民法等の一部を改正する法律案
参議院 法務委員会
令和4年法律第102号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院法務委員会
- R4.11.1趣旨説明・質疑本会議 545
- R4.11.2趣旨説明法務委員会 4185
- R4.11.8参考人招致・参考人質疑・質疑法務委員会 5234
- R4.11.9質疑・採決・附帯決議法務委員会 6376
- R4.11.17委員長報告・採決本会議 107
参議院法務委員会
- R4.11.18趣旨説明・質疑本会議 734
- R4.11.22趣旨説明法務委員会 8138
- R4.12.6質疑・参考人招致・参考人質疑法務委員会 9208
- R4.12.8質疑・修正案趣旨説明・採決・附帯決議・修正案法務委員会 10236
- R4.12.10委員長報告・採決本会議 1245
提案理由
葉梨康弘 法務大臣 令和4年11月1日民法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
この法律案は、無戸籍者の問題を解消し、児童虐待を防止するなどの観点から、民法等の一部を改正しようとするものであります。
その要点は、次のとおりであります。
第一に、民法の一部を改正して、嫡出推定規定を見直し、母の婚姻の解消等の日から三百日以内であっても、母の再婚後に生まれた子は、再婚後の夫の子と推定することとし、これに伴い不要となる女性の再婚禁止期間に関する規定を削除するとともに、嫡出否認をすることができる者の範囲及び嫡出否認の訴えの出訴期間を見直し、また、事実に反する認知についてその効力を争うことができる期間を設けるなどの措置を講じ、さらに、親権者の懲戒権に関する規定を削除し、子の監護及び教育において子の人格を尊重することや体罰をしてはならないこと等の規定を新設することとしております。
第二に、国籍法の一部を改正して、事実に反する認知の効力を争えなくなった場合でも、事実に反する認知によっては日本国籍を取得することができないことを明らかにする規定を設けることとしております。
第三に、人事訴訟法及び家事事件手続法の一部を改正して、嫡出否認の判決又は審判が確定した場合に、その内容をこの判決等により嫡出推定を受けることになる母の前夫に通知すること等の規定を設けることとしております。
第四に、生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律の一部を改正して、嫡出否認をすることができる者の範囲の見直しに係る民法の一部改正に伴い、第三者の精子を用いた生殖補助医療により出生した子について、妻及び子の嫡出否認権を制限する規定を設けることとしております。
第五に、児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正して、親権者や児童相談所長等が児童に対して行う監護及び教育等に関する必要な措置について、子の監護及び教育等に係る民法の一部改正と同様の見直しを行うこととしております。
以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
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民法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
第210回国会衆議院会議録第5号3頁(令和4年11月1日)〔葉梨康弘法務大臣発言・発言番号27〕 会議録 国会会議録検索システム
立法資料のある条文
この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)附帯決議
政府及び最高裁判所は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一嫡出の推定が及ぶ範囲の見直し及びこれに伴う女性に係る再婚禁止期間の廃止など本法による改正内容について十分な周知に努めること。特に、本法の施行の日前に生まれた子に適用される子及び母の否認権の行使については本法の施行の日から一年間に限り認められていることに鑑み、対象となる無戸籍者等に対する周知が遺漏なく行われるよう努めること。
二本改正が無戸籍者対策として行われることに伴い、無戸籍者が司法手続を利用しやすくするための支援や、行政サービスを受けられるよう、関係機関が綿密な連携に努めること。
三母や子が父を相手に否認権を行使するに当たり、DVや児童虐待等がある場合があることを踏まえ、相手方と対面することなく、また、相手方に住所等を知られることなく手続を行うことができる措置を講じるなどの柔軟な運用について周知すること。
四本法施行後も、本改正が無戸籍者問題の解消に資するものとなっているかを継続して検証し、必要に応じて、嫡出推定制度等について更なる検討を行うこと。
五国籍法第三条の改正により、国籍取得後に事実に反する認知が明らかとなった場合には、認知の無効を争うことができなくなった後であっても当該認知された子の国籍取得が当初から無効であったこととなり日本国籍が認められなくなることを踏まえ、無国籍者の発生防止の観点や日本人として生活していた実態等を十分に勘案して、帰化又は在留資格の付与に係る手続において柔軟かつ人道的な対応を行うこと。
六民法の懲戒権の規定に関しては、児童虐待の口実として使われることを防止するために当該規定の削除等が行われることを踏まえ、体罰等は許されないという認識を社会全体で共有するために積極的かつ細やかな広報活動を行うなど、本改正の趣旨についての周知徹底及び関係機関との連携に努めること。
政府及び最高裁判所は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一嫡出の推定が及ぶ範囲の見直し及びこれに伴う女性に係る再婚禁止期間の廃止など本法による改正内容について十分な周知に努めること。特に、本法の施行の日前に生まれた子に適用される子及び母の否認権の行使については本法の施行の日から一年間に限り認められていることに鑑み、対象となる無戸籍者等に対する周知が遺漏なく行われるよう努めること。
二本改正が無戸籍者対策として行われることに伴い、無戸籍者が司法手続を利用しやすくするための支援や、行政サービスを受けられるよう、関係機関が綿密な連携に努めること。
三母や子が父を相手に否認権を行使するに当たり、DVや児童虐待等がある場合があることを踏まえ、相手方と対面することなく、また、相手方に住所等を知られることなく手続を行うことができる措置を講じるなどの柔軟な運用について周知すること。
四本法施行後も、本改正が無戸籍者問題の解消に資するものとなっているかを継続して検証し、必要に応じて、嫡出推定制度等について更なる検討を行うこと。
五国籍法第三条の改正により、国籍取得後に事実に反する認知が明らかとなった場合には、認知の無効を争うことができなくなった後であっても当該認知された子の国籍取得が当初から無効であったこととなり日本国籍が認められなくなることを踏まえ、無国籍者の発生防止・削減の観点や日本人として生活していた実態等を十分に勘案して、当該子の法的地位を速やかに安定させるよう、帰化又は在留資格の付与に係る手続において柔軟かつ人道的な対応を行うこと。
六政府は、本法施行後、国籍取得後に事実に反する認知が明らかになり、国籍取得が当初から無効となる子の件数及びその原因を把握し、必要に応じて、それに伴う課題等の有無を検討すること。
七民法の懲戒権の規定に関しては、児童虐待の口実として使われることを防止するために当該規定の削除等が行われることを踏まえ、体罰等は許されないという認識を社会全体で共有するために積極的かつ細やかな広報活動を行うなど、本改正の趣旨についての周知徹底及び関係機関との連携に努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=121001012)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。