特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律の一部を改正する法律案
参議院 総務委員会
令和3年法律第27号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院総務委員会
- R3.4.6趣旨説明総務委員会 12308
- R3.4.8質疑・採決・附帯決議総務委員会 13192
- R3.4.13委員長報告・採決本会議 2023
参議院総務委員会
- R3.4.15趣旨説明総務委員会 10205
- R3.4.20質疑・採決・附帯決議総務委員会 11190
- R3.4.21委員長報告・採決本会議 1766
提案理由
武田良太 総務大臣 令和3年4月6日特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
不特定の者によって受信されることを目的として行われる特定電気通信による情報の流通によって、自己の権利を侵害されたとする者が増加する中で、発信者情報の開示請求についてその事案の実情に即した迅速かつ適正な解決を図るため、発信者情報の開示請求に係る新たな裁判手続を創設するとともに、開示関係役務提供者の範囲を見直す等の措置を講ずる必要があります。
次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
第一に、裁判所が、特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者の申立てにより、決定で、開示関係役務提供者に対し、開示請求に基づく発信者情報の開示を命ずることができる発信者情報開示命令を設けることとしております。また、発信者情報開示命令の申立てを行うことができる管轄について定めるとともに、当該申立てについての決定に対する異議の訴えを提起できることとしております。
第二に、開示命令事件が終了するまでの間に発信者の特定ができなくなることを防止するため、裁判所が、開示命令の申立てをした者の申立てにより、決定で、開示関係役務提供者に対し、その保有する発信者情報を他の開示関係役務提供者に提供すること等を命ずるとともに、発信者情報の消去禁止を命ずることができることとしております。
第三に、開示関係役務提供者として、侵害情報の発信者が当該情報の送信に関連して行った他の通信を媒介した関連電気通信役務提供者を追加するとともに、所定の要件を満たす場合、関連電気通信役務提供者に対し、当該通信に係る発信者情報の開示を請求することができることとしております。
以上のほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
なお、この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
第204回国会衆議院総務委員会議録第12号32頁(令和3年4月6日)〔武田良太総務大臣発言・発言番号306〕 会議録 国会会議録検索システム
立法資料のある条文
この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の各項の実施に努めるべきである。
一迅速的確な被害者救済とともに、民主主義の根幹である表現の自由、通信の秘密が確保されるよう特に留意の上、関係機関・団体に協力を求めてインターネット上の誹謗中傷・人権侵害対策に当たること。
二インターネット上の誹謗中傷・人権侵害に関する情報発信について、過去の権利侵害に関する判例に基づいたガイドラインを作成する等により、運営事業者自身による契約約款や利用規約等に基づく主体的な削除等の取組を支援するとともに、迅速・的確な削除等の対応ができる環境整備を行うこと。
三インターネット上の誹謗中傷・人権侵害情報等に関する相談件数が高止まりしており、今後、デジタル化の進展により多種多様な誹謗中傷・人権侵害情報等の発信が想定されることから、インターネット上で誹謗中傷等を受けた被害者の相談体制を関係機関・団体と連携の上、充実・強化し、実効性のある被害者支援体制を構築すること。
四インターネット上の誹謗中傷や人権侵害を防止するためには、社会全体の情報モラル、ICTリテラシーの向上が重要であることから、関係機関が連携協力して啓発活動、加害者や被害者にならない対策を行うとともに、特に児童生徒に対する情報モラル、ICTリテラシー教育を充実させること。
五インターネット上の誹謗中傷・人権侵害が海外のウェブサイトやサーバーを経由して行われ得ることから、発信者情報開示手続や削除に関連し、諸外国との間で国際協力体制を構築するよう努めること。
六インターネット上の誹謗中傷・人権侵害対策に当たっては、誹謗中傷等に関する相談や削除対応等の件数等について実態把握を行うとともに、本法施行後において、本法に基づく非訟手続による対応件数、開示までの所要日数等を把握し、適切な被害者救済方策となっているかの検証を行い、その結果を踏まえ必要な見直しを行うこと。
七インターネット技術の革新が速く、誹謗中傷・人権侵害の態様が今後変化することが予想されることから、変化に適切に対応できるよう、発信者情報開示及び削除制度の不断の見直しを行うこと。
八インターネット上の性暴力被害が広がっている状況についても、被害者救済のための運営事業者の役割などを明らかにし、対策を強化すること。
政府は、本法施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。
一迅速・的確な被害者救済とともに、民主主義の根幹である表現の自由、通信の秘密が確保されるよう特に留意の上、関係機関・団体に協力を求めてインターネット上の誹謗中傷・人権侵害対策に当たること。
二インターネット上の誹謗中傷・人権侵害に関する情報発信について、過去の権利侵害に関する判例に基づくガイドラインを作成すること等により、運営事業者自身による契約約款や利用規約等に基づく主体的な削除等の取組を支援するとともに、迅速・的確な削除等の対応ができる環境整備を行うこと。
三インターネット上の誹謗中傷・人権侵害情報等に関する相談件数が高止まりしており、今後、デジタル化の進展により多種多様な誹謗中傷・人権侵害情報等の発信が想定されることから、インターネット上で誹謗中傷等を受けた被害者の相談体制を関係機関・団体と連携の上、充実・強化し、実効性のある被害者支援体制を構築すること。
四インターネット上の誹謗中傷・人権侵害を防止するためには、社会全体の情報モラルやICTリテラシーの向上が重要であることから、関係機関・団体が連携協力して啓発活動及び加害者や被害者にならない対策を行うとともに、特に児童・生徒に対する情報モラルやICTリテラシー教育を充実させること。
五インターネット上の誹謗中傷・人権侵害が海外のウェブサイトやサーバーを経由して行われ得ることに鑑み、発信者情報開示手続や削除に関し、諸外国との間で国際協力体制を構築するよう努めること。
六インターネット上の誹謗中傷・人権侵害対策に当たっては、誹謗中傷等に関する相談や削除対応等の件数等について実態把握を行うとともに、本法施行後において、本法に基づく非訟手続による対応件数、開示までの所要日数等を把握し、適切な被害者救済方策となっているかの検証及び運営事業者に寄せられた削除請求等の件数と対応結果について調査研究を行い、その結果を踏まえ必要な見直しを行うこと。
七インターネットにおける今後の急速な技術革新に伴い予想される誹謗中傷・人権侵害情報の多種多様な態様の変化に適切に対応できるよう、発信者情報開示及び削除の制度について不断の見直しを行うこと。
八インターネット上で権利侵害を受けた被害者が、迅速かつ円滑に権利回復を図ることができるよう、本法に基づく非訟手続について、関係機関・団体と連携の上、適切な周知を図ること。
九インターネット上で広がっている性暴力被害についても、被害者救済のための運営事業者の役割などを明らかにし、対策を強化すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=120401038)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。