日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律等の一部を改正する法律案
参議院 国土交通委員会
令和3年法律第17号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院国土交通委員会
- R3.3.10趣旨説明国土交通委員会 2225
- R3.3.12質疑・修正案趣旨説明・採決・附帯決議・修正案国土交通委員会 3134
- R3.3.18委員長報告・採決本会議 1348
参議院国土交通委員会
- R3.3.23趣旨説明国土交通委員会 45
- R3.3.25質疑国土交通委員会 5111
- R3.3.26修正案趣旨説明・採決・附帯決議・修正案国土交通委員会 616
- R3.3.26委員長報告・採決本会議 1170
提案理由
赤羽一嘉 国土交通大臣 令和3年3月10日ただいま議題となりました日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律等の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
JR北海道、JR四国及びJR貨物のJR二島貨物会社につきましては、昭和六十二年四月の国鉄分割・民営化による発足以降、JR北海道及びJR四国は地域の基幹的な交通ネットワークを担い、JR貨物は我が国の全国的な物流ネットワークを支え続けています。しかしながら、他のJR各社が上場を果たしている一方、JR二島貨物会社はいずれも経営基盤の確立の途上にあり、これまで、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構による支援を行い、その経営自立に向けた取組を進めてきたところです。
近年のJR二島貨物会社の状況を見ますと、JR北海道及びJR四国につきましては、人口減少、他の交通機関の発達による旅客需要の減退、低金利の長期化等に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、その経営環境はより一層厳しさを増しております。また、JR貨物につきましては、近年は経常黒字を計上しているものの、災害等の影響を受けやすいなど、安定的な事業運営にはなお課題が残されております。
こうした状況を踏まえ、JR二島貨物会社に対する機構による支援について、その内容を充実強化しつつ、継続することにより、これらの会社の経営基盤の強化を図る必要があります。
このような趣旨から、この度この法律案を提案することとした次第です。
次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、JR二島貨物会社に対する鉄道施設の整備に係る助成金について、現在、令和二年度末となっている交付の期限を令和十二年度末まで延長することとしております。
第二に、JR北海道及びJR四国について、これらの会社の経営安定基金の運用益の下支えによる経営の安定化を図るため、機構が経営安定基金の借入れを行うための規定の整備を行うこととしております。
第三に、JR二島貨物会社それぞれの経営状況に応じたよりきめ細やかな対応を図りつつ、経営改革などを推進するため、新たな支援措置を講ずることとしております。具体的には、JR北海道及びJR四国に固有の課題となっている、青函トンネル及び本州四国連絡橋における改修費用の負担の見直しを行うとともに、JR二島貨物会社を対象に、生産性向上に資する設備投資に必要な資金の出資、機構に対する無利子借入債務の株式化、これらの会社の経営基盤の強化に必要な資金の貸付けを行う金融機関への利子補給金の支給等の支援措置を創設することとしております。
第四に、いわゆる並行在来線会社に対するJR貨物の線路使用料に係る助成金及び出資費用を確保するため、機構の勘定間における資金の繰入れに係る措置を講ずることとしております。
その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案を提案する理由でございます。
この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議、よろしくお願い申し上げます。
以上です。
第204回国会衆議院国土交通委員会議録第2号33頁(令和3年3月10日)〔赤羽一嘉国土交通大臣発言・発言番号223〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。
一JR北海道、JR四国及びJR貨物への税制面も含めた支援の実施に当たっては、安全運行の基礎となる人材の確保・育成並びに賃金及び労働時間等の労働条件の改善にも配慮し、将来像の明確化とその実現に必要な支援を行い、経営自立が実現できるよう万全を期すこと。なお、「二島特例」や「承継特例」などの税制特例措置をはじめとする既存の経営支援スキームについては、経営自立を果たすまでの間、現行水準の維持に努めること。
二経営安定基金については、長期にわたる低金利により当初想定していた効果が十分に発揮できていないことから、経済・社会情勢の変化に応じた実効性が確保できるよう、適宜適切に検討を行うこと。
三JR北海道、JR四国及びJR貨物の三社は主体的に持続可能な鉄道サービスの提供に引き続き努めるとともに、住民の意向や地域の実情を踏まえ、国と地方自治体は連携して必要な施策を講じること。
四地域における企業の立地、観光振興、地域内又は地域間の交流等を促進するための基幹的高速鉄道網の形成や空港アクセスの向上に努め、地域社会の維持・発展を図ること。また、札幌まで整備計画の進む北海道新幹線工事実施において地域住民への配慮に努めるとともに、四国における新幹線についても検討を進めること。なお、並行在来線の存続に関しては、物流面及び住民の足の確保も考慮した協議が行われるように指導等行うこと。
五我が国の物流においては、環境特性、労働生産性などの面から貨物鉄道へのモーダルシフトを推進することが重要であることに鑑み、必要な幹線鉄道網の維持については、単に鉄道政策のみならず、物流や環境に係る財源の活用等様々な政策によって対処すること。
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。
一JR北海道、JR四国及びJR貨物への税制面も含めた支援の実施に当たっては、安全運行の基礎となる人材の確保・育成並びに賃金及び労働時間等の労働条件の改善にも配慮し、将来像の明確化とその実現に加え、経営自立の実現ができるよう万全を期すこと。また、「二島特例」や「承継特例」などの税制特例措置を始めとする既存の経営支援スキームについては、経営自立を果たすまでの間、現行水準の維持に努めること。さらに、新型コロナウイルス感染症による影響が見通せない中、状況の変化に応じ支援内容を適宜見直すなど、三社はもとより公共交通全般への適時適切な措置を講ずること。
二経営安定基金については、長期にわたる低金利により当初想定していた効果が十分に発揮できていないことから、経済・社会情勢の変化に応じた実効性が確保できるよう、適宜適切に検討を行うこと。
三JR北海道、JR四国及びJR貨物の三社は主体的に鉄道サービスの提供に引き続き努めるとともに、住民の意向や地域の実情を踏まえ、国と地方公共団体は連携して必要な施策を講じ、将来にわたり持続可能な鉄道網が実現されるよう万全を期すこと。特に、JRが主体的に持続可能な鉄道サービスを提供できない事業領域については、国と地方公共団体が連携して必要な役割を果たすこと。また、今後、更なる加速が想定される人口減少・高齢化により、人流・物流網の維持・活性化が重要な課題となる中、JR北海道及びJR四国の取組を、全国各地域における将来的な課題の解決につなげるよう努めること。
四地域社会の維持・発展に資するよう、企業立地、観光振興、地域内又は地域間の交流等を促進するための基幹的高速鉄道網の形成や空港アクセスの向上に努めること。また、札幌までの北海道新幹線の工事実施において地域住民への配慮に努めるとともに、四国における新幹線についても検討を進めること。なお、並行在来線の存続に関しては、物流面及び住民の足の確保も考慮した協議が行われるよう指導等を行うこと。
五環境特性、労働生産性などの面から、我が国物流の貨物鉄道へのモーダルシフトの推進が重要であることに鑑み、必要な幹線鉄道網の維持については、単に鉄道政策のみならず、物流や環境に係る財源の活用等様々な政策によって対処すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=120401012)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。