電波法及び放送法の一部を改正する法律案
参議院 総務委員会
令和4年法律第63号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院総務委員会
- R4.4.7趣旨説明・質疑本会議 1845
- R4.4.12趣旨説明総務委員会 11162
- R4.4.14質疑総務委員会 1264
- R4.4.19質疑・討論・採決・附帯決議総務委員会 13228
- R4.4.21委員長報告・採決本会議 2246
参議院総務委員会
- R4.6.1趣旨説明・質疑本会議 2721
- R4.6.2趣旨説明・質疑・討論・採決・附帯決議総務委員会 10294
- R4.6.3委員長報告・採決本会議 2813
提案理由
金子恭之 総務大臣 令和4年4月7日電波法及び放送法の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
電波の公平かつ能率的な利用を促進するため、電波監理審議会の機能強化、携帯電話などの特定基地局の開設指針の制定に関する制度の整備、電波利用料制度の見直しなどを行うほか、近年の放送を取り巻く環境の変化などを踏まえ、基幹放送の業務に係る認定申請書などの記載事項に外国人などが占める議決権の割合などを追加し、その変更を届出義務の対象に追加するなど情報通信分野の外資規制の見直しを行うとともに、日本放送協会の受信料の適正かつ公平な負担を図るための還元目的積立金の制度を整備するなどの措置を講ずる必要があります。
次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
第一に、電波監理審議会の機能強化として、電波の有効利用の評価は、これまで総務大臣が電波の利用状況調査の結果に基づき行ってきたところ、技術の進展などに対応した、より適切な評価を行うため、広い経験と知識を有する委員から構成される電波監理審議会が行うこととしております。
第二に、携帯電話などの特定基地局の開設指針の制定に関する制度の整備として、既に開設されている電気通信業務用基地局が現に使用している周波数について、その周波数を使用する特定基地局の開設指針の制定をすべきことを希望する者は、その旨を総務大臣に申し出ることができる制度を創設するとともに、その開設指針は、総務大臣が、申出に係る開設指針の制定が必要である旨を決定したとき、電波の有効利用の評価の結果が一定の基準を満たしていないと認めるときなどに制定することとしております。また、携帯電話などの特定基地局の開設指針の記載事項として、電波の公平な利用の確保に関する事項を追加するとともに、当該特定基地局に係る認定開設者は、認定計画に記載した特定基地局の無線設備の設置場所以外の場所においても、当該特定基地局の開設に努めなければならないこととしております。
第三に、令和四年度から令和六年度までの電波利用共益費用などの見込みを勘案した電波利用料の料額の改定を行うとともに、電波利用料の使途として、研究開発のための補助金の交付を追加することとしております。
第四に、情報通信分野の外資規制を見直すこととし、基幹放送の業務に係る認定申請書、基幹放送局の免許申請書の添付書類などの記載事項として、外国人などが占める議決権の割合などを追加するとともに、当該事項の変更を届出義務の対象に追加するほか、外資規制に違反した場合にその事情を考慮して認定基幹放送事業者の認定などの取消しを一定期間猶予できる措置について、所要の制度の見直しを行うこととしております。
第五に、日本放送協会の受信料の適正かつ公平な負担を図るための制度の整備として、日本放送協会は、毎事業年度の損益計算において生じた収支差額が零を上回るときは、当該上回る額の一定額を還元目的積立金として積み立てるとともに、積み立てた額は受信料の額の引下げの原資に充てなければならないこととするほか、専ら日本放送協会の業務に密接に関連する政令で定める事業を行う者を子会社として保有することを目的とする関連事業持ち株会社への日本放送協会の出資に関する制度及び受信契約の締結義務の履行を遅滞した者から日本放送協会が徴収することができる割増金の額に関する制度を整備することとしております。
以上のほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
なお、この法律は、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしておりますが、一部の規定を除き、情報通信分野の外資規制の見直しに関する規定、還元目的積立金に関する規定などは、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
―――――――――――――
第208回国会衆議院会議録第18号6頁(令和4年4月7日)〔金子恭之総務大臣発言・発言番号32〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府及び日本放送協会は、本法の施行に当たり、次の各項の実施に努めるべきである。
