業務効率化の取組を強化するため、その取組を介護保険事業計画に位置付けるとともに、介護福祉士養成施設卒業者への国家試験義務付けに係る経過措置の延長や、有料老人ホームの設置等に係る届出事項の簡素化のための見直しを行います。
第五に、地域における良質かつ適切な福祉サービスの提供及び社会福祉法人の経営基盤の強化を図るため、社会福祉事業に取り組む社会福祉法人やNPO法人等の業務連携を推進する社会福祉連携推進法人制度を創設することとしています。
最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、令和三年四月一日としています。
以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
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第201回国会衆議院会議録第23号2頁(令和2年5月12日)〔加藤勝信厚生労働大臣発言・発言番号12〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一重層的支援体制整備事業が、より多くの市町村において円滑に実施されるよう、同事業を実施していない市町村に対し、計画の策定、支援会議の設置及び同事業の実施の準備について、必要な助言、研修等を通じた人材育成その他の援助を行うよう努めること。また、市町村における同事業の実施状況によっては、できる限り速やかに必要な見直しに向けた検討を開始すること。
二より多くの市町村において支援会議が組織されるよう、その役割や重要性について周知を図るとともに、効果的な運営方法に関するガイドラインを作成するなど必要な支援を行うこと。また、支援会議に関する守秘義務の規定については、支援会議において知り得た全ての事項が含まれるものであることの周知を徹底すること。
三重層的支援体制整備事業の実施に要する費用に充てるための交付金については、同事業が、既存の介護、障害、子ども、生活困窮の制度ごとに分かれている相談支援等の事業のほか、伴走支援や多機関協働といった新しい機能を持つものであることを踏まえ、必要な予算の確保に努めること。とりわけ、裁量的経費についても事業を安定的に運営することができるよう、必要な予算の確保に努めること。
四介護保険法第五条第一項に規定する介護サービス提供体制の確保に関する施策その他の必要な各般の措置を講ずるに当たっては、介護人材の確保及び資質の向上の重要性に十分に留意すること。
五介護・障害福祉に関するサービスに従事する者の賃金等の状況を把握するとともに、賃金、雇用管理及び勤務環境の改善等の介護・障害福祉に関するサービスに従事する者の確保及び資質の向上のための方策について検討し、速やかに必要な措置を講ずること。
六介護人材を確保しつつその資質の一層の向上を図るための方策に関し、介護福祉士養成施設卒業者への国家試験義務付けに係る経過措置の終了に向けて、できる限り速やかに検討を行うこと。また、毎年、各養成施設ごとの国家試験の合格率など介護福祉士養成施設の養成実態を調査・把握の上、公表し、必要な対策を講ずること。
七今後、必要となる介護人材を着実に確保していくため、介護福祉士資格の取得を目指す日本人学生及び留学生に対する支援を更に充実させること。
八准介護福祉士の国家資格については、フィリピン共和国との間の経済連携協定との整合を確保する観点にも配慮して暫定的に置かれたものであることから、フィリピン共和国政府との協議を早急に進め、当該協議の状況を勘案し、准介護福祉士の在り方について、介護福祉士への統一化も含めた検討を開始すること。
九社会福祉連携推進法人制度について、社会福祉連携推進法人が地域の福祉サービスの維持・向上に資する存在として円滑に事業展開できるよう、社員となることのメリットを分かりやすく周知すること。
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一重層的支援体制整備事業について、同事業が介護、障害、子ども及び生活困窮の相談支援等に加え、伴走支援、多機関協働、アウトリーチ支援等の新たな機能を担うことを踏まえ、同事業がより多くの市町村において円滑に実施されるよう、裁量的経費を含めて必要な予算を安定的に確保するとともに、既存の各種事業の継続的な相談支援の実施に十分留意し、その実施体制や専門性の確保・向上に向けた施策を含め、市町村への一層の支援を行うこと。また、同事業を実施するに当たっては、社会福祉士や精神保健福祉士が活用されるよう努めること。
二認知症に対する概念の変化、政令で定める状態について広く周知し、「共生」と「予防」の概念を分かりやすく国民に説明すること。
三医療・介護のデータ基盤整備に関し、本法の施策によって解決・改善される問題・課題及びもたらされる具体的なメリットについて、費用対効果を含め、国民に分かりやすく提示するとともに、進捗管理を徹底すること。
四介護・障害福祉サービスに従事する者、とりわけ国家試験に合格した介護福祉士の需要の充足状況及び賃金・処遇等の改善の状況を適切に把握するとともに、賃金・処遇、ハラスメント対策を含む雇用管理及び勤務環境の改善等の方策について検討し、処遇改善加算等が賃金・処遇等の改善に有効につながる施策を講ずる等、介護・障害福祉サービスに従事する者の確保・育成に向けて必要な措置を講ずること。
五介護福祉士養成施設卒業者への国家試験義務付けに係る経過措置については、本来速やかに終了させるべきものであることに鑑み、その終了に向けて、直ちに検討を開始し、必要な施策を確実に実施すること。また、各養成施設ごとの国家試験の合格率など介護福祉士養成施設の養成実態・実績を調査・把握の上公表するとともに、可能な範囲で過去に遡って公表し、必要な対策を講ずること。また、介護福祉士資格の取得を目指す日本人学生及び留学生に対する支援を充実すること。
六社会福祉連携推進法人制度について、社会福祉連携推進法人が地域の福祉サービスの推進に資する存在として事業展開できるよう、社員となることのメリットを分かりやすく示すこと。また、社会福祉法人の合併及び事業譲渡の推進策について検討すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=120101043)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。