一政府は、総務大臣に代わり新たに電波の有効利用評価を行うこととなる電波監理審議会については、同審議会委員に技術的知見を有する委員を多く任命するなど、実効性ある機能強化を図ること。
二政府は、携帯電話等の周波数の再割当てに際しては、電波の公平かつ能率的な利用を確保するとともに、現在周波数の割当てを受けている事業者の移動通信システムの利用者に係る不利益も十分に考慮すること。
三政府は、今後の電波利用料の見直しに際しては、電波の利用状況等の環境の変化に応じ、負担の公平等に留意して、予算規模及び料額を決定すること。なお、当該決定に当たっては、議論の透明性を確保すること。また、電波利用料の使途については、制度の趣旨に鑑み、電波利用料負担者の理解を十分得られるよう、更なる適正化を図ること。
四政府は、電波利用料の料額について、免許人が負担の増額について予見できるよう、見直しに関しては、料額が急激に増加することのないように留意しつつ、原則として三年ごとに検討し、必要があると認めるときは、その検討結果に基づいて所要の措置を講ずること。なお、事情の変更により三年の期間内に電波共益費用の財源が不足した場合は、電波法第百三条の三第二項の規定に基づき、過去の電波利用料の余剰金を優先的に活用することとし、安易な料額の引上げは慎むこと。
五政府は、情報通信分野の外資規制については、経済安全保障の観点からも重要であることに鑑み、外資規制の実効性が担保されるよう、審査手続及び審査体制を整備すること。
六政府は、無線局の免許、放送事業者の認定等の業務の遂行に際しては、いやしくも行政がゆがめられたとの疑いをもたれないよう、公平・公正を旨とすること。
七政府は、協会の事業収支差金のうち財政安定のために留保する金額の上限設定に際して、協会の財政安定と視聴者への還元を慎重に考慮し、明確かつ適正な水準を設定すること。また、協会は、割増金制度について、まず受信契約についての理解を得るため最大限努力し、真にやむを得ない場合にのみ割増金の徴収を行うこと。
八協会は、中間持株会社の設置と並行して子会社の再編を進める際には、関係する職員の雇用等に留意すること。
政府及び日本放送協会は、本法の施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。
一政府は、総務大臣に代わり新たに電波の有効利用評価を行うこととなる電波監理審議会については、同審議会委員に技術的知見を有する委員を多く任命するなど、実効性ある機能強化を図ること。
二政府は、携帯電話等の周波数の再割当てに際しては、電波の公平かつ能率的な利用を確保するとともに、現在周波数の割当てを受けている事業者の移動通信システムの利用者に係る不利益も十分に考慮すること。
三政府は、今後の電波利用料の見直しに際しては、電波の利用状況等の環境の変化に応じ、負担の公平等に留意して、予算規模及び料額を決定すること。なお、当該決定に当たっては、議論の透明性を確保すること。また、電波利用料の使途については、制度の趣旨に鑑み、電波利用料負担者の理解を十分得られるよう、更なる適正化を図ること。
四政府は、電波利用料の料額の改定については、免許人等が負担の水準を予見できるよう、三年ごとに検討することを原則とし、安易な電波利用料額の引上げは慎むこと。検討結果に基づいて所要の措置を講ずる場合においても、料額が急激に増加することのないよう留意すること。
五政府は、電波利用料の歳入と歳出の累積差額については、電波利用料の共益費用としての性格や特定財源としての位置付けを踏まえ、必要性や緊急性の高い電波利用料共益事務への積極的な活用を図ること。
六政府は、情報通信分野の外資規制については、経済安全保障の観点からも重要であることに鑑み、外資規制の実効性が担保されるよう、審査手続及び審査体制を整備すること。
七政府は、無線局の免許、放送事業者の認定等の業務の遂行に際しては、いやしくも行政がゆがめられたとの疑いを持たれないよう、公平・公正を旨とすること。
八政府は、協会の事業収支差金のうち財政安定のために留保する金額の上限設定に際して、協会の財政安定と視聴者への還元を慎重に考慮し、明確かつ適正な水準を設定すること。また、協会は、受信契約の締結に応じない者を対象とする割増金制度について、まず受信契約についての理解を得るため最大限努力し、真にやむを得ない場合にのみ割増金の徴収を行うこと。
九協会は、中間持株会社の設置と並行して子会社の再編を進める際には、関係する職員の雇用等に留意すること。
十政府は、電波・放送行政の公正性及び中立性を確保するため、電波・放送行政の運営について不断の見直しを行うこと。
十一政府は、日本国憲法で保障された表現の自由、放送法に定める放送の自律性を尊重し、放送事業者の番組編集における自主・自律性が保障されるように放送法を運用すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=120801018)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。